cero "obscure ride "
まだ上半期だが、これはすごい傑作だ!私がどうのこうの言う前にとりあえず先入観なしに聴いて欲しい。
ところで、このバンド知名度はそこまでないかもしれない。私も、たまたま前作のアルバムを視聴したのが出会いだった。それが、まだ2ndだったのも衝撃的だった。
ceroというバンド名の由来は、 "contemporary exotic rock orchestra"とも、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の一節からとられてると言われている。
ただ、私からするとバンドのネーミングの由来なんかどうでもいいと思ってしまうほどなのである。
ceroはジャンルに括られないバンドだと思う。ただ、私が名付けるなら"tokyo city post-pops"という、あらたなジャンルを作ったと思う。あらゆる音楽のルーツを新たにミックスして、都市の音楽と化した。
今作は、前作に比べブラックミュージックの要素もふんだんに使われており、これからceroがどのように進化していくのも楽しみだ。
彼らの音楽はBGMにかけておくだけでも充分おしゃれなのだが、案外歌詞世界でもスートーリー観が広がっている。なんというか、不思議な短編映画を見たような感覚になる。
現実と夢の世界の境の曖昧さ、非現実な日常。世の中の"ゆらぎ"が上手く表現されている。それを、ただ善悪を付けないで、淡々と歌にしていくところが好きだ。
このように、いろんな思いを内包しているCDに感じられるかもしれない。でも、サウンドは決して重くなく、むしろ軽やかだ。
一言でいうと、デジャブみたいなCDだな。