〈1〉社員食堂の新規立ち上げ・リニューアルを計画する

何からはじめれば良いのか

新しく社員食堂を立ち上げる計画があるので担当として動いてもらいたい。総務に配属されて間もなくのことでした。

社員食堂を立ち上げるために何を準備してどんな手順で進めるのかもわからず、お手本となる資料も見当たりません。

また総務の諸先輩に聞いても、社員食堂を一から立ち上げた人はいませんでしたので、自分で考え始めることになりました。

私の場合は、すでに一つの社員食堂があるところに、増員対応でもう一つの社食を作ることになっていたため、新らたに立ちあげる社食は、いまある社食と同じか少し良くする程度のことくらいしか想像していませんでした。

そこで、いまある社食を食堂業者さんと日々一緒に考えて行動している、総務の担当者にヒアリングをして、 現状の問題点を上げてもらい、社員や食堂業者さんの以前からの困りごとを解決すれば、良い食堂ができて、良いリニューアルにもつながると考えたのです。

ところが、総務の食堂担当者に普段から問題になっているところや困っているところはないかと質問してみても、特に困っていないし、うまく回っているという返答で、現状の課題は聞き出すことができませんでした。

さて、いま現在社員食堂がなかったら、まずはプロである食堂業者さんに提案をしてもらうところから始めていたと思います。何をどう進めればよいのかもわかりませんので、プロに提案してもらうところから始めるのが近道です。

食堂業者さんからは、提案にあたって最初に、「何名くらいが利用される食堂でしょうか」、「どのくらいのご予算(月額)を考えていらしゃいますか?」という質問になることが多いはずです。

ご予算と言われても何を根拠にすればよいのか、相場も分かりませんし、それ以上にいまお願いしている社食のコストも割にあっているのか、あっていないのかも分からない状況です。

まずは自社の食堂を知るところからはじめなければなりません。


自社の食堂を知ってから他社も知る

自社の食堂を知ることは重要です。

知っているつもりでも、過去にさかのぼって自社の社員食堂の歴史をひもといたりすると、福利厚生の考え方や時代ごとの変化など、さまざまなことがわかったりします。

そしていま現在、毎日の朝昼夕やメニューごとに何食の利用があるのかを調べるために、委託している食堂業者さんにも協力していただいてデータを集めるところから始めます。

日ごとの集計結果を、1年から2年分さかのぼって出してもらうと、あとで面白い発見ができるデータになります。

会社の支払っているコストはどのくらいでしょうか。これは契約書を見るか、経理に聞けば簡単に調べることができます。

そして、月額のコストを月次の平均喫食数で割ると、一食あたりの金額がわかります。

一般に一食500円前後かと思いますが、会社負担と個人負担が分かれている場合は会社のコストだけで計算すると、本来の半額以下という安い食事代になってしまいますので気をつけます。

もし、いま社食がない場合には、一食500円からの検討スタートになると思います。

では、一食400円だとどんな食事になって、600円だとどういう食事になるのでしょうか。

他の会社の社員食堂では一日何食の利用がある食堂で一食おいくらの食事提供で運営されているのでしょうか。自社の状況を調べることで、さまざまな疑問もわいてきます。

社員食堂の一日の食数や月々の食数は社員食堂の規模であり、一食あたりのコストは社食のグレードになって、食堂業者さんが一番気にされる部分です。

自社の食堂の理解が進んだところで、食堂業者さんにコンタクトをとって相談と質問から始めます。

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