〈4〉他社と自社の社員食堂比較

他社を知って自社を再認識する

他の会社の社員食堂を見せていただき、食事もさせてもらうとメニューの違いももちろんですが、カレーやラーメン、うどん、そばの定番メニューでも味の違いを感じることができて、新鮮なうえにすごく刺激になります。

他の会社の社員食堂の実態を知り、自社には無いところ、気づいたところ、会社としてどういう社員食堂を作ろうとしているのか、どう活用してどう成果を得ようとしているのか、想像しながら見学をすると、書き留めることがたくさんありました。

また、自分の会社の社員食堂の運営状態を振り返るきっかけにもなるので、日々提供してもらっている食数や食堂で働く方の人数、日常のメニュー構成や食堂運営コスト、さらに自社の社食の変遷や福利厚生の考え方の歴史についてもっと掘り下げて知りたくなります。

食堂業者さんからの提案書でも刺激を受け、なるほどと気づくところはありましたが、実際に目で見て肌で感じるのは違った意味で大きな収穫があります。

提案書に書かれていた想像を超えるような豪華すぎるほどの社員食堂も、実際に見ることで現実的なものとなって、そのあとは意外と冷静に提案書を見返すことができるようになります。

身の丈にあった提案はどのあたりにあるのか、思いもよらぬ素晴らしい提案には当然そこにかかるコストがあって、どの程度のお金をかけるとどこまでできるのか知ることもでき、さまざまな感覚が身についてきたことも実感できました。

短期間で得られた貴重な情報と感覚は、会社の財産として残すためにも、これまでの内容を出来る限り報告書にまとめて、上司である課長や部長への状況報告としても活用します。

そしてこのあと、どういうストーリーを組み立てて行動をするのか、自分なりに提案をまとめて上司への報告の中に盛り込み、承認を得ておくことも大切です。

私たちの場合は、「社員を巻き込んで、みんなで作る社員食堂にする」ことをストーリーにして、忙しい社員の皆さんですが協力をしてもらいながら、みんなで社食を作り込んでいくことにしました。


どんな社員食堂にしたいのか

社員食堂のこと、給食業界のことを自分でいろいろ調べて、他社の食堂も見せてもらったところで、自分の会社の社員食堂はどんな社食にしたいのかを考えてみます。

自分の会社の食堂だけしか知らない狭い見識のときは想像もしなかった、たくさんの気づきがあり、なんとなくですがイメージも持ててきました。

他社の社食はメニューが豊富で、サンプルメニューを見ながら選んでいる時から楽しそうでした。混雑している列に並んでいても楽しそうで、グループで笑いながら食事をしている姿はとても印象的でした。
(自社の食堂でも笑って食事しているはずなのに・・・なぜでしょう、気がつきませんでした)

どんな社員食堂にしたいのか・・・「みんなが笑顔になる食堂」・・・これが作りたい社員食堂になりそうです。

しかし総務の独りよがりで、「さぁ食堂を作ったので笑って食べてください」と言っても笑ってくれるかどうかわかりません。

技術者の時もそうでした。新しい技術に取り組んで特許を書いて、製品に組み込んでみても、結局ニーズがなければそれは単なる技術者の独りよがりです。

では、笑顔になれる社員食堂に、社員のみんなは何を望むのでしょうか。知り合いに聞いてみました。

・美味しければいいんじゃない
・安いけりゃそれでいいよ
・混雑しない食堂がいいね

さらに、

・最近の味噌汁しょっぱいんだよね
・盛り付けの量がバラバラで自分のが極端に少なかった
・空調の効きが弱いんじゃない?

聞き方が悪かったのでしょう。総務相手に文句のオンパレードになってしまいました。

どうやって社員から聞き出すか、どうやって社員に協力してもらえばよいのかを考える必要が出てきました。

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