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Varjo XR-3を体験したら生まれたてのおじさんになった

Varjo XR-3はいいぞ

こんにちは!
株式会社Synamonにて、エンジニアリングマネージャーをしている佐藤(@unsoluble_sugar)です。

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先日、弊社が「Varjo Software Partner Program」に参画した旨のプレスリリースを出させていただきました。

Varjoとは、フィンランドの高性能VR/XRハードウェア企業「Varjo Technologies Oy」が開発した複合現実ヘッドセットです。その最新デバイスが、今回ご紹介する「Varjo XR-3」です。

「Varjo XR-3」は、人間の目レベルの解像度(70PPD以上)と業界最大級の視野(115度)を実現した世界トップクラスの複合現実ヘッドセットです。独自の「ビデオパススルー技術」により、仮想オブジェクトはホログラムではなく、本物のオブジェクトのように見ることができます。

PPD(Pixel Per Degree)は、視野角1度あたりのピクセル密度です。人の目の解像度が60PPDとされているので、コンテンツ次第では現実と見間違うレベルということになります。

参考までに、主要なHMDデバイスのPPDを載せておきます。

・GOOVIS LITE:53PPD
・HoloLens 2:47PPD
・Pimax 8K:22.58PPD
・Oculus Quest 2(Oculus Link):20.58PPD
・HTC Vive Pro 2:20.4PPD
・HP Reverb G2:18.95PPD
・Oculus Go:12.8PPD
・PSVR:10.4PPD
・FOVE0:8.9PPD

PSVRやHoloLens 2など、本記事執筆時点で世に出ているHMDデバイスを上回る体験が得られるとイメージしていただければ問題ないです。

公式PVが格好良過ぎて漏らしそう。とりあえず見て。

なんか凄そうですね。

でもXRって「体験してみないと実際の凄さがよくわからない」ってのが最大の難点なんですよね。

実際に体験してみた

そんなVarjo XR-3がオフィスに到着したので、さっそく体験してみました。

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本体の重さは594g。Quest 2ほど軽くはありませんが、装着時にそれほど重さは感じず、VR空間内も違和感なく動き回ることができました。

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装着者の手の動きを認識するハンドトラッキングモジュールとして、本体前面にカメラとセンサーを搭載。現実の自分の手足を映像空間内にそのまま投影するといったMR的なこともできます。

実際にVarjo XR-3を体験しているおじさんの様子をご覧ください。

Twitterに動画をアップしたら「生まれたてのおじさん」というパワーワードを叩きつけられました。解像度の暴力や視野の広さ、遅延の無さに圧倒されて初心者ムーブをかましてしまった。

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体験したコンテンツは以下動画と同じものです。

正直この動画内でやっているような

・VR空間で自分の手を動かす
・ワープ移動する
・オブジェクトに触れる
・手元のメニューパレットでツールの設定調整をする
・空間に立体的な絵を描く

といった操作は、弊社プロダクト「NEUTRANS」を含めた様々なVRプラットフォームでも体験できます。

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最近ではOculus Quest 2など、わりとお手頃価格で気軽にVRコンテンツを楽しんでいる方もいらっしゃるかと思いますが

ハッキリ言って次元が違いました。

「普通にそこに居る」感覚

この体験を言語化して表現するのはなかなか難しいのですが…

これまでのVR体験は「何となく用意された空間に入ってる」感覚だったのが「普通にそこに居る」感覚になった。とでも言えば良いのでしょうか?

明らかにひとつ上の次元にシフトした印象を受けました。

結構なお値段の本体価格に加えて、動作させるのに最低でも50万円くらいのつよつよPCが必要、といったハードルの高さに見合った体験が得られます。

例えば、VR空間内に窓のようにくり抜かれた空間があり、そこから先の景色は現実世界の様子がそのまま見えるといったMR体験も可能です。僕も実際に体験してみたのですが、これマジで「どこでもドア」です。

だってHMDを被ってVR空間見てるのに、現実世界でまわりに居る人が肉眼で見るのと相違なく見えるんですよ。

まさに「普通にそこに居る」んです。

これまでVR/XRでは、ヘッドマウントディスプレイの性能の限界によって引き起こされる「現実とCGに境界があることを知覚してしまう問題」がありました。これはいかに高度なCG技術を利用しても「現実空間にCGが浮かんでいる」、または「CGの空間に実写のものが浮かんでいる」という感覚から離れることができず、VR/XRで開拓できる領域に限界がありました。

ほんの触り程度とはいえ、Varjo XR-3を体験してみて、この課題に対するブレイクスルーを起こす可能性を垣間見ることができました。CGのクオリティ次第では、VR空間と現実世界の見分けがつかない領域までいってしまうのでは?と思えるほどです。

数々のVRを体験してきた弊社執行役員でさえも、初めてVRを触った時のようにはしゃいでいました。

これぞ「人間の目レベルの解像度」が、なし得た功績なのかもしれません。

XRやっていくぞ

株式会社Synamonでは「Varjo XR-3」を活用し、新たな事例創出を目指して研究開発を進めてまいります。

・CGをCGと感じさせないことで初めて実現できるデザインレビュー
・現実との境界をあいまいにすることで可能になる新しいエンターテインメント
・5Gより先の未来(6G)を想定したVR/XRの先行開発とそのPoC

BizDev、エンジニア、デザイナーをはじめとした弊社メンバーの精鋭たちが、これからどんなプロダクトを生み出しくれるか楽しみですね!

僕もエンジニアリングマネージャーとして、より良い組織づくりに貢献していきたいと思います。

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Synamonで一緒に未来を作っていく仲間たちも募集していますので、XR市場の開拓に興味をお持ちの方はぜひお声がけください!

現場からは以上です。

追記:弊社エンジニアによるVarjo関連のテックブログ記事を以下に列挙します。ぜひご参考ください。


投げ銭すると翼が生えます。