見出し画像

UNRIVALEDのポイント設定について

複雑なポイント設定に思えるUNRIVALEDルールだが、その理念を紐解けば、実は至ってシンプルであることが分かる。

『どの局面でも立てる選手が強い』

UNRIVALEDルールのポイント設定はこの理念を元に構築されている。
例えばUNRIVALEDのスイープはブラジリアン柔術ルール同様+2ポイントとなるが、加点の条件はガードポジションからでなくても構わない。
サイドやマウントポジションでコントロールされている状態からでも、上下の関係が逆転すればトップポジションを取った選手の加点となる。
それは亀の状態からでも同様で、亀になった選手を攻めあぐねているうちに上下逆転した場合はやはりトップを取り返した亀の選手の加点となる。

ルールを研究するWilliam Tackett

テイクダウン後、ポイントが入る前に相手が亀にり、その亀を制した場合も同様で2秒以上、上下の関係性が成立すれば加点となる。この場合テイクダウン後、上下の関係性が成立しているので2ポイントとなる。ただしこの後、亀の選手がトップを取り返せば亀の選手に2ポイント加算される。
スタンドバックの状態では上下の関係が成立していないので加点にならない。
スタンドバックからグラウンドに移行した場合、上下の関係性よりポジションの優位性が優先されるので、上下に関わらずバックポジションを維持した側の加点となる。
William Tackettは交渉が成立した2022年12月からルールについて研究をはじめ、『I love the UNRIVALED rules.』とコメントを残した。

最小加点のエスケープポイント

勝敗を分かつ+1

抑え込まれた状態から、スタンド状態に回復した選手にエスケープポイント+1とする。
これも『どの局面からでも立てるほうが強い』という理念に基づき設定されたポイントだ。
アマチュア大会3回、プロ大会1回と開催してきたが、このエスケープポイントの+1が勝敗を左右した試合は無い。
エスケープポイントの1ポイントはUNRIVALEDに於ける最小点ではあるが、実力が伯仲した選手同士の場合、このギリギリの1ポイントが勝敗を分ける可能性は充分にある。

引き込みには−2

ペナルティポイントの−2

ブラジリアン柔術に特有の引き込みには−2ポイントとしている。
護身術的発想からであろう引き込み行為。
立技の攻防をスポイルするこの行為、当初は相手方に+2ポイントとする案もあったが、ペナルティとして引き込み行為を行なった選手に対し−2ポイントを課することにした。
ともすればネガティブにも取られかねない引き込みにはペナルティポイントとしたが、柔術家はスイープ+2でポイントをイーブンにするか、一本を奪取し引き込みが決してディフェンシブな行為ではない事を証明しなくてはならない。

ルールをひとつ排除する毎に、競技は安全性を犠牲にし実戦に近づく。
ルールは少ないほうが、より単純明快にはなるが、その反面、暴力的になり競技とはかけ離れてしまう。
UNRIVALEDは極限までルールを簡略化し、状況の優劣をポイント化=視覚化することで暴力性の排除と競技としての分かりやすさを実現している。
競技としての体面を保ちつつ、より実戦を想起させる為にこのようなポイント設定としているのだ。

UNRIVALED2オフィシャルスポンサー

UNRIVALED2は2/26(日)iTSCOM STUDIO&HALL 二子玉川ライズにて開催。