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UNRIVALED道着マッチ

2021年5月21日開催のアマチュア大会 ALTANAから導入した道着マッチ。
道着は白のみ着用を認め、帯については赤、もしくは紺の帯を締めて臨む。
なおサンボ選手については、スパッツを認める代わりにシューズの着用を義務としている。
パンツを掴まれないというメリットと引き換えに、足関節を取られやすいというリスクを負ってもらう。

投げ一本

『背中から勢いよくマットに着く』投技について、サブミッションによるタップアウトと同様の一本決着を採用した。
投技については実戦に於ける殺傷力という意味で、サブミッションと同義であると考える。
ただし自発的なタップによる決着と違い、投技は相手の意思に忖度のない、極めて一方的な攻撃といえる。
生殺選択の猶予を与えて決着を促すサブミッションと、その対象に能動的に生を奪いにいく投技との介在が、UNRIVALED道着マッチの大きな醍醐味とも言える。

全身が攻撃対象となる

柔道と違い、UNRIVALED道着ルールでは下半身への攻撃が許される。
脚を掴んでの朽木倒しや、シングル、ダブルレッグタックルも有効だ。
また柔道では反則の蟹挟み、柔術で反則の外掛け、サドルロックも有効である。
ALTANA道着マッチでは唯一、ヒールホールドだけを反則として、より実戦的なルールとした。

小内掛けによる投技一本決着

アンクルロックによるタップアウト

投げるか極めるか

5/22の大会では、柔道家に投げられるリスクを回避する為に、自ら2ポイントを献上し、引き込みを敢行する柔術家が顕著だった。
UNRIVALEDでは組技師の矜持を信じ、膠着状態でも注意や指導を行わない。
寝技に付き合わない柔道家、投技に付き合わない柔術家で、いわゆる猪木-アリ状態が発生するかと思われたが、そこが引き込みマイナスポイントの妙。
引き込みを行った側はスイープをし、ポイントをイーブンに戻すか、サブミッションで一本を狙わないと勝利できない。
ガードポジションのまま、トップポジション側に積極的にコンタクトし、トップ側はそれにパスガードをあてにいくという攻防も多く見られ、これがまたスリリングな展開となった。

格闘技としてのレコンキスタ

安全を奨励し、親和性を高めた昨今の柔道や柔術ルールに逆行し、格闘技としての失地回復を目指す為に、UNRIVALED道着マッチでは粗野粗暴とも取られかねないルールを採用している。
また注意や指導を行い、スタンドやグラウンドの展開を奨励するより、主催者と選手のディスカッションにより、柔道家が積極的にサブミッションを狙いに行く、柔術家がスタンドから跳び関節技を極めにいくという展開が生まれたら、それがUNRIVALED道着マッチの本懐といえる。