UNRIVALED ALTANA

2021年5月22日に第2回大会を予定していたUNRIVALEDは運営組織の再編成とロゴデザインや演出の制作に追われていた。
今大会から運営組織は2チームに分割され、運営進行チーム、デザイン制作チームがそれぞれ責任者を置き、その責任者をクライアントが統括管理するという形式を取った。

物語を紡がない

クライアントからデザイン制作チームに明確なデザインコンセプトの提示があった。

『物語』を廃して欲しい。

インタビューや選手による舌戦、爆発や花火による演出は廃し、煽りVによる感情移入の扇動もなく、ニュートラルに試合にフォーカスさせたい。
いわゆる『番組』は作らないで欲しい。
それを受けたデザイナーチームは、幾つかのラフ案と度重なるプレゼンを経てロゴを納品した。

ニュートラルでシンプル、装飾や情報を一切排し、完全決着を標榜するUNRIVALEDらしいシンボルとなった。

アンディ・ムラサキVS岩本健汰

一方で運営進行チームはルールの整備や会場の選定を進めると同時に、イベントの最重要課題であるマッチメイクに着手しようとしていた。

4/3ラスベガスで開催されたEUG
圧倒的なパスガードをもってジアニ・グリッポを三角絞めで極めたアンディ・ムラサキ(ATOS)が一時日本に帰国しているとの情報をキャッチ。
制作運営チームは代理人を通じ、即時出場のオファーをした。
アンディの対戦相手に浮上していたのは岩本健汰(IGLOO)
岩本はBH08でも今成正和を肩固めで極めていた。

契約体重は80kg

アンディ・ムラサキの代理人から
『契約体重が80kgなら試合を受ける』との連絡が入る。
運営進行チームは、アンディがオファーを快諾したことに色めき立つも、65kg級の岩本がそれを受けるか危惧していた。
だがしかし、岩本はその条件を2つ返事で引き受けた。
これはもう今大会のメインカードが決まったと言ってもよかった。
あとはこのカードを軸にマッチメイクを進める算段だった。

数日してアンディの代理人から
『やはり今回の出場は見送りたい。』
との連絡が入る。
理由は不明だが、おそらくATOSガヴァオンがヒール有りのルールと聞いて、ストップをかけたのではないかとのこと。
ドリームカードと言ってよかったアンディx岩本の対戦が幻に立ち消えたことにより、制作運営チームは失意に暮れるのであった。