ちけふ組はゆゆゆ組になり得るか

はじめに
もうすっかりクリスマスですね(素振り)
毎年毎年出ようと思ってて、でも結局なんだかんだ逃してて、今年やっと参加することができたAdvent Calendar。テンションが上がってまだ11月の上旬だというのに前書きを書き始めています。確実に気が早い。

さて、今回僕が書かせていただくのは、ゆゆ式において通称"ちけふ組"と呼ばれる千穂、岡ちー、ふみちゃんの3人のお話。
ゆゆゆ組の関係性はよく話題に上がりますが、ちけふ組を3人の仲良しグループとして考えるのはちょっと新しいかな、と。

あの3人の関係性は、ゆゆゆ組に似ているようで、何かが違う。ゆゆゆ組はきっと大学生になっても、社会人になっても、定期的に会って今と変わらない関係を維持するでしょう。
でも、ちけふ組は果たしてどうでしょうか。
高校を卒業した後も、時間を作ってわざわざ集まるでしょうか。僕は、もしかしたらそうならないかも…と危惧しているんです。

まあ、僕が危惧してもしょうがないんですけど、少なくともそうはなって欲しくない。いつまでも仲良しでいて欲しい。
じゃあ、どうすれば彼女たちは関係性を維持できるのでしょうか。どうすれば、ゆゆゆ組のような強い繋がりを得ることができるのでしょうか。それを、僕なりの解釈で考えていこうと思います。


目次
1.ちけふ組の現状について
2.ゆゆゆ組とちけふ組の比較
3.ちけふ組の問題点と解決策
4.まとめ


1.ちけふ組の現状について
まずは、ちけふ組の今の状態を、ざっくりとだが原作を通して明確にしていこう。
※なお、今後ちけふ組のことはそれぞれ「千穂」「岡ちー」「ふみちゃん」と記述する。
(呼称は完全に僕の趣味)
※あと、「ゆゆゆ組」「ちけふ組」も一般的な呼び方かどうか分からないけど、便利なのでまとめてそう呼ぶことにする。

a.千穂と岡ちー
千穂と岡ちーの関係は、語弊はあるものの一言で言えば「愛玩と被愛玩」だと思う。
岡ちーは「ウチの相川あんまとるなよ…」のシーンや「いや、ウチの相川だから」のシーンなどで、千穂に対して強い独占欲を抱いているのが分かるし、ふみちゃんと一緒になって千穂を可愛がっているような節が見受けられる。
ただ、ふみちゃんと違って岡ちーは、千穂に変なことを言って困らせて遊ぶというより、千穂を無表情で可愛がることで困らせて遊んでいるといった感じである。

b.千穂とふみちゃん
千穂とふみちゃんの関係は割と千穂と岡ちーの関係に似ているが、岡ちーほど独占欲は強くないのと、千穂を笑わせたり困らせたりして反応を楽しむという傾向が強い。その点はふみちゃんと岡ちーの関係にも似たところがある。

c.ふみちゃんと岡ちー
この2人の関係は典型的な「ボケとツッコミ」である。ふみちゃんが岡ちーをからかったりボケたりして、それに岡ちーがツッコむという形が完成している。
現状、この2人の組み合わせは最もバランスが良く、ちけふ組の成長の鍵と言えるだろう。

d.3人の関係
上の3つをまとめると、ふみちゃんと岡ちーが千穂を可愛がって反応を楽しみつつ、ふみちゃんが変なことを言い、千穂が笑い、岡ちーが突っ込むといった感じである。
これだけ見ると、ゆゆゆ組とさほど変わらないように思える。では、次はゆゆゆ組とちけふ組の比較に移っていこう。

2.ゆゆゆ組とちけふ組の比較
さっきも書いたように、ゆゆゆ組とちけふ組は色々な点で共通している。例えば役割分担、ボケる人、ツッコむ人、笑う人と分かれているのは同じだし、1人を他2人が可愛い可愛いと持ち上げる構図も同じだ。
じゃあ何が違うのか、それはひとえに、安定感と信頼感である。
ゆゆゆ組は、それぞれが他2人のことを深く理解している。ゆえに、どこまでボケていいのか、どこまで強くツッコんでいいのか、どこまでイジっていいのか、どこまで変化球を投げていいのか、それが分かっているからこそ、あの会話は生まれる。
たとえ少し見誤ってもしっかりカバーしてくれるし、逆に浅くても笑いに昇華できる。
その点、まだちけふ組は付き合いが短い分、ラインが明確でないのだろう。素の自分は出してないだろうし、ある程度浅い場所で会話を終わらせてしまっている感じがする。学校生活での雑談なら十分だろうが、きっとこのままでは、仮に今は良くても将来、大学生や社会人になってしまうと交友が途切れてしまう可能性がある。
僕はそんなちけふ組は見たくない。(2回目)
だから、その後の人生に渡って彼女たちが仲良くあり続けるために、千穂、岡ちー、ふみちゃんが3人組の中でそれぞれどのように変わっていくべきなのか、次はそれを探っていこうと思う。

3.ちけふ組の問題点と解決策
誤解のないように言っておくと、問題点といってもちけふ組そのものに問題があるというわけではなく、3人がより仲良くなるために必要な過程、その過程における課題のことである。
彼女たちのそれぞれの性格や役割を踏まえたうえで、その課題と解消案を見ていこう。

a.千穂の場合
千穂の1番の課題は、なんといっても「猫を被っている」ということに尽きるだろう。
原作にも描写があるが、千穂は家ではめんどくさがりで甘えん坊であることが窺える。しかし外では一転、真面目で控えめで押しに弱いと、まるで正反対である。
それ自体はさして問題ではない。ただ、それをちけふ組での会話でも維持しているのが非常に大きな壁となっているのである。
千穂は岡ちーやふみちゃんに対しても、当たり障りのない対応しかしない。でも、かといって2人に対して全く心を開いていないかといったら、決してそうではない。ではどうしてなのか。
その答えが、まさに彼女が被っている猫のせいなのである。彼女が素の自分を隠しているために、面白い会話が生まれづらい。それでは3人の仲は深まらない。
では、どうするべきか。答えは簡単、ありのままの自分を出せばいいのである。
もっと岡ちーやふみちゃんに甘えていいし、だらけた部分を見せていい。それを受け入れてくれる土壌はできつつあると思う。
もしそれを恥ずかしがらずできるようになれば、2人も千穂にもっと突っ込んだ絡みができるし、距離はぐっと近づくだろう。
そうなるには2人への信頼が必要だけど、それに関してはきっと時間が育んでくれるし、最初の頃よりは確実に成長している。だから、あとは千穂の少しの勇気、それだけだ。

b.ふみちゃんの場合
構成の都合上、先にふみちゃんから。
ふみちゃんは、ゆゆゆ組に当てはめるとゆずこの位置になる。が、ゆずことは異なり、より静かにボケて笑いを取るタイプで、場を盛り上げたい!という感じではない。
ふみちゃんの課題は、一言で言えば「隙を見せない」という点だろう。
ゆずこのボケに思わず噴き出してしまうシーンにも見られるように、ふみちゃんは人前で笑うことがあまりなく、うっかり笑ってしまった場合でもそれを隠そうとする。
千穂の場合と同じだが、こういった性格も普段の生活でなら問題はないが、3人での会話でもそのキャラをそのまま通してしまうと3人の仲は深まらない。
現状、ふみちゃんは岡ちーや千穂の「上」から2人と接している。非常に言葉にしづらいのだが、ふみちゃんが岡ちーや千穂をからかうことはあっても、逆はあまりない。
現実世界にもそういった「隙のない」人はいるが、そういう人は他人と深い仲になることが難しい。やはり仲良くなるためには、お互いに自分の弱い部分や恥ずかしい部分、変わった部分や気持ち悪い部分などをある程度さらけ出さなければならない。
ふみちゃんは今のところ、2人にそこまでは見せれていない。まだ2人から見るとふみちゃんは「イマイチよく分からない」存在だと思う。
解決策はもう言うまでもないだろう。省いてもいいくらいだ。隙をもっと見せること、それに尽きる。
具体的には、面白いと思ったものに対して素直に笑ってみる、とか。岡ちーに甘えてみる、とか。自分語りをしてみるというのも良いだろう。そういった塩梅で、ふみちゃんが岡ちーと千穂に愛される存在になるというのは、3人の関係をぐっと深める重要な要素だろう。
ついでに言うと、僕はふみちゃんがちけふ組の雰囲気を決める大きな役割を担っているんじゃないかと、そう密かに睨んでいる。
ゆゆゆ組を見れば分かるが、唯ちゃんはもともとあまり大声を出して会話をするタイプではない。が、ゆずこがいることによってツッコミで自然と声が大きくなっている。
同じように、ふみちゃんもそういった側面があると思っている。
ゆゆゆ組が「動」なら、ちけふ組は「静」と言うべきか。ふみちゃんがボソッとボケて、岡ちーが冷静にツッコみ、千穂が控えめに、でもいっぱい笑う。そういった感じの、ゆゆゆ組とはまた違った安定の形を作り出してくれるのかもしれないな、と僕は思っている。

c.岡ちーの場合
岡ちーは2人よりもシンプルで、ただもっと2人のことを理解してあげるだけだ。
現状では、千穂に対しては強くツッコめていないし、逆にふみちゃんにはちょっとツッコミが強すぎてしまっているケースが見受けられる。
ただ、その状態を改善していくのは岡ちーではなく、千穂とふみちゃんである。
千穂とふみちゃんが、さっき僕が指摘したそれぞれの課題をクリアすれば、自ずと岡ちーの立ち振る舞いもより居心地の良い場所に収まっていくだろう。
だから岡ちーは2人のありのままの状態を受け入れて、愛してあげる。それだけで十分だと思う。

4.まとめ
この部分を書いているのが11/24である。我ながらとてもえらい。仕事ができる男。
何度もになるが、別にこれはあくまで僕の妄想に過ぎないし、彼女たちは僕の想定とは全く違う方向に進展していって、その結果想像もつかないような関係になる可能性だって当然ある。
僕が書いたのは単なる一つのモデルであるし、この通りにならなければならないということはないが、一応、順当に年月を重ねていけばなっていくであろう形を書いたつもりではある。
なんなら、わざわざ一人一人の事例に分けて考えたけど、3人とも「相手のことをちゃんと理解した上で素の自分を見せる」という結論に帰結している。こんな長々と書く必要性もなかったかもしれない。
そういえば、この文章をあらかた書き終えたのち、改めてゆゆ式を読み返したのだが、三上先生は想定してるのか否か、僕が出した案に合致するような描写が、最新の方の話で少しずつ出てきているのに気づいてしまった。
例えば千穂が机で寝ているシーンや、青いスパゲティのエピソードなんかがそうで、3人の今まであまり見なかった一面が原作でも描写されている。それらが彼女たちの親密度の上昇を表現するエピソードなのだとすれば、僕の論理が三上先生の見解と完全な合致はせずとも、少なからず一致点があることの証左になる。
そうでなくとも、僕の考えが客観的に判断しても大きく逸脱していないことを示していることに変わりはないだろう。

さいごに
冒頭でも書いたけど、ちけふの3人に焦点を置いた文章って本当に少なくて、もっと流行ってほしいなぁという思いも込めて、今回Advent Calendarで書かせてもらった次第です。
彼女たちはこの先どんな人生を歩むのか分からないけれど、いつまでも3人仲良しでいてもらいたいものですね。(3回目)
僕は絵も描けない技術もない人間なので、こんなn番煎じの稚拙な文章を晒すことしかできないけれど、これを読んでくれた素敵な人々に、今後ゆゆ式を読むにあたっての新たな視点を少しでも提供できていたら、それが何よりの幸せです。
最後になりますが、ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。皆さまに服の神の御加護があらんことを。


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