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障害者雇用ビジネスを利用している企業は1000社以上、雇用されている障害者は6500名以上

2023年3月20日のコラムで「障害者雇用代行ビジネスの将来」を掲載しました。

その中で…障害者雇用代行ビジネスが、明確に法律違反となった訳では無いのですが「障害者雇用代行ビジネスを利用することがないよう、事業主への周知、指導等の措置を検討する」と参議院で決まったことに応じ、厚生労働省が、これから何らかの施策を打ち出してくることは間違いないと思います…と記述しました、早々に動きがありました。

2023年4月16日に厚生労働省から発表された「第128回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」の中にある「参考資料3:障害者雇用ビジネスに係る実態把握の取組について」で、障害者雇用を代行している事業者・23法人の事業内容を実際に訪問調査した結果を掲載しています。

代行ビジネスを行っている法人の社名や、利用企業の社名など固有名詞は出てきませんが、「把握した事例と課題等への対応に求められる望ましい取組のポイント」という見出しで事例が1~7まで掲載されています。

45か所の農園やサテライトオフィスに訪問し、実態を調べて懸念される課題を 1(利用のきっかけ・目的) 2(業務内容) 3(募集・採用) 4(労働者の配置・業務量) 5(雇用形態・雇用期間・労働条件等) 6(勤怠管理・業務指示・障害特性に配慮した措置等) 7(職業能力の開発・向上) まで具体的に開示しているのですが、この実態把握の取組みについては、「労働局における実態把握調査を継続実施し、利用企業に対する必要な助言・支援を行っていく」とのことです。

障害者雇用ビジネス実施事業者23法人に注意・指導するのではなく、利用企業に対する助言・支援を行うということは、障害者総合支援法改正案の付帯決議(令和4年1 2月8日参議院厚生労働委員会・第210回国会閣法第17号 附帯決議)に記載されている 事業主が、単に雇用率の達成のみを目的として雇用主に代わって障害者に職場や業務を提供するいわゆる障害者雇用代行ビジネスを利用することがないよう、事業主への周知、指導等の措置を検討すること…なのでしょうね。

それにしても、障害者雇用ビジネス実施事業者23法人に対して注意・指導する方が、利用企業1081社以上に助言・支援を行うよりも、時間と労力が少なく済む気がするのですが、安易に障害者雇用ビジネスを実施している23社に「その事業はNG」と止めさせると、農園やサテライトオフィスで雇用されている6568名以上の障害者が不当に解雇される等の不利益を被るリスクがあるので、利用企業に対して「障害者雇用代行ビジネスを利用することを止めて、自社の社内で障害者を雇用する方向にシフトしなさい」と助言をするのかもしれませんね。

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