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首都圏の障害者求人、4月から6月も減少が続く

6月10日のコラムに「6月の月間求人数がV字回復する気配が見えない」と記述をしましたが、残念ながら悪い予想どおり、首都圏・障害者求人は4月から減少傾向が続いています。

6月の月間合計数は1,602件で、1年前の2023年の6月も同じ1,602件で、2年前のコロナ禍だった時の6月は1,621件だったので、6月としては2年前からほぼ同じ数値ではあります。しかし2022年も2023年も年度始めの4月よりも5月が減少するけれど6月にV字回復する傾向が続いており、そこだけ見たら5月はゴールデンウイーク等で平日が少ない(求人を登録できる日が少ない)ことが原因かな?と思ったのですが今年は違うようです。

法定雇用率の上昇があったから4月と5月は求人が多くなっていたという要因はありますが、6月の月間求人件数がコロナ禍の2022年より少ないということは、法定雇用率の上昇に伴う求人の増加が本格的になるのは今では無いとも言える状況です。こうなると「秋になったら求人が増えて欲しい!」と祈りたくなるのですが、実際どうなるか微妙なところです。

ちなみに、東京の6月の月間求人合計数725件の中のフルタイム求人とパート求人の比率は、フルタイムが4割でパートが6割でした。5月はフルタイム比率が少し増えたのですが、昨年の12月に1年ぶりにフルタイム比率が5割を超えた時がピークで、それ以降のフルタイム比率は右肩下がりです。

障害者を採用するとしても、最低賃金で、しかも短時間勤務で、雇用ポイントをローコストで増やすことだけ考える求人が多数派になることは悲しい現実です。厚生労働省が目指す障害者と健常者の共生社会とは、こんな採用が増えることで実現するのでしょうか?

一方、7月の月初・求人件数突出は、首都圏:326件で東京:181件です。コロナ禍だった2年前の2022年7月の月初突出件数は、首都圏:357件で東京:176件なので、東京だけでみたら2年前より僅かに多いけど、首都圏合計数はコロナ禍よりも7月の初めの求人は少ないです。

7月4日、日経平均株価の終値が史上最高値を約3カ月ぶりに更新。同日、東証株価指数(TOPIX)はバブル経済期の最高値を約34年半ぶりに上回る…等のニュースが伝えていることは、上場企業の何かを、誰かが評価して、株価と言う指標が史上最高に良い状況だと言っている訳ですが、障害者求人に関しては景気の良いデータは見当たらない状況です。

いつも言うことですが、個々の求職者・一人ひとりが自分に最適の仕事と職場を探す場合は、上記のような総論とは関係なく、しかもハローワークや転職サイトに掲載されている顕在化した求人だけでなく潜在的な採用ニーズまで含めて「自分に最適」を徹底的に探すことが大事です。求人票に出ている条件は、求人企業の一方的な希望です。特に障害者求人においては、求職者の希望など無視しているのか?という条件・内容が堂々とハローワークに出されていることが当たり前の状況だからこそ、少しでも条件の良い求人を選ぼう・探そうという求職活動から「自分に最適」を探すことへシフトして下さい。

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