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アンプティパの定着支援とは

地域若者サポートステーションと連携して、大学・工学部を卒業して30歳を過ぎるまで8年以上引きこもりだった女性を、システムエンジニアとして育てて下さるIT企業に紹介したことがあり、久しぶりにその会社から連絡がありました。最初は時短勤務の契約社員だったのですが、入社して2年が経過した時には正社員に登用され、順調に就業していると聞いていたのですが、丸3年が過ぎたあたりで、彼女の直属の上司であるチームリーダーからの相談でした。

「・・・彼女が好まない、自分に向いていないと考える仕事の話や問いかけに対して沈黙で答えることが多いので、そのような時は話の筋を別方面から捉えるよう促すのですが、基本的にそれほど前向きな発言は得られず、結論付けの際も合意の言葉を発しないことが多いと感じます。実作業では頭脳明晰であり、自身の言動がオフィス内で歓迎されていない事は解っているはずですが、それでも逃げるような沈黙が生じるということは…意図的なものなのか?反射的なものなのか?どう捉えてよいのか分からず困惑しています。

ただ、そのような行動を招く外的要因(職場環境など)も考慮すべきかもしれません。社内の「曖昧な意見に対し、厳しく確認する上長」が、彼女に対して容赦ない確認をした際、黙って逃げる事がその場を逃げ切る手段の一つとなる事を学習してしまったとしたら、そのことが逃げる傾向を助長させた可能性も否定できないと考えています。」

入社して3年が過ぎたし、年齢は30歳を超えているから、早めにサブリーダー的な仕事も任せて更に成長して欲しいけど、彼女とのコミュニケーションで困っていることがある、という相談でした。この相談に対して大畑がお返ししたメールの一部がこちらです。

「・・・沈黙が多いことは、彼女が御社へ入社する前から傾向としてありました。彼女の就職支援を長く担当されていたサポステの支援スタッフさんから『彼女は口数が少なく、ハッキリ意見を言うことが少ない』と伺っており、私がサポステと連携して支援を始めてからも、『希望職種は?』と聞いても、最初の頃は彼女から言葉が出てくるまで1分以上が経過することは普通であり、待ちきれずに『学歴から考えるとシステム系かな?』とこちらから質問をすると黙って頷くということが多々ありました。

だからと言って、職場環境や上長などからのプレッシャーに対して逃げる意図で沈黙している可能性を否定するつもりはありません。ただ、彼女は「緘黙」の傾向があると思います。

彼女の場合は、このWEBにあるような場面緘黙(選択性緘黙)ですが、クリニックに行く必要はないです。これを「障害」とか「病気」と考えずに、声に出してハッキリ話すことが苦手な人、と考えて対応することが良いと思います。

彼女は障害者手帳を申請したことが無いし、障害者ではありません。そして障害者と健常者の境目は、一本の線のごとく明確にある訳では無いです。つまり、ある面では多くの人と同じようにできるけど、別の面では周囲の人(多くの人)と違うことがある=ユニークな個性がある・・・というデコボコが、人それぞれ違っていて、それが個々の人柄・人格・個性を形成していると考えても良いと思うので、彼女の得意なことや不得意・出来ないこと等は、彼女という人間のいろいろな面を、リーダーが見ると例えば、『沈黙=逃げてる感じ?』に見える時があり、それを違う目線で見るとリーダーとは違う感じに見える(例えば、沈黙=1分でなく5分待てば言えるかな?)という事もある、という捉え方をして頂けると助かります。」

アンプティパの定着支援は有効期限がありません。入社して何年が経過しても、ご本人(個人)への支援はもちろん、雇用されている会社への支援も、無期限に対応します。今回は、入社して3年が経過した方の直属上司からのご相談の一部をご覧頂きましたが、現在は、ご本人と上司に加えて役員にもお話しを伺いながら、彼女が安心して、長く働きつつ、良い仕事・成果を出して会社に貢献できる対応策を全員参加で検討中です。

アンプティパは「定着支援」は継続していくものだと考えます。企業の担当者の方とも密に連絡を取り、よりよい環境を作るお手伝いを致します!

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