私の子供が一人の理由

少子化が問題となる中 、自分の例について考えてみた。

子供が一人の理由、二人目がいない理由として、一番思い当たるのは体力の問題だ。
長らく体育会系健康優良児として生きてきたが、出産後(もしくは妊娠中から)は軽度不調の連続だった。
妊娠中のむくみにはじまり、腰痛、会陰切開の縫い目が取れる(縫直し)、倦怠感、腱鞘炎(包丁が握れず、痛み止め注射数回で完治)、鼠径ヘルニア(腹痛に耐えかねて全身麻酔の手術で完治)、妊娠前比10kg以上の体重減、甲状腺異常(腫れ、息苦しさ)と、産後1年で職場復帰したときは全く元通りではなく、回復してある程度普通と思えるようになったのは5〜10年後だった。

この状態で二人目を考えるのは無理だった。

では体力問題を回避するにはどうすればよかったのか。
一番手っ取り早いのは、早く産むことではないかと思う。
私の出産は33歳。やはり周囲の20代のお母さんは元気だった。
20代後半は徹夜で仕事できるほど元気だったが、あの体力は子育てのためものだったと、後で理解した。

どうすれば体力問題をリカバリーできたのか。
まず、もっと積極的に体調管理や体力回復に務めるべきだったのではないかと思う。
そうできなかった理由は、第一に休む暇がなかったからだ。

なぜ休めなかったのか。
私の場合、出産後初めて夕飯の支度や毎日の掃除など、家事をするようになった。
それまでは、平日は終電まで仕事、夕飯なし、という生活だったので、週末しか家事をしていなかった。
それが出産後は、子供の世話が不定期に発生し、体力もない中、夫が帰宅するまでに夕飯を作るという締切が生まれたことで、物凄い負荷とストレスが生じた。

食事の用意は「母として当然の仕事」ではあるが、出産後1年くらいは子供は母乳、ミルクだ。つまり、実際のところ食事の用意は子供には関係なく、夫のためにしているだけ。

夫に恩義を感じる殊勝な人であれば問題ないと思うのだが、残念ながら私はそうではなかった。

元々、共働きで当時は私が正社員、当初は家賃から光熱費、食費と基本私が払う立場だった。育休中は家賃、食費分を夫が払うようになったが、光熱費は私のまま(名義変更が手間なので)、さらに食費は散々「高い!」と言われ、外食も中食も許されない状況だった。

加えて、寝付かない子供に付き合って睡眠時間が削られていた。
我が家のルーティンでは、夕飯後、子供と夫が風呂に入る。夫が先に子供を洗って外にいる私に渡す。すると私が子供を拭いて着替させ、水を飲ませたりなんやかやして、寝かし付ける、という形だった。

ちなみにその間、夫はゆっくりと風呂に入り、風呂から出たら自室で寛いでいた。夫は眠りが浅く、起こされてしまうという理由で別室で寝ていた。寝付かせを交代してくれるときもあったが、その場合は概ね不機嫌で、あまり頼みたくなる雰囲気ではなかった。入浴後は自室に籠もるのが普通で、家族で寝ることは断固拒否だった。ただ不思議なことに、子供が夜泣きしても夫が起きて様子を見に来ることはほとんどなかったと記憶している。

寝つかせることに苦労した結果、一緒に寝てしまうと上手くいくことが分かった。ただし、風呂は夫が一緒に入ってしまい、私が入浴する間子供を見ていてくれる訳ではない。結局、一緒に寝て、子供が寝入った頃合いに起きて風呂に入る羽目になる。するとそろそろ私が寝ようかなという頃に子供がまた起きて、授乳やらおむつ交換やらとなり…と、全然寝ている間がない。

多分、夫としては自分が稼がなければならないのだから、仕事に支障があっては困る、ということだったとは思うのだが、流石にあそこまで非協力的だと無理がある。私が職場復帰しても状況は大して変わらなかったからだ。

例えば、風呂を交代して私と子供が一緒に入ってそのまま一緒に寝れるようにしてくれれば、そんなに困らなかったのだが、「子供の風呂は自分の仕事」と思っていたのか、どうしても代わってくれなかった(他のコトをやってくれたほうが助かるのに。もしかしたら、少しでも自分が早く寝るなりマンガ読むなりしたかったのかもしれないが)。

あの出産後の1年、もっとゆっくりと休めたら、家事をせずに育児だけに専念するとか、あるいは育児を誰かに少し任せて体を鍛えたりする時間があれば、体力回復は早かったのではないかと思う。

そのためには、もっとお金があればよかったのか。

確かに、育休中も給料が10割であれば、あんなにギスギスせず、ネット注文や中食を利用できたのかもしれない。今ならネットスーパーもあるし、Uber Eatsもある。

シッターも検討したが、高い上に頼む相手があまりなかった。

一方で予算は無限にあるわけでもない。

私がもっと図々しく、育児優先で家事は無視すれば、それだけで済んだのかもしれない。

考えてみれば、私は離婚されても大して困らない。としたら、なぜ夫に遠慮する必要があったのか。
私はある程度遠慮して、譲り合って生活したほうが円滑に進むのではないかと思っていた。実際は離婚しても特別困らないのだから、もっとシビアにした方が良かったのかもしれない。ただ、その場合は別の意味で二人目はない、という結論に至ったのかもしれないが…


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