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憧れの花屋さんに行ってみたら

私が梅田で働いていて、息子が保育園に通っていたころ。
職場の近くに、花屋とカフェを併設した洋服屋さんがあった。
並んでる花はもちろん、そこに立ってるお姉さんの作るブーケが、自分の好みど真ん中で、ほんとに誰か大切な人やお世話になった人に差し上げたくなるようなもので、いつも誰かが異動する時や、職場を去られる時に、そこでブーケを作ってもらってた。
息子も小さいころから生花が好きで、ブーケを選ぶ過程がほんとに好きやったから、あえて休みの日に息子連れてブーケ作ってもらって、その人のところに持っていく、みたいなことをしてた。
息子が選んだ花の名前をひとつひとつ教えてくれて、「前もマム選んでなかった?マム好き?」などとお話ししながら束にしていってくれ、
「では仕上げますのでしばらくお待ちください」と言われてわくわく待つ。
小さい息子はランダム好き勝手にお花を選んでたけど、お姉さんが何かしら1〜2本ちょっと足してまとめてくれると、ある時はシックに統一感を醸し、ある時は全ての花が一輪一輪個性的にカッコよく生きるようなブーケになっていた。
でも私も職場を異動して、しばらく行けないでいたら、ある時気づいたらそこのお店は無くなって、スタバになってた。
それからどこで花を買ったらいいかわからんくなっちゃって、SNSで愚痴ったこともある。近所のエレガントなお店は花の名前を教えてくれるでもないのに、息子がマム選んだ時だけ「…菊です(が、大丈夫ですか?)」と確認してくれるような普通のお花屋さん。
私、どうしても諦めらきれんくて、そのお洋服屋さんの東京店のインスタアカウントに「あのお姉さんがもしどちらかのお花屋さんで働かれていたら、教えていただけないでしょうか…」とDMしたりしたけど手がかりはつかめず。(お店の公式アカウントでシステム的にか既読もつかない感じでした😂)

時は流れ本日2023年12月1日。
今だにあのお姉さんにも、あのお姉さんのように頼れるフローリストさんにも会えないまま今日にいたった。
インスタで見つけてめちゃくちゃ素敵なのでフォローして、いつか行ってみたいけどうちからはちょっと遠いなぁ…と思ってたお花屋さんが、週末の万博公園の蚤の市に出店されるというので行ってみることに。
入場してまっすぐお目当てのお花屋さんに向かって、立ってたお姉さんに「すいません、生花選んでいいですか?」って声かけたのね。

そしたら振り返ったのが、あのお姉さんやったの!私がもう会えないと思ってた、あのお姉さん。
お店が無くなって退職して、数年後に独立されてたんやって。そのお店を経営しておられた。
話したら「他にもそんなお客様がおられて。(インスタ越しにお花見ただけで)『この雰囲気、もしかしてあのお店にいた貴女ではないですか?』とかメッセージをもらうこともある」って。
なんかすごくない?すごいなと思って。自分がセレクトしたお花で人に見つけられるって、もはや作家やん?
きっと世の中にはそんなフローリストさんやらネイリストさんやら料理人さんやらがいるんやんね、すごいよね!その世界観やその味で。もう泣きそうになりながら「冬休みに息子連れてお店にお伺いします!」と伝えた。
蚤の市には他にも、「その店一店舗を目指して」わざわざ電車乗り継いで行くようなお店あるやん?それが一堂に会するようなストアラインナップで色々いいお買い物ができた。
こんなに嬉しいことってあるんだな、と思えるような出来事だった。

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