2023年ライブ備忘録その4 Cocco at 那覇文化芸術劇場なはーと 2023/03/04

人生初のCocco。
地元の沖縄では2007年12月以来となる15年ぶりの公演。
しかも25周年ベストツアーというそんなプレミアチケットを最速先行で取れた。
チケット当選した時からドキドキしていた。
Coccoは姉が家や車で流していたこともあり小学生になる前から聴いていたと思う。
幼い頃に当たり前のように日常で流れていた音楽の一つだから特別な思い入れがあったというワケではない。
付かず離れずの距離で新譜が出れば一通り聴くような感じだった。
今にしてみれば自分がオルタナティヴロックや邦楽ロックを好きになる基礎になっていたんだろうなと改めて思う。

ライブ当日は前日の仕事が夜勤だったこともあり10時前に帰宅して11時頃に仮眠をとった。
16時半ごろに目覚めて身支度してライブ会場へ向かう。
開場時間ちょっと過ぎた17時40分くらいに会場へ着いた。
全席指定ということもあり開場時間ジャストに到着しなくていいのは助かる。
そのまま入場待機列に並び17時55分くらいに会場へ入った。
物販で何かグッズを買いたかったけど開演時間ギリギリすぎて諦めた。
残業がなければ早めに仮眠して14時には起きて15時にはグッズ先行販売へ行けたのに…
こればかりは仕事も詰まってたから仕方がないことだけどやっぱり悔やまれるな…
ホールへ入って座席へ着く。
人生初Coccoのライブはまさかの2列目でセンターよりという良席。
ドキドキが止まらないしソワソワしてまったく落ち着かなかった。

ち、近すぎる、、!!!

照明が落ちいよいよライブが始まる。
バンドメンバーがステージに登場しCoccoが少し時間をおいて登場。
浮遊するような印象的なイントロから「強く儚い者たち」を1曲目に演奏。
うわぁあ!という興奮もありつつ歌に気圧されるような感じがして思わず息を呑む。
「ただいま!沖縄!」で会場から割れんばかりの拍手。
「焼け野が原」←冒頭サビ1フレーズの歌唱で震えた
「樹海の糸」←聴けたの激アツすぎました
「恋い焦がれて」←去年の新譜からチムドンドンする曲で上がった!
「あなたへの月」←Coccoの世界に吸い込まれました
「ベビーベッド」←オルタナサウンドにあの声が乗ると抜群だよなぁ
「楽園」←声の良さを再確認させられた
「もくまおう」←本当に良いですよね
「BEAUTIFUL DAYS」←好きだから聴けて嬉しかった
「お望み通り」←去年出た新曲でカッコいいのよこれ!
これらを立て続けに演奏した。
ここでMCに入る。

MCは沖縄に戻ってきたからなのかユルいというかたくさん喋ってた印象。
「でーじ久し振りだね」に拍手と歓声。
それを受け「沖縄は喋っていいんだな?まだどこも静かだったよ?」
客席からCoccoへ呼びかける声が飛び交う。
客「○☆◇◇◇!」
Cocco「なんてー?」
客「○〒♪☆□#○◇!」
Cocco「なんてー?」
客「でーじ愛してる!」
Cocco「えー、うるさい!死なすよー!?」
訛りと言い回しに沖縄を感じる笑
「沖縄に居ると思うと緊張するから見知らぬ土地に来てるつもりでやってる」
久々の沖縄公演に並々ならぬ思いがあると伝わる言葉だった。
会場であるなはーとが久茂地小の跡地であることから完全に地元トークを始めた。
「地元の人は知ってると思うけどさ久茂地小があってその跡地にこの会場が出来たワケ。なんかさ久茂地小出身のやつってさ偉いぱーしてなかった?国際通りに近いし都会っ子みたいにしてさ。でもよ壺屋小もだいぶ近いよな?」
このMCに爆笑したんだけど遠征してきた県外の方は聞いててどう思ったんだろう笑
「そんな久茂地小がなくなってその跡地が今はこんなキレイなってさ。たくさんの人の思いが集まる場所になったのは良いことだと思うワケ。久茂地小の犠牲のおかげで素敵な会場が沖縄に出来ました。久茂地小出身の人も来てるのかな?犠牲になってくれてありがとうございます笑」
あまりに地元すぎるトークに手を叩いて笑っちゃったなぁ。
「ちょっと喋りすぎたな。喋ってばかりだと次いきなさいって言われるからさ。次いきましょうね。」
結構な時間お喋りした気がする笑

「コスモロジー」←MCからの落差で完全にやられた
「Raining」←これはかなりグッときたよね
「絹ずれ ~島言葉~」←沖縄でこの曲を聴けるのはヤバいって…
「潮満ちぬ」←慈愛ってこういうことなんじゃないかな
「ポロメリア」←胸が締めつけられる
「花柄」←無事ぶっ殺されました…
「音速パンチ」←これが一番聴きたかった!
「あたらしいうた」←客席を指差ししててめちゃくちゃ盛り上がった!
ここまでしっとりとした楽曲から激しい楽曲をシームレスに演奏していた。

ここでもう一度MCを挟む。
「なんか静かになった?喋らそうぱー喋らそうぱーしてない?」に歓声と拍手。
「沖縄すごいな。なんでこんな喋っていいば?ツアーで他の場所で喋る人いなかったよね?」とギターの長田さんへ問いかける。
「指導とか入らんよな?」に笑い声と拍手。
「東京を拠点に活動してるからさ、沖縄でライブするにはたくさんの人の協力が必要だからありがとうございます。」
「てゆーか沖縄の人すごいな。みんなラジオ聴いてるな笑。ライブありますよーってラジオで言ったら来てくれてありがとうね。」
「沖縄の人はうちなータイムで豊かに暮らしてるのに今日中に来てくれてさ。ありがとうね。じゃあもう少しやりましょうね。」
再び演奏へ。

「ウナイ」←柔らかい強さを感じてなんとも言えない感情になった。
すぐMCに入る。
「そうだこれさ、25周年のベストツアーだわけよ。みんなラジオ聴いてるから知ってるか笑。なんかよ25周年で去年からツアーやってて、来年の春には26周年になるんだけど笑。なんか、でーじだな。なんか…ってかずっと"なんか"多いな。」
「沖縄の人ってさ"なんか"ってでーじ言うよな?そのあとに"知らんけど"も言うさ。あの、なんか…笑。」
「大人はみんな願いなさいって言うさ。でも叶わない叶わないって怒りながら歌ってきたわけね。叶わなくてもいいから願いましょうね、叶えることよりも願うことが大事って気づいた。笑顔で歌えるまでこんな時間がかかった。」
この言葉に25年の歴史を感じた。
美しい言葉だった。
「沖縄は平和になるまでに時間がかかったからこの平和が長く続くことを願ってます。沖縄の人は鈍感だからさ、沖縄のことを歌ってるのに知らんぱーするさ?だからこの歌を沖縄の海に捧げます。沖縄愛してます。」
涙が込み上げてきた。
そして歌ったのは最新曲である「クジラのステージ」だった。
アップテンポであるが歌詞は少しダークでリアリストのように感じる。
でもそこには希望や願いが込められている。
涙を流しそれを拭いながら笑顔で歌い、沖縄をずっと大切に思い未来への希望を願う彼女の姿に僕は涙が止まらなかった。
最後はバンドメンバーとともに客席へ深く礼をし退場していった。

ゾウ可愛いね

改めてこのセトリすごいですよね…
「強く儚い者たち」「焼け野が原」「Raining」「絹ずれ」「音速パンチ」は小学生の頃よく聴いてたからかなり嬉しかったな。
とにかくCoccoの歌声を初めて生で聴いて衝撃が走った。
ライブ中にぶん殴られたり突き刺されたような感覚になるというかCoccoの声が持っている力にただただ圧倒された。
アンコール無し2時間ぶっ通しライブ痺れた。各パート名うてのプレイヤーばかりでバンドの演奏も凄まじかった。

車のオブジェ
色味もデザインも可愛い

記念に何かグッズを買いたいなと思い終演後に物販を覗いてみるとほとんどがソールドアウトしていた。
残っていたのはTシャツが1種類Sサイズ数枚とラバーバンドとピルケースだけだった。
何も買わないよりは…ということでラバーバンドを購入した。
グッズ買えなかったの本当にショックだ…
いやライブを観れただけでも幸運だ!と余韻に浸りながら会場を出る。

良い会場だよなぁ

歩いて帰りながらライブを思い出す。
歌と演奏、MCや会場の雰囲気を振り返ってみると涙がこぼれた。
こんなにも素敵な夜に世界が埋めつくされたら辛い日々があっても救われるなと思う。
小学生の頃はCoccoを聴いてなんだか暗くて怖いなと思ってた。
それなりに人生経験を重ねるうちに違うんじゃないかと考えるようになった。
怒りや憎しみ、悲しみ、絶望を歌ってるんじゃない、微かな希望を信じたりや誰かを愛したり許したり信じることを諦めず願うように言葉と歌を紡いでると感じる。
両親、姉弟、家族、友人だけじゃなく生まれ育った沖縄のことも大切にしたいと思う。
穏やかで柔らかい光に包まれるような人生を過ごしたいしそれを分け合えたらいいな。

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