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日記 冬の風物詩とカゴの中のおにぎり
会社のひとから出張のお土産をもらい、そのお土産が入っていた袋が無造作にリビングに転がっていた。
朝横目でその袋を確認して、
「お母さん、あの袋あげるよ(適当に片付けておいてほしいの意)」と言うと、
母には娘の思惑などお見通しなので
「あらあらそれはありがとうねぇ(面倒を押し付けたなの意)」と嫌味たっぷりにニコニコされた。
息子を自転車に押し込め、保育園まで急ぐ。
今日は息子の保育園ストックのお洋服たちを総入れ替えした。
パンツがないなぁと思っていたけど保育園に5個もあった。
なんでそんなに持っていってるんだ、わたしは。
ズボンはある、長袖はない、汚れ物入れのビニール袋を入れて…と軽い衣替えを終え、
息子とバイバイして自転車へむかうと…
ある。
あの、どぎついオレンジ色の「DUTY-FREE SHOP」とでかでかと書かれた袋が、わたしの自転車のカゴに。
さっと中を確認するとおにぎりで、笑ってしまった。
そうだった、朝にぎったおにぎりを台所の棚の上に置いてそのまま忘れていたんだった。
きっとお母さんが見送った後に気づいて、あの転がっていたオレンジの袋に入れて届けてくれたのだ。
母はそういうことができる人だ。
わざわざ届けなくたって、おにぎりはお昼に母が食べてしまえばいいし、わたしはたまにはコンビニ弁当を食べればいい。
でも母はそんなこと考えもせずに、台所でおにぎりを見つけてすぐ走ってきてくれたのだろうなぁと思った。
そういうところが、すごく好き。
ああお母さんだなぁと思う。
そして、わたしは高校生の女の子みたいだなぁと思って自転車を漕ぎながらまた笑った。
*****
保育園から息子が帰ると、「スーパーロボ」が片付けられていた。
「スーパーロボ」というのは息子がブロックで作っていた超大作だ。
異常に大きくて邪魔なので、これは片付け魔人の母に片付けられてしまうかもなぁと思っていたけれど案の定だった。
「もぉ!ばーばは!!だめだよ?スーパーロボ、片付けたらだめでしょう?」
と息子はものすごーく怒っているのだけど、言い方も声も可愛くてニコニコしてしまう母を見てわたしもほっこりしてしまった。
息子はめちゃくちゃ怒っていた。
次の日帰ると「スーパーロボ」はちゃんと机の上にいた。
*****
息子がYouTubeにハマってしまった。
バスボールを大量にお風呂に入れるのとか、おもちゃ開封動画とか、ひたすらビー玉が転がる動画を見ている。
「息子くんもこんなにたくさんバスボールほしい!」と目を輝かせて言われた。
バスボールもおもちゃも一般家庭でそんなに買えるわけもないので、
「これはバスボール会社のひとが広告で流してるんだよ。この人はバスボール会社のひとで、バスボールをつくってるひとだからこんなにたくさんあるんだよ」
と、半分嘘で半分本当のことを言った。
「こうこく?ってなに?」
と返されたので
「こんなにたくさんバスボールありまーす!いいでしょう?ほしいでしょう?って言われたら、息子くんもいいなー!ほしいなー!ってなるでしょ?それが、広告。こんなのあるよー!じゃーん!ってテレビとか色んなところでみんなに教えてあげたら、みんながいいなー!ほしいなー!って買って、つくった人が嬉しいなーってなるでしょ。それが、広告」と、これもまた広告の真実のような綺麗な面だけを伝えた(つもり)。
すると
「ビー玉会社のひと、たくさんビー玉もってるねぇ。これ見たらビー玉ほしいなぁ、買いたいなぁってなるよねぇ」
とひたすらビー玉を転がる動画を見ながら言っていて、ふふふと笑ってしまった。
その流れで、「ここにおもちゃがあるでしょ、ということは一生懸命おもちゃを作ってくれたひとがいるってこと。ごはんも、お米を一生懸命作ってくれた人がいて、それを炊飯器に入れて炊くでしょ?炊飯器を一生懸命作ってくれた人もいるってこと。この世にあるものは全部、誰かが一生懸命作ってくれたものだから、「大切にしようね」っていつも言うんだよ」と伝えてみた。
「ふーーん」と言って息子には全く響いてなさそうだったけど、
大人のわたしでも日常の中で忘れがちだ。
この世にあるものは全て、誰かが一生懸命つくったもの。
*****
インフルエンザの予防接種に母とわたしと息子の3人で行った。
騙し討ちのようなことはしたくないので、行きの車で注射することを伝えると、「えー嫌だなー」と言いながらも渋々納得していた。
名前が呼ばれるまで割と時間がかかって、その間恐怖が押し寄せてきて珍しく落ち着きなくなってゆく息子。
怖いよね、実はお母さんも怖いんだよね注射嫌いなんだよねなんて話していたら順番がきた。
息子、わたし、わたしの母の順番に看護師さんがスラスラと注射していく。
ものの数分。
「痛かった、頑張った!たはこのお店行く!!」(コンビニ看板の”たばこ”を見て、息子はコンビニのことを「たはこのお店」と呼ぶ。「ば」と言わない、なぜか)
と言うので、じゃあご褒美にとセブンイレブンに寄った。
知らなかったのだけど今セブンではスムージーが売っている。
ファミマのフラッペ愛好家の息子としてはフラッペがあると思ったらしく、セブンにはないんだよねーと思っていたらスムージーを発見していた。
100円くらいのジュースのつもりが300円のスムージーになってしまった…。(だったら途中の自動販売機で買う方が安かった!!)と思いながらも味を選んで機械に入れる。
その工程も面白かったらしく、目を輝かせて「すごい!」と言っていた。
「おいしいー!注射いたくなかったしねー」
え?ん?注射痛くなかったの?
「ぜーんぜん痛くなかった〜」
痛くなかったんかーい!笑
騙された〜!
「むすこくんだけさ、2回打たないといけないんでしょ?次はいちごにするー!」
ちゃっかり者か?
まぁいいや、300円ですんなり2回目をしてくれるなら…とまんまとはめられるわたし。
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