2023.12 【振り返る】
「あついよりさむいほうが好きなんだよね」
と息子が言う。
たった4年ぽっちしか生きていないのに、自分で暑いか寒いかなら寒い方が好きだなぁと考えられる姿に、なぜかほんの少し感動した。親バカがすぎる。
朝ごはんは何食べたい?
今日はどこに行きたい?
夜ご飯は何を食べたい?
どのお洋服着る?
わたしは息子によく質問をする。
わたしが決めてしまった方が早いよ、大変でしょ、と母からは言われるけれど、息子は今まだ自分の意思で食べたいものを買ったり、ひとりで出かけたりができないから。わたしを通さなければならないのだから。
それなら少しでも食べたいものを食べて、やりたいことをして欲しいと思う。
自分が何が好きで何が嫌いか、ちゃんとわかる人になってほしい。
そして相手が何が好きで何が嫌いかわかった上で、「そっか、あなたはそうなんだ!」と面白がれるひとになってほしい。
これが一種の押し付けだとしても、わたしは息子に聞くことをやめないだろうと思う。
「息子くんはイルミネーションとかキラキラしたものが好きだもんね。かあかはさ、暑い方が好きなんだよね。寒いと手足が冷えてさ、身体もカチコチになる感じがして。でも雪が降ったり、クリスマスがあったり、冬も素敵だよね」
そう返すと、
「そうねー。でもアイスは夏しか食べられないよねー」と言っていた。
親子でさえ全然違う感性を持ち合って今日も共に生きている。
*****
会社にピチピチの女の子が入ってきて毎日癒されている。
若さというのは欲しがって手に入るものではない。
それは見た目の話ではなくて、完全に精神的なものの話。
歓迎会をやる予定なので苦手なものを聞くと
「グリーンピースが嫌いです!」と言っていて、かわいい〜となってしまった。
もう全発言、かわいい。
ああどうか健やかに、なんの悲しみもなくすくすくと楽しい社会人生活を送って欲しいと願ってしまう。
それはわたしが若い頃、今のわたしと同い年くらいの先輩に本当によくしてもらっていたから思うことで、あの頃甘えて頼り切ってしまっていた彼女達はとても大人に見えていて、けど実際自分がなってみると全くそこには辿り着けていない。
そしてもし彼女たちも今のわたしと同じだったのだとしたなら(どう考えてももっと大人だったけれど)、なんというか申し訳ないことをしたなぁという気持ちにもなる。
先輩達、お元気だろうか。きっと素敵な40代なんだろうな。ずっとあの軽やかな彼女達の跡を追っている。
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「れもんぽかぽか飲みたいなー」
レモンポカポカとは、ホットレモンのことで、息子が勝手に「れもんぽかぽか」と呼んでいる。
めっちゃネーミングセンスよくない?と思って気に入ってしまって、わたしもれもんぽかぽかと呼ぶようになった。(息子といる時だけ)
この間れもんぽかぽかを飲みながら自転車の後ろに乗っていた息子がイルミネーションの歌(自作)を歌っていた。
「イールーミーネーションッ♩イールーミーネーションッ♩きょーおーはーたーのーしーいーイールーミーネーエエエエエエッションッ♩」という歌なのだけど、無限ループで到着するまで歌っていた。
イルミネーションを見ている時
「かあか、連れてきてくれてありがとうね」なんて言われるものだから、
かわいい!!もっとすごいイルミネーションを見せてあげたい!!という気持ちになってしまって、県内でいちばんのイルミネーションスポットへ行く予定をたてた。
乗合バス?のようなもので行ったのだけど、ワイワイと賑やかなバスで楽しかった。
来年も行く?と聞かれるとクエスチョンだけど、息子と行ける場所の範囲がどんどん広がってゆくことが嬉しい。
行きたい場所に行ける、それって本当に幸せなことだ。
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息子の発表会があって、おおかみの役をしていた。
しっかりセリフを言って、手拍子もして、堂々と人前に立っている姿を見ると、「誰のこ…?」と不思議な気持ちになる。
わたしは王子様だとか、騎士だとか、男の子の役が多くて、今考えてもなんで男の子がせずにわたしがやったんだ?と思うのだけど(しかも幼い頃からずっとチビで別に背が高いわけでもない)、割と緊張してガチガチで笑う余裕などなかった記憶がある。
息子はニッコニコしていたし、なぜか「こーらー!拍手しないのー!」とか客席に向けて言って笑いを取っていたりして、なんか、なんというか、素直にすごいなぁと思った。
でも前日は珍しくおねしょをしたり、早く目が覚めたりしていて、発表会のあとはすっかり風邪を引いてしまっていたので、ああ我が子だなぁという感じがする。
緊張が人に伝わりにくいタイプなんだよね、身体に出るんだよねーと。
寝顔を見ながら頑張ったんだなぁなんて思っていて、「あれ、わたしなんかすごいお母さんみたいだなぁ、いや、お母さんなんじゃん!」と自分で自分にツッコミを入れた。
最近なんかわたしすごいお母さんみたいだなぁ。笑
母子というより、この頃すごくいい友達感すらあって忘れそうになっていたけど、わたしは母なのだった。
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毎年毎年同じことを言ってると思うのだけど、一年が早すぎる。
ゴールデンウィークを過ぎたらもう年末って感じすらある。
年明けからゴールデンウィークまでは割とゆっくりなのに。(個人差がありそう…!)
来年は年女で厄年なので必ず厄祓いに行く。
そんなもの信じていなかったけど前回の厄年はえらい目にあったので今回は必ず行く。
前回は後厄の年に息子の七五三があって、七五三ついでに厄祓いしてもらう!!と父母に言うと
「そんなの聞いたことない」と呆れていた。
(してもらった)
そのご利益あってかその後は割と平和なので今回も絶対に厄を祓う!!
負けないぞ!!(謎の気合い)
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「ピカチュウは、どこにいるでしょぉーか?」
これは、ぬいぐるみを隠したとかの話ではない。息子の頭の中でピカチュウを思い浮かべていて、それがどこにいるのかを当てるというめちゃくちゃ高度なゲームなのだ。
「んー…おうち?」
「ぶっぶー!」
「え、ヒントちょうだい」
「ヒントはー、アンパンマンのお店(イオン)です!」
(…もうそれ答えやん!!)
「アンパンマンのお店!」
「ピーンポーン!!せいかいでーす!」という具合なのだけど、今度はわたしがクイズを出す番になってしまった。
イーブイが草むらにいる様子を思い浮かべた。
「イーブイはどこにいるでしょーか?」
「うーんとね、かあかの会社?」
「ぶー!ヒントは、木の近くです!」
「わかったぁ!パイナップルのとこ!!」
(かわいいいいい!)
「正解!!」
「やったー!」
普段は大人みたいになってしまったなぁとたまに寂しく思うこともあるほどしっかりしているのに、こういうたまに覗かせる4歳児の部分がたまらなくかわいい。
息子が思う木の近くには、パイナップルがあるんだなぁ。
パイナップルが木になるって知っているんだなぁ。
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繁忙期も繁忙期すぎて忙しくて、本当に珍しく2回連続わたしの母にお迎えを頼んだ。(息子を産んで4年間の間で初めてのこと)
1回目は家に戻ってご飯も食べて、母とクリスマスツリーを飾ってと楽しく過ごしたようで、帰ると飛んで玄関まで来てハグをして、
「かぁか、目を瞑って!」と言うのでつむったままリビングに手を引かれていくと、
「じゃーーーん!」と言ってクリスマスツリーを見せてくれた。
「かわいいーーーー!」と言ったのはツリーのことじゃなくて、息子のこと。
それなのに2日目はただいまー!と言っても返事もなくて、不思議に思いながらリビングに行くと一心不乱にブロックをして無視をされた。
そんなことは初めてで、どうしたの?ただいま?今日行けなくてごめんね?とブロックと手の間に顔を入れるくらいの勢いで言っても無視。
むくれているのだ。
(うちの地域では、はぶてていると言う)
そうか、そうだよね、と思い、息子が怒るまで待っていた。
どんな理不尽にも応えて、なんとか一緒にご飯も食べて、2時間くらいしてお風呂に入る頃。
「なんで迎えにきてくれなかったの?寂しかった!!」と言って息子が泣いた。
ああ、よかった。ちゃんと言ってくれた。
来年からはさらに時間を増やしてお迎えはわたしの母に頼もうかと考えていたところだったので、やめることにした。
お金はいつでも稼げる。
息子の4歳はいま、ここ、目の前にしかない。
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2024.1
呑気にこんなことをしてる場合なんだろうか、と思うほど酷い。
その関連の投稿を見るのが辛い。
あんなに平和な気持ちで、テレビを見ていたら、突然3.11がフラッシュバックした。
ああこれはダメだ、たくさんの人が亡くなるかもしれない…そう直感してすぐにテレビを消してもうあとはなす術がない。祈るしかできない。
いつだって傍観者で偽善者で何もできない、何にもならない。せめてもと寄付をする。
そして明日は我が身なのだと気を引き締める。今目の前にある幸せは当たり前じゃない。感謝と祈りを忘れない。
予言めいたことを言っていた占い師が嬉々として投稿しているように思えてそれも辛い。
分かっている、誰も悪くない。
『誰も悪くないことが1番厄介なのよ。』
何かのセリフが頭をよぎる。
源さん(星野源さん)がラジオを生放送に切り替えると言って、心配になる。
どんな人の悲しみもあまりにも自分ごとにできてしまうことは時に素晴らしく、時に難しい。
SNSと距離を置くべきなのだ。
なのにnoteにくるとほっとする。
少し気持ちがやわらぐ。
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