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大胆に変革してきたIKEA

今回紹介するのはこちら

『IKEA 超巨大小売業成功の秘訣』

可愛いカバーですよね。村上春樹の『ノルウェーの森』もそうですけど、チカチカするほどの原色の背景とシンプルな文字だけの表紙に惹かれます。

このIKEAが創業者一代で世界400店舗以上展開できたのも、やはりシンプルで大胆な実行力が発揮されたからなんです。

そんなエピソードをいくつか紹介していきます。




商品の品質は買って見ないと分からない?なら先に見せればいい

まだIKEAを創業したばかりのころ、創業者のイングバル・カンプラードを悩ませていたのは、通販業界というものが消費者の信頼を得にくいことだった。

カタログを見ても質の違いは分からない、返品もできない、結局一番安い業者に注文するが期待した商品に裏切られたら二度とその通販会社は利用しなくなる。

ここでカンプラードが考えた。

「家具の展示ハウスを作って商品を見てもらえば、客の信頼を得られるに違いない」

結果は大成功。古い家具工場を改装した展示場オープンの日、門が開く前から1000人以上の人が並んでいたという。




我々は通信販売会社だが、これからは客に自ら買って運んでもらおう

IKEAでのショッピング方法はこんなものだった。

客は展示場で家具を見て、何を買うか決定し、それから販売員に注文する。

この回りくどい買い方のためにいつも注文カウンターには長蛇の列ができていた。

ここで、IKEAはcash&carryの原則を持ち込み、家具のスーパーマーケットを目指した。

IKEAはそもそも通信販売会社として立ち上げ、通信販売を目玉とし、家具の展示は販売促進の手段だった。
この固定観念を覆せたのは、「安い価格で売り上げを伸ばすこと」というカンプラードの心を捉えて離さないロジックがあったからだ。



販売のプロである我々が生産もしてはいけないことはないだろう?

凄まじい勢いでヨーロッパ中に店舗を展開していたIKEAにも、1990年初めに厳しい局面に追い込まれた。

主要な家具の仕入れ先だった東欧諸国で起きた経済悪化の影響で、安い家具の確保が困難になった。

こうした状況の中でIKEAは新しい道を切り開くことにした。

IKEAは数多くのメーカーとの長い付き合いの中で、生産のノウハウをたっぷり手に入れていた。この知識を利用しない手はない。
だからIKEAは生産にも乗り出そうというのだ。

生産と販売を一挙に担うことで、消費者の声に合わせて生産を直接調整できるようになり、IKEAの更なる拡大へ繋がった。



いかがでしたか?

スウェーデンのシャイな少年が、いかに世界のファッションスタンダードとなる企業を築いたかという話の本書は、どこか共感する部分もあり、ワクワクする気持ちで読み進められました。

オススメです。

かっつん


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