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名古屋大学情報学研究科知能システム学専攻に外部受験で受かった話

こんちは。僕です。ブログを取り壊すのでコピペで退避。後の走者のためになれば、と思います。

今回の記事では大学院受験で名古屋大学情報学研究科知能システム学専攻に合格したので、その話をしたいと思います。想定読者としてはやっぱり、知能システム学専攻を受けようと思っている方や他大学受験、とくに旧帝などの大学院は実際どうなのかと疑問に思っている方向けです。

特にインターネットを調べると旧石器時代の大学院入試の口コミなどが当たり前のように検索でヒットするので、ちょっと違ったぞ、と言いたいがためにこの記事を書いています。

もし入試関係者の方が見ていましたら、この度は合格にしていただきありがとうございました。角の立たないような記事にしたいと思うのでお見逃しください。


大学院を受験する前に


大学院の調査するの、だるいですよね。どこの大学行けばいいんや、っていう。一応全国の大学の研究室調べて研究テーマの簡単なリストみたいなの見るけどどこも似たような研究分野でよくわからないですよね。ましてや自分に合っているのか合ってないのかも。

そういうときは研究分野をさらに1個深く絞りましょう。僕は情報系ならなんでも良かったのですが、よくよく考えると画像はちょっと苦手、音声なんてさらに苦手、理論もそこまで好きじゃない。今の研究室は自然言語、よくよく考えたら自然言語はそこそこ好き、ということで自然言語処理の分野で進学しようと思いました。そうすると今の研究室でやらせてもらえない研究テーマが湧きだしてきて、それが進学のモチベーションの一つになったと思います。

次に研究室訪問にはできるだけ行きましょう。ちなみに行かなかったとしても落ちるわけではないです(僕が受かっているので)。しかし知能システム学専攻は受け入れの是非を聞かないといけないので、そこは聞きましょう。僕は出願締め切りの3日前くらいに聞きました。何度も言いますが僕の真似はしないように。

研究室訪問を行く理由としてはやっぱり研究環境が一番デカいです。僕は研究テーマで選んでいて「名古屋大学で研究させてもらえるならブラックでもいいや」と思っていましたが、実際ブラックだときついと思います。ちなみに僕の学部の大学の研究室には実際にブラックなところもあります。比較的ゆるく週一でしか活動をしていなさそうなところもあります。そういう面でも研究室訪問は行った方が良いです。それに過去問ももらえたら受かる確率もグン、と上がると思います。実際岡山大学自然科学研究科は過去問や授業資料がないと、死ぬほどきついです。というか無理だと思います。なぜなら専門分野になると教授独自の解釈などがあり、教科書に準拠していない可能性があります。そりゃそうですよね、教科書もない時代で戦っていた方が教えるのですから内容が異なってくるのは当たり前です。またオートマトンやOS、コンピュータアーキテクチャ等は授業資料が必要十分で死ぬほどわかりやすいです。したがって過去問、授業資料あるなしではだいぶ変わってくると思います。ちなみに僕は過去問はHPにあるもののみで済ませました。もちろん解答はありません。

出願


出願書類はホームページからダウンロードしたPDFをファミマにいってページ番号指定でコピーして書きました。ぶっちゃけ出願書類がペラペラのコピー用紙でいいのか不安でしたが10回くらい確認してもそれ以外ないっぽかったのでそのまま書ききりました。写真票は時間がなかったためスーツで雨の中証明写真を撮りに行きます。たしか寸法が特殊だったので、証明写真機の中で一番デカい写真を無理やり寸法に合うようにカットしました。志願理由書は大学の英語の授業でさんざんやらされたパラグラフの書き方のような感じで書きました。ぶっちゃけあの形式が一番書く時も読むときも分かりやすいんですよね。要は「私が貴専攻を志願する理由は3つあります。一つ目は…。… 三つ目は…。以上の〇〇という理由で私は貴専攻を志願します。」みたいなやつ。あとは自分あての宛名や切手などをそろえて、学生係行を御中に直して、速達書留で送ります。僕の場合は時間が時間だったので半分諦めながら出しましたね。んで翌日追跡を見ると奇跡的に間に合ってました。んで受験票と注意書き用紙みたいなのが届きます。

当日


僕は岡山なんで試験前日に名古屋に行って市役所のとこのホテルに泊まります。ちなみに名古屋駅と名古屋大学は地下鉄でつながってるので歩く必要はないです。そして下見として前日に情報学部棟のとこまで行って帰ってきます。歩き含めて片道50分くらいだったと思います。行った後はホテル近くのマックに行ってコンビニで水と夜食を買って15:00ちょうどでチェックイン。寝不足もあって速攻で寝ます。んで夜くらいに起きる。まで微分方程式と確率統計と体積に不安が残っていたので出発時間までは勉強します。ちなみに近くのローソンで夜食のカルボナーラを買ったのですがホテルにレンジがなくてすっごいおいしくなかったです。脂が溶けてなくて体調が悪くなった。

んでいよいよ試験が始まります。試験室は302講義室だかで、学部の二次試験の会場と同じ部屋です。雰囲気は期末試験って感じでした。当然みんな私服です。期末試験に外部の奴が乱入してきたぞ、的な。そんぐらいのゆるさでお茶飲んだり、なんか食ってるやつとかもいました。ここまで来ると試験を待つだけだと思うのですが、意外と参考書をパラパラめくる人(多分確率統計の教科書)が大多数いました。僕は参考書はすべてホテルに置いてきたのでそんな切羽詰まってそうな方や試験室の雰囲気を眺めて逆にリラックスすることができました。

試験内容


試験の形式は180分ですが、60分ごとに科目が入れ替わります。要は180ではなく60×3科目です。問題用紙、解答用紙、草稿用紙が配られます。それぞれ名古屋大学特製の「例のデカ用紙」に印刷されています。机ぐらいあるデカい用紙です。久しぶりに見た。

まず解析・線形代数です。1,2はサービス問題。見た瞬間、嬉しい反面例年3問であるため、この問題は2問で例年の1問ぐらいの配点だろうと思いました。3は得点源ですが(3)がイレギュラー、4は微分方程式です。怒られそうなので詳しい解説はやめておきます。

次に確率統計です。1は解き方を絞っておらず、おもしろい問題だと思いました。僕は連続一様分布と仮定して確率密度関数の重積分で解きました。2は変数変換、3もまた傾向にないですがかなり易しい問題です。正直今年はラッキー問題が多かったと思います。

最後にプログラミングです。正直プログラミングは勉強していません。僕にとっては勉強するものではないからです。問題内容はバグを含むプログラムの挙動理解といったところでしょうか。問題設定も凝っていて面白いと感じました。制作側も楽しんで作ったのだろうと思います。

さて試験が終わると翌日の面接用の問題用紙が配られます。内容は「機械学習における偏りと分散のトレードオフと対処法ついて説明せよ」でした。制限時間3分、A41ページの説明資料を手書きで作成、文字はフォント18ポイント以上。とりあえず専門科目は半分手ごたえ、半分やらかし感でとりあえず帰宅します。帰りの電車では少し調べますが、眠気がすごいので寝ながらホテルに戻ります。で、例のごとく夜まで睡眠。

夜は偏りと分散、偏りと分散、と呟きながらとぼとぼローソンまで歩いていきます。で、ローソンのプリンターで何も印刷せず、A4コピー用紙3枚をゲッツ。とりあえずだいたい書く内容が決まったら、できるだけ図を使い分かりやすく、それでいてトレードオフが成り立つことと解決策までを論理的に結んでいきます。論理的思考能力を問うと言っている面接なので、少しでも説明の論理性(つながり)が飛ばないように注意しましょう。

面接


面接の対象となる受験番号はホームページで少し遅れて発表されました。面接の対象となるのは面接の点数次第で合否が決まる人です。要は上位と下位はこの時点で上がっており、面接をするのは平均点周辺の人です。多分ですが外部受験はさすがに点数関係なく面接対象になると思います。

面接はスーツで行きます。まず先日の302講義室?で待たされます。3グループぐらいあり、グループごと並列で面接は進んでいきます。最初にオンラインの方の面接が30分程度あり、そこからグループの中で前の席の方から順に呼ばれていきます。一番最初の人は7分程度で終わりましたが、次の次あたりでは20分近くかかっており、人によって時間が変わっている可能性が高いです。

面接は待機室のすぐ近くの部屋で行われました。面接では志望する研究室の先生がいたので、たぶんそういうグループ分けなんじゃないかと思います。僕はこのときはじめて研究室の先生に会いましたが、万が一に備えて情報学部の自然言語処理の先生の顔はネットですべて覚えていたのですぐに分かりました。

出身大学と氏名を行った後は、早速課題の説明をするように言われます。自分はホテルで2度練習した後、待機室で死ぬほど暇だったので説明の内容を吟味していて、おそらくほとんど3分ぴったりになるように説明できたと思います。最初に「それでははじめさせていただきます」など合図になるように挨拶をして、机の上の紙を動かしつつ、プロジェクターに写っている内容を指しながら自分なりの説明をしました。当然資料は分かりやすく書いているため、足りない説明も補いながら進めていきます。

課題が終わって、こっからが本番だとかなり身構えましたが、そんなに厳しい質問は来ませんでした。僕的にはBERTについて説明してくださいとかSeq2Seqとは何ですか、とかぐらいは聞かれると思いましたがそういった内容はなく、出身大学の先生には相談しましたか、とか昨日の試験はどうでしたか、とかもし岡山大学と両方受かったらどうしますかとかの事務的な内容ばかりでした。最後らへんに「やりたい研究の具体的な内容」も聞かれました。これだけは無いとやばいと思います。この質問の重み100って感じでした。曖昧な回答や特にないと言ったら怖いと思います。僕はやりたい研究内容があったのでそれについて語りましたが、あまり現実的なプランを練っていなかったので上手く説明できない部分もありました。

あとは面接の雰囲気ですが、まぁ堅いですが時々笑ってくれたり教授陣もまぁまぁいい雰囲気でした。試験について聞かれたとき「プログラミングは面白かったです」と言うと「そうですか笑」と苦笑気味に笑ってくださったりして、落とそうというよりかはいいところを見つけようとする面接のようなものでした。言い足りない部分もありましたがこれで面接は終了。若干の手ごたえと若干のもっと語りたかった感と汗でびっしょりのワイシャツを着て速攻で岡山に帰って寝ます。

僕は合格発表があまり好きじゃないので合格発表はてきとーに見ました。あえて合格発表の時間ごろに寝ます。そしてそのうち起きて、もし番号がなかった場合の準備をしながらホームページを確認します。第一声は「あー、受かるのか」でした。

後日談


その後僕は研究室訪問で面接のときに会った教授とお話しすることができました。研究テーマに関して面接で言った内容を覚えていますか、と話の流れで聞いたところ半分くらい覚えていました。それで研究テーマはそれにした方がいいか聞くと、やっぱり長年研究をなさっているだけあり、そのテーマの気づきにくい問題点やそれが研究になるのかについてアドバイスをしてくださった上で、他の研究テーマでも構わない、というか修士入学前に研究テーマを決める人なんかいないよ、と言われました。どうやら僕は少し身構えすぎていたようです。で、まぁ入学まで期間もあるし入学してからも時間はあるから、まず卒論に専念してそっから色々考えたらいいとのことです。だから面接だから研究テーマを確定させないといけない、ということではないようです。もちろん確定しないからといってなんでも言って良いわけではありませんが。

勉強のヒント


最後に勉強する上でのヒントです。まずは過去問の傾向と出題範囲を絞りましょう。出題範囲はマセマで言うと線形代数、微分積分、常微分方程式、確率統計、複素関数です。過去問最後の2年分はテストにとっておき、他は傾向と出題範囲を絞り込むのに使いましょう。過去問は以下から入手できます。また2016年以前のメディア科学専攻の過去問も名前が違うだけで同じ内容です。さらにヒントを言うと、「ある内容」はほぼ毎年出題されていて、今年も例外ではありませんでした。

https://www.i.nagoya-u.ac.jp/gs/entranceexamination/exam_q/

プログラミングの勉強法は分かりません。勉強していないので。普段プログラムを書く人は特に何もしなくていいと思います。書かない人は学校のプログラムが一番問題となるプログラムに近いと思うので、それらしいプログラムを読んだりするんですかね?

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