見出し画像

120日後くらいに自滅するこまち

絶対にありえないと思っていた中学のクラスの同窓会が開催に向けて着々と動き始めている。
中学のクラスと言えば男女仲が非常に悪いことが有名で、団結力などあるはずもなく、当時の担任もいろいろあってもう二度と会えないといういわくつきであるなどいろいろと問題があり同窓会など一生行われないと思うのも当然であった。

先日、そんな状況を打破しようと一人の友人が立ちあがり、かろうじて存在していたクラスグループLINEに開催を呼びかける投稿を送信。どうせ誰も行きやしねえと踏んでいたこまち氏だったが予想に反して「いかない」というものはおらず、参加を前向きに考える人間が5人、10人と増えていくではないか。これには驚いた。

しかしどんな状況になろうともこまち氏が参加するなどということは許されない。なぜならば当時こまち氏はザクザクに尖っていて気に入らないやつに片っ端からガンをとばす恐ろしいやつだったのだ。当然好かれるわけもなく、クラス内には一定アンチがいた。まあいま思えばアンチされてしかるべしな態度でしたよね。人生で一番やばかった。あの時のこまち氏と仲良くしてくれてた人マジで感謝ですよ。
そんなアンチに今更立ち向かう気力も必要もなく、当時のように場の雰囲気を乱したくないのでこういうことがあっても参加をする気はさらさらなかった。

が、そんなある日主催から直電アリ。「お前は来ないのか、絶対後悔するぞ」と。まあそりゃ行く末が気になるクラスメイトもいるけどさあ、おまえも状況理解しているだろ?
しかし彼はお構いなしだ。なぜなら彼にも彼なりの計画がある。有名大学を出て安定した職に就いた彼、当時はなかった武器がオレにはある!と狙うは地元の女。うちのクラスはそれなりに美女がそろっていたと思う(※個人の感想です)からねらい目としてはありなんだろう。そのため絶対に開催されなかったであろう同窓会を開くという決断に至った。しかもやつはグループLINEに投稿するその前から個々に連絡を取り参加を促していたというからすごい手の込みよう。回答の仕方も「いきたい・予定が合えばいきたい・いきたくない」の3択にして「いきたくない」への投票がしにくくなるようなクレバーな作戦も用いていた。それであんなに人が集まったのね…。

だが開催されるはいいとして男女仲が圧倒的に悪かったわがクラスでは当日、テーブルが男女に割れてしまう可能性が大だ。そこで彼が目をつけたのは私。当時から現在に至るまで一定の女子とつるんでいるこまち氏は男女近藤テーブルを創り出す切り札として期待されていたのだ。そう、彼の計画に私は欠かせない。

彼はかれこれ2時間くらい私を口説いてきた。男なら自分で道を切り開けという言葉には耳もくれない。あくまで勝利への近道を私に作れという気なのだ。ふざけんな!
しかし次第にこまち氏の考えは変わっていった。これでもキライなやつが来るからってオレが退くのはなんか尺じゃね?話を聞いている限り学歴や就職先で考えると上の方に値するぞ?それだけ順風満帆(ともいかないが)な人生を送っている私に勝てるアンチなどいるわけがないのだ!当時身に着けていなかった「強さ」「自信」「視点」これが今のオレにはある!

勝てる…!そう確信し、彼と利害が一致した私はニヤリと微笑み「予定が合えばいきたい」のボタンを押した。

あれから1週間。自分の浅はかな行動に嘆いています。誰か助けてください。

決戦まであと120日くらい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?