存在価値がない人間じゃない人間になりたい人
むかしむかし、ある村に、無価(むか)という名の若者がいました。無価は自分には何の取り柄もなく、存在価値がないと思い込んでいました。
村では誰もが特別な才能を持っているようでした。農夫は豊かな実りをもたらし、大工は美しい家を建て、織り子は素晴らしい布を織りました。しかし無価には、これといった特技がありませんでした。
ある日、無価は村はずれの森で老賢者に出会いました。無価は老賢者に嘆きました。「私には存在価値がありません。どうすれば価値のある人間になれるのでしょうか」
老賢者は微