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GUTS by Olivia Rodrigo

 「drivers license」や「deja vu」、「good 4 u」などのヒット曲を持っているオリヴィア・ロドリゴ。思わずカラオケで歌いたくなる曲です...。
 そして今年、約2年ぶりのアルバムがリリースされました。正直にアルバムタイトルを見て、「ガッツか......」となってしまいましたが、アルバム「GUTS」について少し書いてみようと思います。

 「all-american bitch」は、印象的なギターイントロから始まり、パンキッシュなドラムの音が聴こえてきた時点で、ポップ・パンクを聴いてきた人の血が騒ぐような気持ちになり、「bad idea right?」で淡々と、今まで付き合っていた人と別れたけれども、今夜会った方がいいのだろうか、それとも止めた方がいいのだろうかという無限ループが続き、考えがまとまらず、オリヴィアは袋小路に入ってしまいます。この曲の"Like blah-blah-blah-blah"の部分のフィーリングが最高です。「vampire」はテイラー・スウィフトについて書かれた曲なんじゃないかと言われていますが、それはともかくこの曲のサウンドの塩梅が絶妙なんです。特に最後のブリッジにかけてのギターとドラムの音が。そしてオリヴィアの歌唱があるからこそ、この曲の良さが引き立つんだなと思いました。

 「ballad of a homeschooled girl」は、このふくよかなドラムの音が聴いていて心躍ります。しかし歌詞は、思わず自滅してしまう、悪い方向に向かってしまう自分について上手くキャプチャーし、「get him back!」ではオリヴィアのbad ideaが炸裂します。「pretty isn't pretty」は結構、ロードトリップのプレイリストに入ってもおかしくない曲で、何らかのきっかけでチャートに残ってたりして。分かりませんが。
 全体的にドラムの音が多彩だし、バラードの時のオリヴィアの歌唱が何よりも魅力的で、歌詞は彼女の境遇を垣間見てしまう部分もありますが、このアルバムを聴いている人たちにも当てはまっているような部分もあるんじゃないかと思わせるオリヴィアのソングライティング、お見事です。

 ここまでアルバムに対するコメントを書いてみました。ファーストアルバム「SOUR」がそこまで好きにはなれなかった自分ですが、今回のアルバムはかなりハマってます。オリヴィアの歌唱だけでなく、プロデューサーのダン・ニグロの手腕も相まって素晴らしい作品が完成したのだと思います。
 先行曲の「vampire」と「bad idea right?」のサウンドを聴いた時点でやられましたが、「GUTS」は2023年を代表する1枚になるのではないでしょうか。個人的に今年のサウンドトラックです。

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