Paul Harnden(ポール・ハーデン)の映像芸術:革新的なアートの世界
ポール・ハーデンはカナダで生まれ、その後イギリスに移住し革製品の製造方法を学ぶという異例の経歴を持っています。彼のキャリアは、1987年にロンドンで手作りの靴を制作し始めたことから始まりました。彼の芸術的な靴づくりの背後には、自然への深い愛があり、この愛からより良い環境を求めてスコットランドに移住しました。その後、ロンドンの郊外の海辺の町、ブライトンに工房を構えました。彼の作品は洗練された素材感と、自のなめし技術による柔らかさを特徴とし革製のシューズからウエアまで幅広く手がけています。彼の製品は最高品質の完全なハンドメイド技術を駆使して制作されその生産数は極めて限られています。世界中でわずかなショップでしか入手できないブランドとして知られています。
しかしながら、ポール・ハーデンの芸術的な影響は靴作りに止まりません。彼は靴づくりの技術と同様に映像制作にも情熱を傾けており、その作品は革新的で非常に個性的です。ポール・ハーデンは、映像作家ベン・リヴァーズとの共同プロジェクト「May Tomorrow Shine The Brightest Of All Your Many Days As It Will Be Your Last」(2009)を通じて、映像表現の新たな領域に足を踏み入れました。
このプロジェクトは、ベン・リヴァーズとポール・ハーデンによって制作された短編映画で16mmフィルムを使用し、オプティカルサウンドで撮影されています。物語はどこかの森の奥深く、時代は不明ですが、日本の女性兵士たちが失われた古代の無法者の一団を追跡するというものです。彼女たちは穴を掘り、読書をし、リーダーはイタリアの音詩人の幽霊(まだ生まれていない...?)とつながります。しかし、誰が誰を探しているのか、そしてなぜ探しているのか、はっきりしません。この作品は、手作業で処理された映像と、ダイクトフォンの録音、古い78回転盤の音楽、ヒスやスクラッチ、ウォインなどから構成されたサウンドトラックが組み合わさっています。
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