【小説】弥勒奇譚 第九話
翌朝、不動に連れられ仕事場に向かった。龍穴社を出て川沿いに上って行くと道の右側の少し高くなった場所にその家はあった。
敷地の道側に家が建っていて奥には広くは無いが庭があった。
庭に出て左手に水場があり水場から山側に向かって山櫻が数本植わっていた。
空き家だと言っていたが良く手入れされていた。
一歩入ると広い土間になっていてすぐの右手には
炊事場があった。左手の手前には広い部屋があり作業場として使えそうである。
左手奥は小上がりの座敷になっていて寝泊りはここで十分であった。
「