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1兆円市場に潜む経営実態とは

ビッグプレイヤー不在。1兆円市場に潜む経営実態とは

こんばんは。都内のお花屋さんを散策する中で所有と経営の分離について気になったので花き業界の経営実態についてマクロ的に考察していこうと思います。

例えば、全国の小売店舗数を見ても、コンビニエンスストアに匹敵する数が日本全国に存在します。専門店が25,000店舗、スーパーなどの店舗併設型の売り場も考慮すると合計で40,000店舗になるお花屋さん。コンビニエンスストアは全国に55,000店舗であるため「実はお花屋さんはたくさんある」といわれても違和感はないでしょう。
しかし一方、その市場規模と店舗数をもつ業界にも関わらず、最大手チェーンでも180しか店舗をもっていないのが現状です。
コンビニチェーン最大手であるセブンイレブンの店舗数が約20,000店という事実と比較すると、いかに業界のプレイヤーが細分化されているかが理解できます。
進まないIT化や農業者の高齢化等、原因は考えられます。しかし今回は花き業界のビックプレイヤー不在の中、どのような企業形態があるのかを紐解いていこうと思います。

その正体は…
オーナー経営!?

株主は必ずしも、企業の成長に直接的に貢献しているわけではないと思います。たとえば一部の個人株主。筋のよさそうな会社を『会社四季報』で探し、適正株価を試算し割安であれば買い、上がれば売る。単純化すればその繰り返し。いつ売るかいつ買うかという売買のタイミングが興味の中心であり、会社を保有しているという意識や成長に主体的に貢献するという意識は、極めて希薄なように思います。何のことはない、自分が今まさに株式をやっている時のマインドです。笑
私のような移り気な個人投資家とは真逆の存在、同じ投資家の中でもまったく別のマインドを持つ存在についてです。これだけ細分化されている業界だからこそその実態の多くが花屋を経営する方へも当てはまると思います。

その存在は、いつ買うかいつ売るか以前に、所与として大量の株式を持たざるをえず、ある意味では会社と一蓮托生の存在でもあります。

今回テーマにしたいのは「オーナー経営者」です。

「オーナー経営者」とは要するに絶対権力者です。会社を保有し、同時に経営者として自らが会社の権力の中枢にあります。「オーナー経営者」と一言で言い表すと、その響きから醸し出されるイメージは強烈です。ただし、もう一歩踏み込むと、そのイメージは一変します。
「オーナー経営者」はすべからくワンマンです。自己中心的でわがままにも映ります。自分がこれと思った意見は問答無用で通します。
少し極端な姿ではありますが、一般に「オーナー経営者」はそういうイメージかと思います。そして現実にも多かれ少なかれそういう傾向はあります。うんざりするでしょうか?人間不信で性格がねじれていると思うでしょうか?
しかしこの振る舞いは、よく考えてみると当然のことだと思います。
なぜなら、オーナー社長は、自分の人生を自分でコントロールすることを宿命づけられている存在だからです。自分が納得しない内容で、失敗して会社がなくなったら何が起こるか。会社における自らの立場だけでなく、自分の人生が破滅しかねません。
持っている資産(株式)は価値がなくなり、残るのは借入金。場合によっては個人あてに保証人として借入金の返済を突き付けられます。時間をかけてちびちびとでも返済できればよいですが、できなければその先に待ち受けるのは自己破産です。
そんな恐怖と裏腹であるオーナー社長の行動原理は、組織ではなく自分自身にベクトルが向きます。一方、サラリーマンは、自分自身でなく組織にベクトルが向きます。自分と共にある組織と、組織の中にある自分。双方合理的な判断に基づく「生き残り戦略」ですね。当然の論理的帰結でもあります。
オーナー経営と聞くと、よく「会社の私物化」と言いますが、私はその言葉に違和感を持っています。「会社の私物化」が例えとして使われる場合は、湯水のように会社のカネを自分のエゴで使うことを意味することが多いと思います。でも本当に私物化であれば、湯水のようには使えないはずです。自分のカネは大事にするからです。むしろこれはオーナー経営者的発想ではなく、サラリーマン的発想。つまり私物(自分のカネ)ではないと思っているからこそ、好き放題に使うわけです。真の私物化とは、大切に使うことだと思います。
私は常にに与党的振る舞いをしなくてはいけないという、その環境こそがオーナー社長を形成するのだと思います。
私たちのサラリーマンのキャリアは、(権力を持っていないという意味で)野党からスタートします。そして少しずつ昇格に伴って権力を持っていく、つまり与党になっていきます。しかし社会人人生の中で、初期に刷り込まれた野党根性から脱していくのは、容易なことではありません。2年の社会人人生でも散々理解しました。笑
野党であるサラリーマンを否定しているわけではありません。ですが、この真のオーナー経営者的思考に私は凄く憧れるしこの思考に納得する自分がよく分かります。

細分化されている花き市場の経営実態を見つめ直すとオーナー経営者は数多く存在します。
大学2年次にファミリービジネスの企業価値をテーマに1年研究した経験があります。業種問わずにファミリービジネスの企業価値は高いという事実を知っています。オーナー経営で成り立つ花き市場を理解するのに少しだけ役立ちました。
では何故これだけ細分化されているのでしょうか。またはそうせざる負えないのでしょうか。
今回は以下のように仮説することとします。

  1. 鮮度が重要視される商品であること

  2. 生活必需品ではなく嗜好品として扱われていること

  3. 規格化がしづらいこと

特に日本の家計の切り花に対する支出が進まないと仕入に対して廃棄率が高くなり、利益が安定して確保しづらく、花屋のチェーン展開が難しいのではないか?という疑問を残して実態調査は次回の課題にしようと思います。
ちょっと頭こんがらがりそうなので、笑


アレンジメントレッスン

上記写真はお花の教室での1コマです。次回調査対象として私が通うお花教室を展開する業界大手の(株)パーク・コーポレーション(青山フラワーマーケット)を題材にしようと思います🌷

今回の花材💐
ダリア ルル
カーネーション レージェ
スイートピー ココアホイップ
ビバーナムティナス

グリーン🌱
グニユーカリ
ローズズザラニウム

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