夜ふかしすると死にたくなる

寒くなってくると死にたくなる。
あたりが暗くなってくると死にたくなる。
べつに死にたくないんだけど、死ぬつもりなんてないんだけど、
なんかどこか漠然と、死にたい気もちが湧いてくる。

これはどこにあったんだろう。
どこから出てきたんだろう。
どこにもなかったような気もするし、
ずっとどこか心の中か頭の中の隅っこに縮こまって震えていたのかもしれない。

死にたくないと思うけど、
死にたくない気もちが強すぎて、死んでしまいたいと思うこともある。

死にたくないなぁ。
生きていたいなぁ。
でもずっと生きているほど意味のある人生だったかな。
この先ずっと生きたとして、なにか意味があったって言えるのかな。

キラキラ大好きなアイドルが輝いて見えて、
努力して夢をかなえた人たちが自分とは別の生きものに見えて、
自分がきたなくてちっぽけで価値がない気がして、
わかれた恋人に電話をかけて、心配した折り返し電話のやさしさに甘える自分がまた嫌になって、
忘れてきたものを思い出す。
忘れていたことを思い出す。

1年前、2年前、10年前、
となりにいた人のこと。毎日顔をあわせていた人たちのこと。
家族、友だち、恋人、上司、なんでもない知り合いに、なんでもなくない関係性。
それらが全部こぼれていって、当たり前にとなりにあったものが、いつしかとなりにないのが当たり前になって、
あの頃のじぶんは死んだんだって思う。
もういないんだって思う。
そんな風にじぶんは死んでいくんだって思う。

かつて大事だった自分自身をわたし自身が知らぬ間に忘れていたみたいに、
いつか忘れていくようにいなくなっていくんだって思う。
それが今か、今でないかの違いだけなのかもしれない。

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