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【いつもの】2023 福島ユナイテッド通信簿【大遅刻】

ヘッダーに意味はありません。個人的に好きな画像です。
2020から通信簿を始めて4年目。
今年も独断と偏見と自己満でC~Sで評価していきます。
↓2022のやつ。
https://note.com/united_date/n/n02223bdc7c58
レビューに出てくるデータは例年通りFootball Labさんのデータを参考にしてます。(https://www.football-lab.jp/fksm/)

また。チームの1年間の雑感は下記記事に書いてありますのでそちらもどうぞ。


GK

1 上川琢 出場なし 評価:なし
大卒2年目の米課長。出番がなく、一瞬だけ東京ユナイテッドにレンタルして1試合バシバシ止めてアクシデント(?)が起こった福島に帰還。2試合ベンチ入りはできたものの序列を変えるまでには至らず。個人的には1年下位カテでやらせてあげたいと思いつつ、大卒3年目の選手がそんなことしてたら片道になりそうなので微妙なところ、と思ってたら満了。関東1部~JFLぐらいならバリバリできそうだな~と思っていたらJFLの横川武蔵野へ。どこに行っても愛される選手。まずは出場機会をつかみたい。

16 ファンティーニ燦 出場なし 評価:なし
1年間山口へレンタルされた後、今年は福島で。しかし出番はなくベンチ入りもできず。依田体制に入って前への向かうサッカーを志向したことでチャンスがあるかと思いきやそんなこともなく、厳しい1年に。大杉とどっちが満了かなーと思ってたらまとめて満了に。ですが複数言語扱えることが功を奏して京都へステップアップ。唯一無二の存在として輝きたい。

21 大杉啓 評価:C
今季はずっとGKの2番手。天皇杯都道府県決勝と9月に1試合出場。9月の試合ではスーパーセーブを見せるなど見どころもあったが2失点で序列を変えるには至らず。山本の高い壁を破れなかった一年。年齢的にも中堅になる(27歳)中で2年連続でこの内容だと満了となったのは仕方ない部分はあるか。2024はJFL高知で。昇格レースに絡む働きを。

22 山本海人 評価:A
今年も福島の絶対的守護神として立ちふさがった。シーズン39試合(リーグ37試合+天皇杯2試合)稼働は実はキャリアハイ。1試合あたりの平均失点は1.14。これはリーグ6位の数字で、「1試合当たりの失点期待値がリーグで最も大きい(1.482)」チームにおいてこの失点数は傑出した数字。
DF陣の体を張った守備もそうだが、コーチングや安定したセービングで堅守福島を体現する一人だった。
また、ピッチから離れても農業部はもちろんのこと自身の会社で体操講座や運動の楽しさを教える講座、GK講座などハードワークしきり。サポとしてはコンディションが気になっちゃうくらい。
スポーツに対する、福島に対するその姿勢には「すごい」の一言でしか僕には言えません。それでいてパフォーマンスも高次元。
今年はチームとして苦しい時期が長く続きましたが、その間もSNSで発信し続ける姿勢もまさに「プロ」だなぁ…..と。来年も期待せざるを得ません。

DF

3 河西 真 評価:C
今季は自己ワーストの4試合の出場に留まり、福島に別れを告げることに。服部・依田とDFラインの足元を重要視される中で、厳しい立場であったのを最後まで覆せなかった。また、自分が強みにしていた対人のところでも堂鼻が良さを発揮するとなかなかレギュラー争いに割って入れなかった。
ただ、対人やリスク管理の部分というのはJ3でもバリバリできる選手。在籍5年のうちに福島のチームが河西との相性が悪いチームになっちゃった、という側面が大きいはず。2024はJFL青森で。JFL屈指の堅守を誇るチームで試合に絡みたい。

4 堂鼻 起暉 評価:B
昨季は3バックの左だったが、今季は3バックの右に。途中雪江や野末のポジションを渡すことはあったが、終わってみれば3バックの右では最多出場。もともとある対人の強さ、フィード力に加え今季は積極的な攻撃参加と新たな引き出しを身に着け3バックのCBとしてさらに成長を見せることができた。年1でやらかすのは少し気になるが、現有戦力では間違いなく「ポスト・大武」の最有力。戦えウルトラマンどはな!

7 田中 康介 評価:A
開幕スタメンは宮崎に譲るも、すぐに奪回。田中らしい縦の仕掛けとスタミナの高さ、気持ちの強さで左WBのスタメンをがっちり。仕掛けはもちろんだが、シャドーとの連携も良く、ロングスローまで(知らぬ間に)実装。依田体制で田中の特徴をより活かせるサッカーに変わりつつありスタメンを譲る隙は無かった。強いて課題をあげるなら、クロスを上げる機会が増えたものの後半戦アシストが1に留まったことと、最後のゴール前で詰められなかったこと。評価Aではあるが、田中が決めれてたら….と思う試合もいくつか。ステップアップ候補だなぁ…..と思ってたら長野に。いやーな存在ですが康介が決めたならしゃーない。がんばれ。

11 雪江 悠人 8試合582分3ゴール1アシスト 評価:A
チームの「救世主」的存在。終わってみればゴール・アシスト2冠王。
今年はDF登録に変更し、4~6節は右CBとして出場するもその後9節で右WB、16節~CFと転々。しかしCFで出場すると4試合で3G1Aと大爆発。得点不足で苦しむチームの救世主に。
FW起用には2020の時の様子から疑念を持ってましたがあんなにシュートが上手いとは思わんかった。すみませんでした。松本戦とか愛媛戦とか画面の前で土下座してました。五体投地かもしれなかったけど。
また、森との連携での破壊力も抜群で北九州戦のゴールなんかその典型例。いつぞやの田村ーイスマイラートカチの連携を思い出します。澤上にスタメンを譲ることもあったが終わってみれば1トップは雪江だよね、と誰もが納得できる結果を出しました。
・・・・・・と思いきやまさかの満了。
CBとCFを行き来しながら身を粉にして働き続けた5年。またオフザピッチでも福島のために働き続けてくれました。本当にありがとうございました。
最後に一つだけ文句を言うなら、退団リリースで「力不足ですみませんでした」と言うな!これだけやってきたのはサポーターだって良く分かってるんだから「くそお世話になりました」でいいんだよ。またピッチで会おうな。

極論選手退団の挨拶なんてこんなんでええねん

24 宝納 拓斗 出場なし 評価:なし
高卒ルーキーは天皇杯予選で出場もその後はベンチ入りもなし。
これは高卒組全体に言えるけど、Jリーグで求められるフィジカルの基準がここ2年でめちゃくちゃ上がってしまいそもそも上手さなどのストロングポイントを見せるための土俵に上がれなくなってしまっている…….という感じ。ここ最近の高卒勢で対応できてるのはもともとパワー型の長野だけだし。
なので来年にかけてじっくり体を作っていけるかどうかがカギ。繋いでいく路線は来年以降も変わらないので福島は宝納が向いてるクラブだと思う。この後高卒勢には何度も書くが兎にも角にもフィジカル。がんばりましょう。

27 野末 学 評価:B
開幕後3月末に加入すると5月~7月まで、そして11月~と右CBとして稼働。
個人的な印象は河西と堂鼻の間、という感じで対人では河西>野末>堂鼻で、足元は堂鼻>野末>河西みたいな。レギュラーを奪うのも納得のクオリティでした。7月以降ポジションを堂鼻に譲ることになるが、攻撃の積極性をさらに磨きをかけると最終盤にポジション奪取。初アシストを記録するなど上々なルーキーシーズンに。
チームビルディングという面で一番大きいのが野末の加入で、雪江のFW転換をできるようになった一番の理由が雪江がCB陣から抜けても「野末が高クオリティを出している」からだと思ってる。
(大森もいるやん!って思うかもだけど大森はRWBしたりボランチしてたりCB専任にはできない状態だったしね)
来季に向けて、だけど「打倒堂鼻」でいいと思う。堂鼻を超えてレギュラーになれればステップアップが見えてくる。ゴリゴリ対人マンになるのか鈴みたいな攻撃的CBを目指したほうがいいのかわからんけど。

28 鈴 直樹 評価:S
ルーキーは1年をほぼ完走。プレータイム3238分は山本、大武に続いてチーム3番目。もうそれだけで評価Sです。2回脱臼して負傷退場したり、試合後松葉づえで退場してるのに翌週なんでもない顔で出続けてたのは一周回って「もういい!休め!」と声をかけたくなりました。さすがに。
足元の上手さ、ビルドアップが最大の売りでプレスをいなす姿なんて中盤の選手のように鮮やか。DFでも華がある選手ですね。
もちろんDFとしての守備力もしっかりと併せ持ち、これだけの出場時間数でカード0は素晴らしいの一言。チームでは唯一無二の存在。攻撃参加への意欲も良く、ミドルを打ったり積極的にクロスを上げるなど見れば見るほどいい選手だなーと。ステップアップだろうと思いきやあっさりと契約更新。1年目でこれだけできたのですから、来年は「凄みのある」選手になることを期待します。

44 大武 峻 評価:A
今年も欠かせなかった福島の砦。
3バックの中央で支える姿はまるで磐梯山のよう…..
監督交代後も信頼は厚く、出場37試合3317分(+天皇杯2試合174分)はフィールドプレイヤーで最多。(全選手最多は山本海人)
個人的には昨年同様の働きをしており安定しているなあと思ってみてました。結果が振るわなかった中のディフェンスリーダーなので厳しいレビューをしたことも多かったけど大武で助かったシーンはありすぎてもはや覚えてないですね。
ただ、リーグのフィジカルスタンダードのレベルが上がってきたことで最大のストロングポイントだったフィジカルが相対的に陰ってきたことも事実。昨年猛威を振るったセットプレーでの得点は今年は1つだし全体的にゆっくりと下り坂に入ってきた気もする。自分の中で満了を正当化したくてこう書いてるのかもしれないけど。
それでもデカくて強い信頼感とズバッと差す縦パスは見てて本当に面白かった。2024は宮崎に。代と大武の2バック、J3サポが見る夢かもしれんね。

55 柴田 徹 評価:A
右サイドに現れた救世主。湘南から、須賀川から加入するとたちまちにRWBを定位置に。欠かせない存在となった。
目を引くのはサイドからのチャンスメイク。クロスだけじゃなくて正確なポジショニングから斜めや縦に差すパスが印象的でした。また、サイドから仕留める動きもできて、古林からポジション奪取するのも納得のパフォーマンスでした。SBと聞いていたので課題は攻撃面か、と思いきやむしろ課題は守備面。度々レビューでは指摘してたけど、体の強さに自信がないのか寄せたりスペースを埋める守備が目立ち、クロスを簡単に上げさせるのはさすがにいただけない。ただ、本人もその自覚はしっかりと持っていて終盤にはだいぶ改善されたので2024も期待大。個人的にはステップアップかと思いきやレンタルでの残留。大卒2年目はもう若くないので、湘南がシーズン途中で回収しに来るぐらいのずば抜けた働きを期待します。できるはずなので。

MF

5 大森 博 評価:B
今年はボランチやCBだけでなくRWBも経験。できるポジションの幅は増やしたり初ゴールを記録できたが、全体的には伸び悩んだシーズンだった。
決してポリパレントが悪いことではないんだけど、大森博という188cmで足元が上手い選手、という器を見た時に「ポリパレントという道でええんか?」という気持ちになる。大器が器用貧乏で終わるのはなんだかもったいない。まぁRWBの頭数が足りなかったりチーム事情も多分にあるけど。
じゃあスタメンを獲るにはどうすれば、だけどやっぱり明確な武器がほしい。それは上畑みたいなパスセンスかもしれないし、鈴みたいなしっかりとビルドアップや組み立てができることかもしれないけど。現状で大森を「スタメンで」使う理由が「高さがある」ぐらいしかないと思う。足元もあるし対人が悪いわけでもないけど、「じゃあ上畑を、宮崎を(堂鼻を、鈴を、大武を)差し置いて大森を使う理由って?」となるとなかなか難しいのが現状かなと。なにか突き抜ける武器を2024で手に入れたい。高卒3年目で17試合(8スタメン)と経験はある程度できてる。今年を飛躍の年に。

8 吉永 大志 評価:A
開幕はLWBとしてスタメンを勝ち取るが徐々にボランチ、シャドーとして稼働。サッカーにおいて「水を運ぶ人」というのは吉永大志のことを言うんだよ、とサッカーを知らない人に説明して問題ないんじゃ?
ボランチやシャドーがメインですがポジション:ボールの近くなんてことも。それぐらい攻守に走り回りチームに貢献していました。本人も課題に挙げていた攻撃意識も非常に高くなり惜しいシーンもいくつか。2024はボランチに多く選手が加入し激戦区に。サイドへ転換も予想されますが個人的には攻撃意識の高いボランチかシャドーとして見てみたいなと思います。シャドーの吉永、見ててめちゃめちゃワクワクしたので。個人的には同い年の1996生まれが吉永だけなっちゃったので頑張ってほしい。(河西→青森、雪江→八戸、大杉→高知)

10 森 晃太 評価:B
スタートこそ昨年と同じ「ジョーカー」としてサブからのスタートとなるが、チームの得点力不足と自身の守備力の向上でスタメンをゲット。1トップの雪江が良き相棒になったことも大きな要素だった。個人的には森が今年は一番伸びた選手じゃないかな、と思ってます。去年からずっと取り組んできた対人の守備の向上がはっきりと目に見える形で見えてきて異論なくスタメンを任される存在になりました。対して、攻撃面ではもう少し…..といったところじゃないでしょうか。ドリブルだったりスピードの乗った抜け出しだったりCKにキッカーやったり…..と目立つシーンは多いものの結果3ゴール3アシストは寂しい。最終盤に2試合連続ゴールが2024の追い風になれればいいけど。シャドーの競争も激化。10を背負うならゴール+アシスト=10は最低ラインでしょう。期待します。

13 宮崎 智彦 評価:A
岡山から来た頼れるベテラン。語彙力がなくて「気が利く」としか言えないんだけど、いてほしいところ、いなくても大丈夫な時のポジショニング、プレー選択がとにかく正確。決して体格がいいわけでないのにばすばすボール奪取できる。開幕戦の今治戦でのファーストインプレッションが凄くて目をひん剥いてた。↓初見の感想。

その後は怪我などで戦列を離れた期間がしばらくあったが、21節以降はほとんどの試合にボランチとして絡んだ。守備の働きに目がついついいくけれど、ほぼ毎試合どこかでミドルを打って行ったり存在感の見せ方はさすがだなぁと思ってました。宮崎先生のボランチ授業やってほしい。金払って聞きに行くから。

数学準備室にいそう

吉永・上畑・宮崎といればボランチは安泰、ではあるが37歳のフィールドプレーヤーに完走を前提にさせるのは酷だと思うので、先発60分で降ろしながら使ったりして細く長く使うのが一番いい使い方な気もする。2024はボランチが最激戦区なのでLWB/LSH起用もなくはないけど、全体に気が配れる宮崎先生が見たいです。

14 向井 颯 評価:C
高卒2年目はシャドーでちょこっと。向井の良さを見せることなく終わってしまった印象です。個人的にインパクトがあったのはA琉球戦のロングカウンター。やっぱり守備面が課題か。ただ、ここに関しては森も乗り越えてきてるし森の乗り越え方は同じドリブラーとして参考になるはず。
服部さんは守備が最低限できないと起用しなかったけど、寺田さんがウィークポイントにどれだけ我慢できるか、というのにも向井の動向には大きくかかわりそう。2024もシャドーは人数過多気味でサイドに回される可能性が高いかな?とか考えていたら東海1部の刈谷へレンタル。高卒3年目ですから試合に出る、だけでは足りない1年。結果にこだわりたい。

30 清田 奈央弥 評価:C
今季はシャドーでスタートするも、その後は人数との兼ね合いでサイドのバックアップ要因に。昨年「フィジカル的にも技術的にももう一段レベルアップしないとやっていけないこともはっきり分かったシーズンだと思います」と今振り返るとキッツいこと書いてたなぁと思う感じですが、今年もどっちかが改善されれればプレータイムもえらそうなのになーという印象です。プレータイム短すぎてて正しい評価できている気はしないけど、せめてもっとガツガツした守備ができていればという気がしなくもありません。来年は関西2部のおこしやす京都へ。技術は十分あると思うのでさっさと地域CL  常連クラブを関西1部に戻してください。

35 柴 圭太 評価:C
3-5-2のIHとして出場を重ねるも、3-4-2-1に移行すると出番が激減。11節以降は途中出場が4試合だけと出場機会を得られず満了に。。適正が3-5-2だとIH、3-4-2-1だとボランチぽそうなのが苦戦の原因かも。ずっと柴のモデルは諸岡と言ってきたけど今季のチームで言えば吉永の働きが柴にとって向いてるんだろなーと思ってたけど、「リトル吉永」では出場機会を得るのは難しかったか。高卒3年目なので将来を考えて残す可能性もあったが2023のチームのIH、ボランチは人数過多で人員整理の煽りを食らう形になったのは否めない。似たようなポジションに粟野がいるし。下カテゴリに移籍かと思ったけど、引退を決断。若いからこそサッカーを続けるとか社会人になるとか、大学生になるとか選択肢がたくさんあって、その中で本人が選んだのだから、僕にできるのはその人生が上手くいくよう祈るだけです。でも、数年後でもいいからふらっとサッカーに関わってくれたら嬉しいな。

38 粟野 健翔 評価:C
ルーキーイヤーはわずか3試合、4/2の出場を最後に寂しいものとなった。
3-5-2のIHとしては出番があったものの、3-4-2-1では出番がなくインパクトを見せられなかった。もともとガッツあるタイプなので守備力には問題ないけどシャドーをやるには攻撃力不足かなーと思うので難しいところ(森と長野はドリブル、塩浜はミドルなど攻撃の武器がある)。でも2024はフォーメーション次第でIHかもしれないしトップ下かもしれないし粟野が輝けるポジションがあると思うのでどのフォーメーションがメインになるか(3-4-2-1?4-2-3-1?4-1-2-3?)がカギになりそう。フォーメーションに振り回されないようになるにはとにかくクロスやドリブルなど攻撃の武器を増やすこと。昨年同様激戦区ですが勝ちとりたいところ。

41 上畑 佑平士 評価:A
今季は中心選手として押しも押されぬ存在に。上畑のチームと言っても良かったかもしれません。個人的には上畑の働き具合でチームの状態のバロメーターが測れるぐらい、頼れる選手であり、攻守に欠かせない選手でした。去年通信簿では「攻撃をもっと見せて欲しい」と書きましたが、攻撃意識の向上で選手として攻守のバランスがすごくよくなったと思います。ヌルヌルと抜けるよなドリブルと縦に付けるパスセンスはもともとありますし、守備もハードにできる、と元々持っていたポテンシャルを高いレベルで、安定して出力できるようになっていたと思います。4ゴールという数字もボランチとしては優秀な数字。個人昇格があっても……という働きでしたが早々に残留。Aいわて戦でゴール後エンブレムを叩きながら応援席へ走ってくる熱さを今季はもっと見たいぞ。


FW

9 澤上 竜二 評価:B
夏から途中加入。シーズン前から明らかだったポストプレーヤー不足解消のためにやってきた男。チームに適応してる間に雪江が救世主になったため、救世主にはなりそびれたけど。それでも雪江が100%で走り回れたのは澤上がいることが大きかったのは言うまでもないですよね。強力なフィジカルからのボールキープはさすがだし、Aいわて戦のゴラッソは2023ベストゴールと呼んでいいゴールだし、存在感は十二分に発揮していました。ただ、2ゴール2アシストは10月までに記録して、その後シーズン終了まで2ヶ月ゴールアシストなしというのは少し寂しい数字。気になったのは2シャドーとの連携の弱さとサイドにボールをもらいに行くことが多かった2点か。前者は途中加入の難しさ、後者は監督の指示も多少なりともあるんだろうけど、やはりポストプレーヤーは真ん中にどっしりしててほしいなぁ、と。連携の弱さゆえにサイドに寄ってっちゃった部分もあると思うので、改善を期待したいところ。紆余曲折したけど完全移籍。純粋なCFとして多くのゴールに絡みたい。

17 延 祐太 評価:C
前半戦は17/19試合に出場するも監督交代後は出場機会が激減。満了に。
去年までの印象は「水を運ぶ人」で、それに攻撃要素を追加できれば……というところでしたがその役割を柴と同じくに吉永に全部持って行かれちゃったという印象です。レビューでも少し話したけど、ラインブレイクについては雪江や樋口ができる(延の立場からするとできてしまう)、しかも雪江はポストプレー、樋口はワンタッチゴーラー+ボランチもできる守備力というなかで延のストロングなところを見せられなかったのが厳しいところだったかな、と。個人的には針谷・大関・加藤とパスを出せる今年の方が延の良さは活きそうな気もするけど大卒3年目じゃ仕方なしか。2024は九州リーグの強豪ジェイリースに。ここ数年の九州リーグは関東1部に迫るぐらいハイレベルなリーグなので「使われる」タイプの延にはいい環境。JFL昇格へ期待したいところ。

18 堤 聖司 評価:なし
高卒3年目の勝負のシーズンもきっかけがつかめず満了。今年もシャドーの層は厚く跳ね返されてしまった。去年の起用から服部さんは結構堤のことを気に入ってるようでチャンスだなーと思っていたんだけどつかめず。練習試合ではちょこちょこ点を取ってるみたいなので兎にも角にも必要なのは公式戦での試合経験でしょう。これ書いてる段階で唯一去就が決まってないんだけど、カテゴリーを落としてどこか挑戦したいところ。

19 三木 直土 評価:C
(おそらく)服部さんが連れてきたこともあり、起用があったものの監督交代後は出番を失い後半戦の出場は2試合のみで満了。延もそうなんだけど、澤上とか雪江との2トップだったらもっと輝けたかもなーという一人。服部さんも(当時で比較的)ポストタイプな長野と2トップ組ませてたし。決してフィジカルが強いわけじゃないけど、ファーストディフェンダーとしての守備意識の高さが印象的で頑張ってるというのはすごく伝わってきた。その一方で攻撃面での強みを見せられなかったのが厳しかったか。守備面ではもともと攻撃に強みを持つ森や塩浜の成長も著しかったし。FWとしてやっていくには攻撃面でのスケールアップが欲しい気がします。2024は鳥取へ。新しい監督の元で競争を。

20 城定 幹太 評価:C
開幕は3-4-1-2のトップ下として先発するもチームとして機能せずその後はIH/シャドーとして起用されるも監督交代後は機会が激減。最後の3試合でまとまった出場機会を得た。ボール捌きのテンポが独特で面白いな~と思う一方でその独特なテンポに味方が合わない…..というのがなんとも惜しいところ。後半戦の出場機会の減少の原因は簡単で球際の守備が強くない、というところに尽きると思う。また、カウンターやWBからのクロスを重視する方向に傾いたのも大きかったと思う。最終盤に試合に出れていたように、球際の改善も見られるので飛躍も十分にあるシーズン。期待しています。

25 長野 星輝 評価:B
開幕前の期待値からすると「期待外れ」ということになるんかな?飛躍を期待されたシーズンで活躍することはできず、雪江・澤上に押され昨年同様ジョーカーという扱いに。FWに大きな補強、特にポストプレーヤーの補強がなく、純粋なポストプレーヤーじゃない長野にその仕事が偏重しまい業務過多にしまったことも長野にとっては不幸だったかもしれない。
が、やはり気になったのは昨年も指摘したけど90分できずにカス欠になってたところ。A沼津戦とかの得点機逸とか、決して器用なタイプじゃないけれどもそれにしても決定機でのミスが気になったところ。とやかく言いましたが高卒3年目で77試合10ゴールは十分働きを見せている数字。しっかりといい準備ができれば活躍できるというの証明済み。福島ラストシーズンにするような圧巻さを期待します。

39 塩浜 遼 評価:A
1年間走り切ったルーキー。評価Sにしようか迷いましたが、FWとしてはっきり結果は出なかったのでAに。パワフルなシュートとハードな守備、チャンスメイクもできる万能型ルーキーで個人的にはトカチにダブって見えました。笑顔がチャーミングなところも含めて。
少し粗いところはありつつもそれを上回る献身さとパワフルなドリブルで攻撃の核となりました。が、とにかく惜しい。データでも出ていて、ゴール期待値はチームトップの7.171。J3全体でも14位といい形でシュートまで持って行ってるものの決めきれなかったという悔しいデータ。(ちなみにチーム得点王の雪江は期待値3.697で7ゴール)あとは決めるだけ。パサータイプのボランチが増えることでよりゴールへ集中できるはず。2桁ゴールは目標じゃなく、課題でしょう。

40 樋口 寛規 評価:B
チーム最長在籍の農業部長。だんだん「部長」の貫禄がついてきました。今季はボランチに宮崎の加入もあり、前線(2トップorシャドー)での仕事に専念。1023分の出場は福島在籍8年で最少も、5ゴールはチーム内2位、決定率は22.7%とキャリアハイとまさに「ストライカー」というところを見せてくれました。それ以外でもボランチ仕込みの前線からのファーストディフェンダー、飛び出しからのチャンスメイクなど印象に残るシーンも多くありました。2024は澤上・矢島などポストプレーが得意な選手が増えワンタッチで仕留める樋口が活躍しやすい環境が整っていると感じます。イメージはCFイスマイラのシャドーとして9得点をあげた2021。ゴールを獲ることに集中できる2024はキャリアハイの11ゴールを(2015相模原時代に記録)が目標としたいところ。

50 古林 将太 評価:B
湘南からの右サイドのスペシャリスト。強烈なクロスが印象的。1年通してみたけどコンディションが厳しかったな~という印象でした。100%の力で90分できれば間違いなくJ3を破壊できそうなクオリティだったし、柴田にポジションを譲ることはなかったことには間違いない。でも90分出るのが相当厳しそうで、スタメンで出すなら確実に交代要員を準備しなきゃいけない……というベンチメンバーの硬直化をさせてしまうという意味で扱いづらくなっていたというのが満了の要因かなと。金あるクラブだったらもう1年ぐらい様子みてたかもだけど。それでもシーズン序盤の苦しいところを救ってくれたのは間違いなく古林だし本当に福島に来てくれて感謝しかない。ありがとうございました。

【監督】


服部 年宏 評価:C
服部体制は1年半でエンドを迎えた。去年から思ってたけど服部さんが志向するサッカーをやるには福島は向いてねぇ。戦力が足りなすぎる。
宮崎・古林とJ3でバリバリできる選手を連れてきてくれたところとか我慢強く保持サッカーを仕込もうとするところとか服部さん云々の前に足りない戦力をやりくりしようとしてたところ(特に2023オフの動きとか見てると2022オフの戦力で上位進出とかきっついよな)とか擁護すべきところももちろんあったけど、まぁ勝てない指揮官にいい印象は持てないよね、というのも正直な感想。
2022から継続だっていうのに開幕2,3戦(開幕戦は比較的マシだったけど)が戦術的になんもできず負け、と中身が酷くてやべぇかも…..と思ってたけどそのまま浮上できず17節終了後退任。上手くいきそうな兆しがある試合はあった(6節沼津、8節長野)けどそれが続かなかったのも痛かったと。
服部さんの強いプロ意識、というのもJ3の育成クラブに合わなかった感がある。良くても「まだまだ」っていう姿勢はとても大事なところなんだけど、若いチームにとっては良くても自信がつかず、前節で来たことができなくなって自信を失う…という悪循環もあったような気がする。練習見に行ってないからわからんけど。コーチだった依田さんが監督交代後もずっと「継続」を訴えていたのを見ると選手と監督の間の信頼関係がなかった、というのはクビの要因にはなり得ない気がします。
福島では上手くいかなかったけど、他クラブからの服部さんへの評価は「今治がオファーした」に詰まってると思う。今治がバカ勝ちして「やっぱ服部さんがやるには戦力だったよな」って自分の目測があっててほしい気持ちと「今治にバカ勝ちして欲しくねえな」という気持ちで板挟みなので6位でプレーオフ進出ぐらいのなんとも言えない成績ぐらいで収まってほしい。嘘です。成功を祈っています。

依田 光正 評価:S
トップコーチが昇格でチーム変わるんか…………..???????????????
とずっと疑念をもってた連絡橋の幻想をいい意味で打開してくれた救世主2人目。
これまでのボールを大事にするサッカーから縦に早いサッカーへチェンジ。それがどこまで依田さんの希望のサッカーなのかわからなかったけれど、攻撃の方法を絞ったことでチーム内の連携・練度がすこぶる上がってチームをよみがえらせたのはまごうことなく依田さんの手腕。
監督交代時、(一応)降格圏の19位と勝ち点1差の18位で受け取ったチームを最終戦を待たず残留を決めるなど与えられたミッションを完遂。惜しまれつつの退任でした。
8戦負けなしの期間のあと10戦で1勝の期間があったりと浮き沈みはありましたが、シンプルに絞ったことの影響を強く感じる期間でもあったので依田さんが1年率いてたらまた違ったかもなーとは思います。
2024は秋葉清水のコーチに。2020水戸以来のタッグだそうで、一緒に清水を熱くしてほしい。


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