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横浜に住んでいる普通の女の子だった彼女たちは「するか・しないか」で「する」を選んだー nuance oneman tour "osu"「PEONY」

2020年3月10日、Shibuya TSUTAYA O-EASTでヌュアンスのワンマンライブが行われた。同会場のライブは去年に引き続き二回目で、今回は「1000人入れたい」と、一月の時点ではプロデューサーのフジサキケンタロウ氏がnoteに残していたが、新型コロナウイルスの影響でその目標は方向展開せざるえなかっただろう。

世間のほとんどのイベントやライブが中止になっている中、本当に開催されるのだろうか?と前日まで不安だった。それだけに、開催が決まっただけでライブは大成功でしょう!という気持ちで会場に着いた。

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当日はあいにくの雨模様。入場時には首元に非接触型の体温計でチェックされ(37.3℃以上あると入場禁止)、フロアの入り口にはアルコール消毒液が置かれていた。見る場所は前回は後ろだったので、今回は上手の前方3列目ぐらいに陣取った。開演10分前くらいのお客の入りが、やっぱりこの状況では厳しいのか・・・と思ってしまうほどだったが、ライブが始まってしばらくして後ろを確認したら、段差前のフロアはちゃんと埋まっていたので安心した。

ライブ内容は、急遽決まったYouTube配信にアーカイブが残されているので、ぜひ見て欲しい。

前回のワンマンでは、メンバーが街に住む人々の生活を演じたり、曲以外の演出の部分が印象に残った。しかし、今回は演劇的な演出は抑え目になり、普段ヌュアンスが対バンで見せているパフォーマンスのO-EASTバージョンと言える内容だった。もうワンマンではおなじみの2バンドセットも、回数を重ねるたびに良くなってくる印象で、音の洪水を浴びているような感じだった。メンバーのパフォーマンスは最近の充実したライブ通りだったが、特にわかちゃんの歌声にブルースを感じるほど凄かった。それをほぼノンストップで見せられては、お客側は盛り上がらないわけがない。配信で見ていた人が、行かなかったことを悔しがるぐらいに素晴らしいライブだった。

最後の挨拶でミサキサンが「もうすぐnuanceが始まって三年が経つ・・・」と言ったとき、そうか三年前までは彼女たちは横浜に住んでいる普通の女の子だったんだよなぁ、とあらためて思った。芸能事務所に所属して、小さな頃から歌やダンスのレッスンをしているわけではない普通の女の子たちが、わずか三年でO-EASTという大きな舞台に二年連続で立っている。そう考えたら、こんな自分でも込み上げるものがあった。

そして、大変な状況で開催を選んだことで、自分が思い浮かべた言葉があった。それは映画ロッキーで「これは人生、するか・しないかというその分かれ道で、「する」のほうを選んだ勇気ある人々の物語です」という名解説だ。

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ーまさに今回のヌュアンスのことだ。しかし、「する」ほうを選んだヌュアンスの未来はまだ分からない。このイベントに参加した人間が、新型コロナウイルスを発症したとしたら、なぜ開催したのかと非難されるだろうし、活動自粛の可能性もあるだろう。

それでも、ヌュアンスの選んだ道を自分は応援していきたい。10月、キャパ2000人の Zepp Yokohamaにヌュアンスが立っている未来を信じてー

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