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くっしゅ くしぇ

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お題をもとになんか書くマガジン 毎月第2、4週目の木曜日と金曜日の境目に更新。 参加者募集中。お気軽にご参加を♪
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#詩的散文

きゅうてんちょっかのとりのこえ #7 急転直下

窮していた。 自分にとってだけだが、あまりにも明確に出口が見えなかった いくつもの分岐が目のまえにあるのはたしかなのだが どうしても どれもに難があり、どれもが素晴らしいようにも見えてしまい そして、どれもが実現不可能なようにも見えて まったくもって答えにならなかったからだ。 完全に 窮していた 転職をしようと考えていたのは入社した時からだったかもしれない いや、もしかしたらそれよりも前だったかもしれない。 そう、わかっているのに 決断からは程遠い情報がどかどかと自分の中に

得業察知  #4 エゴサーチ

さがしてもみつからないのに そういって目を伏せたのはきみだった けれど、僕は知っていた ただ、さがしていないだけなのだと きみは、僕を探すその一言を知らない 僕は、僕のことを世界の誰よりも知っているから 僕が僕を探すのは、世界中の誰よりも、簡単だよ だけどきみは、いつだって その小さな枠の中にきみの知っている何かをチマチマとぶち込んでいるだけなんだ ねえしってる? 僕が誰なのか その言葉が、なんなのか きみは僕のことがわかるのかい? きみは、ぼく、なのかい? どうな

挙げる手 格差 #3 ウザ絡み

何かを崇めるとき、人は「手を挙げる」 そのものを自分より高い/貴いものと認めていることをその身で示すかのように 手を、挙げる ロックミュージシャンに拳を挙げて見せ 神に祈るためには組んだ手を額に近づけるたり合掌しつつ首を垂れることで相対的に手を挙げて見せるし 賛美するために行われるのは万歳だし、お互いに手を挙げるならハイファイブだ それは、さながら犬の見せる「降参のポーズ」のよう 強きものに腹を見せ、前足をたたみ、顔の横に収めてしまう ステージ上から見える無数の掲げられ