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くっしゅ くしぇ

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お題をもとになんか書くマガジン 毎月第2、4週目の木曜日と金曜日の境目に更新。 参加者募集中。お気軽にご参加を♪
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2021年11月の記事一覧

海の魔法[せ:成長戦略]

ッフュン!ッフュン! 秋とはいえ夜の校庭は身を切るように寒い。 オーライ! 広い校庭に野球部の掛け声や素振りの音が飛ぶ。 成長戦略によって労働生産性を向上させ、その成果を働く人に賃金の形で分配し、労働分配率を向上させることで、国民の所得水準を持続的に向上させるのです! 選挙選に向けた選挙カーの演説がエコーになって校庭にぼわと広がって抜けていく。 来年こそは全国に行ってくれ 先輩たちは悔しそうにそう言っていた。 成長しなくてはいけない。いつからそう思うようになっ

過ぎる

誰にも言えず溜まっているお話のうち一つを初めて人に話した。 自分だけで留めておくと果たして自分の感覚がまともなのかどうかがわからない。 人に話して初めて「間違ってなかったんだ」と心綻ぶ音が鳴る。 言ってしまった後悔と間違ってなかったんだという安堵が交差する想い、 幾多の感情が絡み合った糸が弛緩して心のエネルギーが給油される。 一つはその人に委ねた。 「聞きたいというならいう、そうじゃないなら言えない」 まるで共犯者に引き摺り込むよう。 どちらを選ぶかと思ったら

僕の動かない銀時計[す:過ぎる]

キリキリとネジを巻く、もうこいつもそろそろガタが来てるな。 ごめんな、いままで無理をさせて。 その年季は過ぎた去った時間が既に長すぎたことを物語っていた。 名前が彫られていた場所は、僅かにその痕跡が確認できるが殆ど解らない。 僕と半生を共にしてきた銀時計は僕の手で解体される。他でもない僕のために。 僕がその懐中時計を貰ったのは小学四年生の2分の1成人式の時だった。 クラスで銀色の懐中時計が全員に配られた。 「その時計は皆さんのこれから生きていく時間を刻んでくれて

ある日の転回 #くっしゅ

ああもう! もう、ほんとやりきれない。 転職してすぐってのもあるけど、この職場仕事が多すぎるのよ! 何よりも、もう、ほんと、いくらなんでもおかしすぎ。 何が定時には帰れますよー? だよ。 その日にできなかったものはパソコンごともって帰れってだけじゃん 出鱈目すぎ、大嘘コキすぎ、ありえなさすぎ、しんじらんなさすぎ。 それに何? 期末考課とかなんとか言って変な表に書くこと多すぎ。 そんな無駄な仕事増やしてくれてるのにその分の残業代ないとかってケチすぎ。 あんまりに失礼すぎる話よ