タダヨシユキ@design thinking

クリエイティブディレクター。iFデザイン賞やRedDotDesign賞を含む35以上の…

タダヨシユキ@design thinking

クリエイティブディレクター。iFデザイン賞やRedDotDesign賞を含む35以上の受賞歴。ディレクションやデザイン開発を担当し、デザインに関する執筆活動も行います。またイタリアやドイツなどの海外渡航などで得た情報発信を行っています。現在は住設建材メーカーに所属。

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デッサン上達の鍵は日々のジェスチャー画実践にあり

デッサンの技術を向上させるための確実な方法は、もちろん実際に描くことです。しかし、多くの人が「途中までは良い感じで描けるのに、仕上げようとするとつまづく」と感じることがありませんか?その原因は、仕上がりに過度に意識を向けすぎているからです。今回は、デッサン上達のための効果的なアプローチとして「ジェスチャー画」に焦点を当ててみましょう。 毎日描く習慣を身につける まず、デッサンの上達には継続的な練習が欠かせません。あなたは毎日何かを描いていますか?忙しい日常の中でも、少しの

    • Moderate Design(適度なデザイン)

      本当に必要なデザインとは何か、売れるためのデザインは?「Moderate Design(適度なデザイン)」という概念は、私、タダヨシユキが提唱する言葉です。これは、「腹八分目」という、たらふく食べずにほどほどに食べるという日本の伝統的な考え方をデザインに応用したもので、デザインをしすぎずに適度にまとめることを提唱しています。本記事では、この「Moderate Design(適度なデザイン)」について詳しく探求し、売れるためのデザインの要素を他の文献も参考にしながら解説します。

      • 1973年発売のBuchla「Music Easel」:革命的ポータブル・モジュラー・シンセサイザー

        1970年代はシンセサイザーが飛躍的に進化した時代でした。その中でも特に注目すべきは、1973年に発売されたBuchlaの「Music Easel」(ミュージック・イーゼル)です。この画期的なポータブル・モジュラー・シンセサイザーは、音楽制作に新たな潮流をもたらしました。本記事では、Buchla Music Easelの特徴や音楽業界への影響について掘り下げてみます。 Buchla Music Easelの魅力 Buchla Music Easelは、他のシンセサイザーと

        • Dazed と IKEA の新しい雑誌「Catalogue!!!」の魅力

          2024年のミラノデザインウィークにおいて、DazedとIKEAは共同で新しい雑誌「Catalogue!!!」を発表しました。このコラボレーションは、現代の若者文化と住空間の関係を探求する30ページにわたるフィジカルポスター雑誌です​。 雑誌の特徴と内容 「Catalogue!!!」は、Dazed StudioとIKEAの創造的ディレクター、Marcus Engmanの対話から生まれたプロジェクトで、デザイン、アイデンティティ、表現を祝う内容となっています。雑誌には4種類

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        マガジン

        • タダヨシユキ「デザインビジネス」
          31本
        • タダヨシユキ「デザインと日本」
          7本
        • タダヨシユキ「デザイン技術と感性の考察」
          27本
        • タダヨシユキ「ミラノサローネレポート」
          8本
        • タダヨシユキ「ミュージックマガジン」
          15本
        • 建材のネット販売「サンワカンパニー」に関する考察
          7本

        記事

          実用と美:日本の製品文化の真の意味

          我々が日常的に使用する製品は、実用性を重視したものがほとんどです。それらは、生活や仕事を行う上で欠かせない道具として設計されています。しかし、実用性だけでなく、美しさも重要な要素です。 日本の製品には、「実用の美」と呼ばれる独自の美しさがあります。これは、実用性を重視しながらも、美しいデザインや工芸品としての価値を持つ製品を指します。日本の製品は、その製造者が持つ精神や伝統を反映しており、世界に誇るべきものです。 一方で、市場ではマニュアル化された製品や虚飾化されたものが

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          感性の本質:好奇心と創造性の結びつき

          感性とは、私たちが世界を感じ、理解し、創造するための根源的な能力です。それは好奇心が生み出すさまざまな感覚や感情の流れであり、特にモノづくりの判断において欠かせない要素です。 しかし、現代では感性が誤解されがちです。例えば、デザインにおいては、パソコンのような現代のテクノロジーがデザインの中心に置かれ、感性を生み出す手段として捉えられることがあります。しかし、本質的に重要なのは、感性から生まれた創造物であり、その源は好奇心によって育まれるものです。 残念ながら、パソコンや

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          絵画(デザイン)の能力:多面的なスキルの重要性

          絵画やデザインの能力は、単なる絵を描くこと以上のものです。それは多面的なスキルや能力の組み合わせであり、以下の要素が含まれます。 アイデアの生成能力は、アイデアの質と量の両方を生み出すことができる能力を指します。クリエイティブな仕事では、新しいアイデアを継続的に生み出すことが求められます。 オリジナリティーは、感覚や研究によって独自性を打ち出す能力です。デザインにおいては、他とは異なる独自の視点やアプローチが重要です。 形状ストックとは、多くの形を覚えている能力を指しま

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          未来への一歩: 行動する力で未来の自分を見つけろ

          息子よ、 君が18歳になった今日、未来へのステップを踏み出す大事な時期だ。君の夢や目標は何か、それを追い求めるために何をすべきか、一緒に考えてみよう。人生は短いものだが、その短い時間をどう過ごすかが重要だ。 君には素晴らしい可能性と才能がある。まずは自分自身を知り、何が君を本当に幸せにするのかを見つけ出そう。夢を見つけることは簡単ではないが、君の好奇心を追求し、新しいことに挑戦することで見つかることもあるだろう。 「何になりたいか」という問いに真剣に向き合い、夢を見つけ

          未来への一歩: 行動する力で未来の自分を見つけろ

          ロングライフデザイン:持続可能な価値の追求

          デザインには一体、何が正しいのでしょうか?プロのデザイナーが作ったものだけが「デザイン」と言えるのでしょうか?この問いに答えるのは容易ではありません。私は、デザインは単に美しさや専門家の手によるものに限らず、日常的に使用されている品物の中にも見出すことができると考えます。 時が経つほどに証明される品々こそが、真のデザインの典範であると私は信じています。それらは、使い続けることで価値を発揮し、私たちの生活に欠かせない存在となっています。このような品々は、あるがままの姿で、これ

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          絵の技術と成功についての考察

          絵に対する一般的な見解は、「うまい」「へた」という言葉で表されがちですが、その背後には多くの意味があります。この記事では、絵の技術と成功についての考察をしてみたいと思います。 まず、絵がへただと言われた場合、そのフィードバックをどう受け止めるかが重要です。クリエイターの先輩や上司からの指摘を素直に受け入れ、成長のためのヒントと捉えることが肝心です。なぜなら、もし私がクライアントの立場だったら、絵の技術に自信のない人に大金を払って、仕事を依頼することはたぶんないでしょう。だか

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          モノを作るとき、ストーリーが欠かせない理由

          モノを作るとき、単に形や機能だけでなく、その背後にストーリーを持つことがますます重要視されています。なぜなら、ストーリー性のある商品開発は多くの利点をもたらすからです。 まず、ストーリー性のある商品は、目的意識が明確になっています。何を作り、誰に向けて作るのか、その背景に物語があることで、商品開発の方向性がより明確になります。これによって、ユーザーが求めるものや商品の価値がより明確になります。 また、ストーリー性があると、ターゲット層を絞り込むことができます。特定の物語や

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          手を動かさないデザイナー - クリエイティビティの源を求めて

          クリエイティビティを発揮するためには、手を動かすことが不可欠です。しかし、多くのデザイナーやクリエイターは、頭の中で考えることに集中しすぎ、実際に手を動かさない傾向にあります。この現象について考えてみましょう。 最短でクリエイターに近づきたいのであれば、頭よりも先に手を動かすことが必要です。何度も考えてはみるものの、アイデアを形にすることなく、机の上で悩んだり、ネットで調べ物をするだけでは、新しいものは生まれません。実際に手を動かして、アイデアを形にすることが重要なのです。

          手を動かさないデザイナー - クリエイティビティの源を求めて

          デザインを言葉で説明しない。

          デザインの本質と感動の力 デザインの真髄は、その観察から始まります。優れたデザインは、言葉を使わずとも人々を感動させる力を持っています。この種のデザインやプロダクトは、見る者の心に直接語りかけ、深い印象を残します。消費者が製品に惚れ込むことができれば、その製品の小さな欠点は重要ではなくなることがあります。 共感と幸福感の創出 このような製品は「これしかない」と感じさせるほどの魅力を持っており、それによって消費者だけでなく販売者も共感し合い、全員が幸せな関係を築くことがで

          デザインを言葉で説明しない。

          反抗のエッジ:リザードという名のパンクアイコン

          New Kids In The City (リザード) 子どもたちが遊んでいる 裏通りの陽だまりで きらめく風に吹かれながら 子どもたちが駆けていく そして未来が呼んでいる お前の未来が呼んでいる 子どもたちは空を見上げて 来るべき時を待っている New kids In the city Good bye old World Bonsoir 子どもたちが遊んでいる 裏通りの陽だまりで きらめく風に吹かれながら 子どもたちが駆けていく 新しい子どもたちが生まれ 新

          反抗のエッジ:リザードという名のパンクアイコン

          EuroCucina 2024: 未来を展望する

          EuroCucina / FTK、Technology For the Kitchenは、キッチンと食品関連の業界における最先端の展示会であり、その舞台裏には環境、経済、社会的責任が貫かれています。この隔年のイベントは、インスタレーション、セットデザイン、プロジェクト、トーク、そしてテイスティング体験を通じて、新たなアイデアや革新的なテクノロジーが紹介され、キッチンと生活の未来についての洞察を提供しています。 EuroCucina 2024では、人工知能、生態系、神経科学な

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          アルコバ2024:ミラノデザインウィークの新たな軌跡

          ミラノデザインウィーク、それは世界中のデザイン愛好家や業界関係者が一堂に会し、革新的なアイデアやプロジェクトを発表する場であり、その中でもアルコバは注目すべき存在です。アルコバは、暮らしとものづくりの未来を研究するプラットフォームとして、デザイナー、企業、機関、研究者たちが集う場所です。その魅力と影響力はますます高まり、今年のアルコバ2024は、新たな軌跡を切り拓くことでしょう。 アルコバの起源と進化 アルコバは、Valentina CiuffiとJoseph Grima

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