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SNS中毒になるのは「自制心がない」から?

TwitterもInstagramもFacebookもYoutubeも僕らを離さない工夫を凝らしている。

今話題になっているコンテンツを勧めてきたり、検索結果が分かりやすくなったり、自分好みのコンテンツを上位に表示したり…

だから、SNSに夢中になってしまうのは自制心のない自分が悪いのではなく、サービス側の創意工夫による側面が大きい。

雑誌「WIRED」の記事には、このように記載されている。

*「Youtubeがいい例です。気づくといつのまにか3時間過ぎている。スーパーコンピューターがあなたの脳を狙い撃ちしていることを自覚していないからです。あなたが動画を再生した時点で、グーグルが開発したコンピューティングパワーを起動したんです。このコンピューターは、どんな手を使えばあなたの意思に勝てるかを心得ています。Youtubeに限らず、ネットにアクセスするたび、われわれの脳はスーパーコンピューターに狙われているわけです。」

何も考えないと知らない間に何時間も経ってしまうのは当然のこと。それを目指して企業はサービス設計している。

ビックデータをもとにユーザに長い時間サービス内で滞在させようとしているのに対して、1人の人間がそれに対抗するのは到底敵わない。だから、そこで落ち込む必要はない。

僕らができることは、そうした企業のバックグラウンドを知っておくことだと思う。つまり、依存性を高める設計になっているサービスを意識した上で日々利用することが大事なのだ。

記事でもこのように書かれている。

*「ここで問うべきは、『背後で何が起こっているか』です。例えば、Youtubeが20億人の視聴習慣を観察し、ウクレレの弾き方を習いたい人に『ぴったりの動画はこちらです』と言ってくるのはいいことですよね。ところが実際は、こちらの望みというよりスクリーンにあなたを縛りつけることしか考えていません。Youtubeで人々が観る動画の70%は、アルゴリズムにリコメンドされたコンテンツです。平均視聴時間は1日60分なので、42分はコンピューターに流されていると言えます。」

自分にとって使いやすくなるカスタマイズは、みな大歓迎だろう。ただ油断してボーッとした頭で触っていると、空虚な時間を膨大に消費してしまう代物だということをお忘れなく。

どういう作りになっているサービスかを理解しているのとそうでないのとでは、心持ちが全く変わってくる。

たとえば、あらゆるスマホゲームにはプレイヤーを熱中させる仕組みが整っている。それを知っていると、操られる側ではなく遊ぶ側で楽しめる。


心豊かに生きるためにテクノロジーと向き合うことを「デジタルウェルビーイング」という言葉で表されることを知った。

どんどん便利になっていく世の中、日進月歩で進んでいくテクノロジー。僕らの毎日はどう変化していくだろうか。

「自分にとって心地よいインターネットとの向き合い方とは?」
「健康的にスマホを使いこなすには?」

まだ答えのない問いに、自分なりの解答を用意するべき時期が来ている。

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WIRED VOL.32 「DIGITAL WELL-BEING」内の鼎談記事「人間はハックされる動物である」より、トリスタン・ハリス氏(Center for Humane Technology 共同創設者)の発言を引用。39-40頁。


「SNS」について書いた過去の記事。


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