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5軒ハシゴして分かったスーパーマーケットの2つの課題

何の不便もなく使っていたスーパー。ただ何軒もハシゴしてみるとなんでこうなっているんだ?」とフツフツと疑問が…。

すだちを探す冒険の始まり

彼女と外食をした帰り道、「スーパー寄っていもいい?」と言われて、それにへこへことついて行ったときの話。

結果的に近くのスーパーマーケットを何軒もハシゴすることになったのだけれど、その前に彼女の素性を簡単に説明しておく。

昨年に料理系の出版社を退職して、数ヶ月前から飲食店を企画・運営する企業に転職した彼女。その経歴からも分かるように、人より圧倒的に食に詳しく料理が得意だ。彼女いわく、「私にとって料理は、顔を洗うような感覚に近い」と豪語する。

そんな彼女はその日の翌日朝から仕事で飲食店のメニューに載せる料理の写真撮影があるという。まだ下っ端の彼女は、そこで使用する食材を何点か準備する必要があるとのことだった。

必要となる材料は、漬物や唐揚げ、すだちなど10点ほど。そう、すだち。レモンでもなく、かぼすでもない。小さな緑色の丸っこい果実。そのすだちがどうしても見つからず、合計5軒のスーパーをめぐる壮大な冒険が始まることをこのときの僕はまだ知らない──。


「1日に何軒もスーパーに行くなんて人生で何度も経験することないな!」とおもしろがって僕は彼女のお供をした。そこで見えてきたスーパーの課題がいくつかあるので紹介したい。

スーパー関係者の方々に届けば…とは思ってないので、楽しんで読んでもらえればそれで満足です。

1. 商品がネットで見れない問題

いまやAmazonという巨大ネットストアのおかげで、本だけでなく様々な商品がネットで閲覧および購入が可能になった。

Amazonを例に出さなくとも、各メーカー企業は自社のネットストアを運営していることが多い。実店舗に向かわなくてもどんな商品が売られているかは、手のひらのスマホを見れば分かる。僕たちはそんな時代を生きている。

ただ、スーパーになるとそうもいかない。どの商品が店頭に並んでいるのかは、ネットでは公開されていない。いくつかスーパーのホームページを調べてみたが、Webチラシが見れる程度のところがほとんどだった。

もしかすると僕が知らないだけで、どこか巨大な資本力のあるスーパーでは情報公開されているのかもしれない。たがそれでも店頭の商品情報がリアルタイムで更新されていないだろう。新鮮さが命の膨大な商品情報を収集して、Webページを更新するのはハードルが高そうだ。

実際にそうしたWebシステムが存在しないのは、消費者の需要とシステム構築の手間が見合わないからだと僕は推測する。少なくとも僕をはじめとした一般的な利用者は、商品がネットで見れなくても困っていない。

困っているのは飲食店で働いている人や料理撮影でスーパーを利用する方に限られる。もしかすると仕事でスーパーを使っている方にとっては、あるあるの悩みなのかもしれない。

現状では特定の材料がスーパーの店頭に並んでいるか確かめるにはリアル店舗に足を運ばないといけない。もしくは、店舗に電話をかけるかだが、電話口で尋ねても担当者が陳列棚やバックスペースの在庫を確認して返答するまでに時間がかかることを考慮する必要がありそうだ。

2. あなたの居場所はどこですか問題

次に、アメリカの大型スーパーマーケットを彷彿とさせるような、広大なスーパーの場合は、すだちの居場所がどこか分かりずらい。

大抵のスーパーでは遠くからでも大雑把な売り場の位置が分かるように、人々の目線のやや上の高さにわかりやすく「青果」や「総菜」のような看板が掲げられている。これは非常にありがたい。

ただ、1つ1つの商品の位置は、自分の目で確かめるしかない。商品名が書いてある棚の前までいき、そこに実物があるかないかを見て初めて「このスーパーにはすだちがない」と判断できる。

だから、陳列されている商品スペースを見つけなければ、すだちがこのスーパーにあるかないかさえ分からない。単に見落としている可能性もあるからだ。

本屋であれば検索端末が置かれていることが多く消費者が自分で操作できるが、スーパーではそのような端末を生まれてから1度も見たことがない。いちいち店員さんを呼び止めて、店内に商品があるか確認してもらうしか方法がなさそうだ。

実際に何軒ものスーパーを回っていて、時間を費やしたのはこの居場所探しだった。

学生の頃の話だが、CDレンタル店で借りたいCDがあった時に、家からその店のWebサイトを訪れていた。そのサイト内で検索すると、どこの店舗のどの棚に在庫があるか一目瞭然で分かったのが便利だったのを思い出した。


最終的にすだちは、彼女の同僚に用意してもらえることになり無事にミッション達成。長旅を終えて時計をみると、23時半を過ぎていた。

翌日の早朝。颯爽と家を出ていく彼女の姿を見ていると、料理メニューの撮影は想像以上に大変な仕事なのだなと思ったのであります。

※上に書いたことは、よくよく考えるとスーパーマーケットに限った話ではなく他の業態にも言えることかもしれませんが、ここでは深く言及しませんでした。また何かの機会に考察することにします。


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