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ハワイに住んでサーフィンしてたら会社やめちゃいました 稲本健一

ハワイに住んでサーフィンしてたら会社やめちゃいました 稲本健一
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本書は、「アロハテーブル」を作った稲本さんの波乱万丈な物語。大事なところはタイトルの内容ではありません。僕の感想からタイトルをつけると「人生から逃げてたらハワイに住んでました」だと思います。
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稲本さんは、就職するときに置いてきた彼女の近くに戻りたいという理由でサラリーマンを約半年で辞めました。そこから飲食店の立ち上げに携わるようになり、徐々に経営を委託されるようになります。
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その後飲食店「ゼットン」を作り上場。創業から20年間、年商100億円を超えた頃会社を離れる決断をします。
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会社を離れた後は、ハワイで過ごすようになりました。ハワイの時間はゆったりしていて、自分と向き合う時間が増えたそうです。
どんどんハワイの魅力に惹かれていった稲本さんは、日本でも有名な「アロハテーブル」をオープンさせます。そんな成功に見える人生も、稲本さんは逃げの連続だったと振り返っています。
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高校受験、大学受験、就職と全てにおいて逃げ続けてきたそうです。会社も満員電車に耐えられなかったのを、彼女を置いてきたという理由をつけて辞職しています。
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そんな逃げ続けた先にあったのは、捨てきれなかったデザイナーとバーテンダーという2つの仕事だったそうです。
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逃げながらも一貫して貫いてきたのは、「嫌なことはやらない」という姿勢でした。好きなことを見つけるのは難しいが、嫌いなことはやらないと決めれば、いつか好きなことは見つかるものだそうです。
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人生を変えるには、ある程度直感に従いできなそうなことでも「やれる」と言ってしまうこと。「やれる」と言った以上、どうにか落とし前はつける。つけられないこともあるかもしれないが、少し背伸びするくらいがちょうどよく、気付くと背伸びした状態に成長しています。
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好きなことを見つける方法は、迷った時にドキドキする方を選ぶことです。人は安定を選びがちですが、安定を選ぶとそれだけ競争する相手も多いということです。結果としてドキドキする方を選ぶと、競争相手も少なく楽しいというおいしさがあります。
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人は人にしか磨かれません。ある意味人生は出会いの連続から作られます。稲本さんは昔から友人を紹介することに喜びを覚えていたそうですが、決して恩を売ってはいけないと言います。恩には感謝し、恩は売らない。見習うべき姿勢だと思いました。
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縁の深さは、どれくらい長い時間をどれくらい相手と真剣に付き合ってきたかという「時間」と、どれくらい相手のことを想ったかという「太さ」で決まるそうです。
「縁の深さ=長さ×太さ」
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プレゼントも、その人が相手のことを思って考えながら選んでくれた時間に価値があるので、手紙とか手作りなどは嬉しいだろうなと思いました。
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飲食業は人で悩むことが多いといいます。
「糞にはハエがたかり、花には蝶が舞う」
自分の周りにハエがたくさんたかっているとすれば、その人は結局糞になってしまい、自分の周りの人が蝶のように待っていれば、その時自分は花になれる。
つまり、周りを悪く言えば言うほど、自分が悪くなっていくし、周りがいい人だと自分も良い人になれるということです。周りの環境にとても影響されやすいので、その通りだなと思います。
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稲本さんの人生は逃げの人生だったそうです。しかし、目の前に目標が現れた時、初めて攻めの人生に転換していきました。それが飲食店でした。特に初めからお金、人、情報があったわけではなく、持っていたのはやる気と覚悟だけで、稲本さんにとってその対象がカフェでした。
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お金がない時期こそおもしろいアイデアが生まれます。しかも、チャレンジして失敗をしてもそこには経験が残るので、稲本さんは反省はしても後悔はしないそうです。反省は次に生かし、後悔は引きずる。後悔は時間を取り戻せません。悔やんでも時間を無駄にするだけなので、切り替えて次に進んでしまう方が大切です。
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時間は常に流れ、人の気持ちも常に変化しています。そんな中、何か一つ成功したことだけにこだわり、繰り返していくことは危険です。気持ちの良い場所にずっといること、何にもドキドキしない場所にいることは、時代に取り残されていきます。変わらないためには時代に合わせ変わり続けるしかありません。もし成功しても、次の目標を決め、何と戦っていくのかを常に考えると、常にチャレンジしていることになるので成功はないのです。
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そして何より感謝を忘れないことです。どれだけ人に「ありがとう」と伝えられたかを意識しているそうです。それを徹底している稲本さんはすごいですし、人を本当に大切にしているから成せることがたくさんありそうです。


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