テレビでグリオーマを取り上げない理由

今回の記事は様々な情報から私が導き出したひとつの答えですが、

救いのないようなことも書いたので、不快に思われそうな方は見ないことをお勧めします。

私は悪性度3のグリオーマの「退形成性星細胞腫」になる前まではグリオーマや神経膠腫といった単語を聞いたことがありませんでした。

病気のことを前の会社に話したとき、

「手術で取れば治るんでしょ?」

「ガンは治る病気だから大丈夫!」

様々な方にこう言われました。

それはしかたがないことだったかもしれません。

テレビなどでは脳腫瘍というざっくりしたカテゴリーで語られることがほとんどだったからです。

以前観た某天才脳外科医のドラマでもグリオーマがクローズアップされることはありませんでした。

手術で完治したというストーリーがほとんどでした。

健康バラエティ番組ではしきりに脳について取り上げていますが、決してこの病気について触れません。

世間のグリオーマに対する認知度は相当低いと思われます。

(YouTubeで検索してもグリオーマに関する動画はバズっているものはほとんどありませんでした)

なぜだと思われますか?


私は治らない病気であるからだと結論付けました。

私はH松医大でN波教授から「見つかった時点で手遅れ」と言われました。

他の進行することでステージで進む臓器のガンとグリオーマの違う点は

グリオーマの悪性度とはガンになった細胞の種類、出来た場所等によって決まることです。

グリオーマとはグリア細胞と呼ばれる脳の神経組織を守る細胞がガン化することの総称です。

細かく分類すると種類は100を越えます。

私はグリア細胞の種類の中の星細胞(アストログリア)がガン化しました。

この細胞はグリア細胞の中でも細胞の増殖スピードが比較的速いです。

また脳に染み込むようにガンが広がるので手術での全摘はほぼ不可能です。

だから症状の比較的少ない時に発見できた私でも病状の進行は止められません。

私は右側頭葉にこの腫瘍が出来始めましたが、脳の深部から広がり始めるとさらに速いスピードで症状が進行する方もいらっしゃいます。

現在の医療では病状の進行を完全に抑えることができません。

(治療が体質的に合って長期生存されている方はいらっしゃいますが…)

私は維持療法を続けていましたが、昨年11月に再発しました。

現在はアバスチンというガンに繋がる血管に作用する薬と抗ガン剤のテモゾロミドを服用して一応は現状維持出来ている状態です。

これもいつまで続くかわかりません。

早い方では3か月で薬の効果が切れ始めて症状が進行することもあるそうです。

ここまで話したことをまとめると

・グリオーマは早期発見、早期治療で完治することは無い

つまり健康番組でいくら早期発見のために気を付けることを特集したところで無駄

・治らない病気を医療ドラマで描いたところで救いのない物語しか描けない

どんなに天才的な腕を持った医師がいたところで見える腫瘍をいくら切除しようがあまり関係ない

スポンサーからお金を貰っているテレビ局が視聴者からは敬遠されるような救いのない番組をつくらないことは明白ですね

NHKは受信料をもらって放送してはいますがやはりほとんど放送されることはありません。

私は今回の記事でテレビを批判したいわけではありません。

ネットはデマや憶測が数多く見受けられますし、症状の重い方ばかりが取り上げられるので、調べ始めると本当に精神を病みます。

情報を得やすくなった現在ですが、情報を選別してより良い方向に向かっていくのは厳しいですね。

学校でもこういったことは教えてはくれませんし、医師や看護師の方に相談しながら、自分の身は自分で守るしかないのかもしれませんね…

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