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2024年7月

ものすごい勢いで駆け抜けていった。
梅雨も爆速で明けた。

【7/1〜7/7】
7/1 期日前投票に行った。

7/4 有休。練馬区立美術館で三島喜美代展。練馬区立美術館は中村橋にあるのだが、保坂和志『プレーンソング』の舞台が中村橋なんですよね。語り手は彼女と住むつもりでその家を借りたんだけど、住む前に別れちゃって一人でそこに住む。持て余してるから、いろんな人を呼んだりして楽しく過ごす話だ。猫に餌あげたり、競馬の予想したり。
そのあと新宿で映画『ルックバック』を観た。おじさん多かったなー。藤野の声やってる河合優実って最近ものすごい勢いで売れてる気がする。ちょっと前の黒島結菜っぽいポジション。知らんけど。
『ルックバック』はタランティーノの『ワンハリ』を下敷きにした反実仮想の物語だ。僕は思うのだが、藤野にも京本にもなんの落ち度もない。また、一番中心にある題材「京アニ事件」についても「京アニ」にはなんの落ち度もない。だから彼女たち、(もしくは、京アニで働く人々)の生き方には何も間違ったところはなかった。京本が家の外に出ても、出なくても結果は同じだ。ここを改変しても仕方ないのではと思ってしまう。
もし『ルックバック』における京本の死や「京アニ事件」のような悲劇を生みたくないのなら、変えるべきは「バールをもって京本を襲う男」や「青葉真司」の在り方、いや、彼らを取り巻く社会の在り方である。
世の中には「青葉真司」になりうる境遇の人々がいる。様々な要因により社会から爪弾きにされてしまった人々が『ルックバック』を観て、何か変わるのだろうか。というか、『ルックバック』という作品は、そもそもそういった人たちに向けられてはいないのかもしれない。

7/6 友人らと千葉にある無人島までドライブした。楽しかった。東京に帰ってきてみんなでライカート『オールド・ジョイ』を観た。男二人旅、結婚してそろそろ子供が産まれるという男を、ヒッピー風の男が旅に誘い出す。モラトリアムの終焉を感じさせる切ない映画だ。みんないつまでも遊んでくれるわけじゃない。

7/7 小池百合子当選。

【7/8〜7/14】
7/8 令和ロマンくるまがギターを始めた動画に触発されてギターを買ったが、あまり触っていない。軽音サークル時代からろくにギターの練習などしてこなかったが、もはや何も弾けない状態。またいつかスタジオには入りたいが。

7/10 髪に縮毛矯正をかけた。

7/12 大学時代の友人との飲みから、文フリで知り合った人との飲みへとはしご。文フリで知り合った人とは3時頃解散し、タクシーで帰った。あいつマジでなんなんだ……。

7/13 説明すると長くなる経緯を経て知り合った人と新宿で飲む。楽しかった。その人は「恋をするというのがどういうことなのかわからない」と言っていた。僕の場合は、「あ、好きかも」の火種を見つけたら、それをちょっとずつ大きくしていくようなイメージがある。けっこう自分から恋愛感情の増大に加担しているフシはある。「あ、違かった」みたいなこともある。
これだけ「多様な生の在り方を肯定していこう」というムーブメントが起きている中で(もちろんひどいバックラッシュもあるが)、自分自身はめちゃくちゃメジャーでノンストレスな「シスヘテロ男性」であることに後ろめたさがある。

7/14 日本語ラップきっかけで繋がった人と相手方の都合で早稲田でランチ。意外と仕事内容が似てるということで盛り上がる一面もあった。Twitterで知り合う人って基本的にはいい人ばかりで、逆に普段どれだけ話の通じない人々が世の中に満ちているかってことを忘れそうになる。クッキーをもらった。ありがとうございました。

【7/15〜7/21】
7/15 めちゃくちゃ具合が悪くなり、あらゆる予定をキャンセル。

7/16 一度は出勤したものの、やはり具合悪くて時間休とって病院行ったらコロナだった。一回出勤したのマジごめん。7/20頃までぐったりしていた。

【7/22〜7/28】
7/22 久々の出勤。疲れた。

7/26 朝4:30に起きてフジロックへGO。行きの高速で事故ってて渋滞起きてた。観たやつを列挙します。ROUTE17、家主、Friko、Erika De Casier、The Spellbound、Omar Apollo、King Krule、Awich、Floating Points、The Killers、電気グルーヴ。Erika De CasierとFloating Pointsと電気グルーヴがよくて、自分はクラブミュージックが好きなんだなと思った。あんまり通ってないんだけど。

7/27 フジロック2日目で観たもの。syrup16g、The Last Dinner Party、Glass Beams、DJ DARUMA、No Name、Beth Gibbons、Sampha、The Yussef dayes Experience、Kraftwerk、girl in red。
途中ドラゴンドラに乗って、Day Dreamingというステージに行ったのだが、立地がかなり天国っぽいところでめちゃ楽しかった。DJ DARUMAがプレイしていて、踊ったり、草の上に寝転んだりした。

7/28 フジロック3日目。betcover!!、Rufus Wainwright、Weekend Lovers、Ali、The Jesus And Mary Chain、Yin Yin、toe、Meters、Kim Gordon、Noel Gallagher。
雨降りまくり。toeとKim Gordonがよかったのと、なんだかんだノエル観れてよかった。ノエルは顔の下半分がダンビラムーチョ大原に似ている。なんなら声も似てる。

【7/29〜7/31】
7/29 東京へ帰還。先輩に誘われてギャルソンのセールを観に新宿伊勢丹メンズ館へ。先輩はものすごい勢いでばばばっとギャルソンを見終え、隣のバレンシアガを見ていて、僕は一人どうしていいかわからなかった。ギャルソンの服にはなんか羽根みたいなのがいっぱいついていて奇抜すぎた。先輩によるとギャルソンは「ブラック」というラインが安いしおすすめらしい。たしかに「ブラック」は着やすそうな服が多いのだが、セールにはなってなかった。別のブランドでボトムスを試着してかなりいい感じだったが、とりあえずやめといた。

7/30 火曜日だが、休みを取っておいてよかった。昨日新宿の伊勢丹で履いたボトムスはサイズが欠けていたので、青山の本店に行き、試着。やはりよかったので購入。接客してくれたお姉さんが、いい人そうなんだけど、なんか自分の耳がうまく機能しなかったのか、何言ってるか全然わからなくて「いやいや」とか「ははは」とか言って過ごしたが、成立した。帰るときキャラメルをもらった。

【読んだもの、観たもの】
・『バトラー入門』藤高和輝。文体が「バイト先のいい先輩」みたいな口調で楽しく読める。けどだんだん難しくなってくる。意外とバトラーがいろんな人のクィアな運動の成果を借りて『ジェンダー・トラブル』を書いたことがわかる。裏表紙で、著者の藤高さんがキャップにヘッドホンというスタイルで写っていて、イケてる。シリアスな題材をカジュアルに提供してくれる本。

・『フェミニズム』竹村和子。これは難しかった。内容的にはかなり『バトラー入門』と被ってはいたものの、難しい。

・『成熟の喪失』佐々木敦。江藤淳読んだことないんだけど、こんなに情けないやついる?と思ってしまった。なんか江藤に対して批評的な可能性もあんまり感じなかったし。でもそれは僕の大好きな「エヴァ」という作品についてもそうなのかもしれない。なんか、「シンジ、大人になれ」みたいな物言いに大いなる欺瞞があるというか、結婚して子供を産んだってゲンドウは別に大人って感じじゃないし、「大人になろう」と思うことが逆説的に「大人になりきれない」という袋小路に陥ってしまう……みたいな本だったと思う。
佐々木敦氏は未婚で子どももいないはずだが、そのことと、この本の内容は不可分ではないと思う。佐々木さんが還暦を迎えDOMMUNEでパーティーが行われた際に、彼の教え子の集団「アラザル」が還暦祝いの冊子を作ったそうだ。
僕は思うのだが、このように佐々木氏の批評活動によって後進が育っていっているということが、『成熟の喪失』の「実践編」なのではないかと思った。ていうかアラザルが作った冊子読みたいんだけど。

・Netflix『ボーイフレンド』最近気になって一気見した。まあ観てよかった。登場するゲイやバイの男性たちはみんなめちゃくちゃ魅力的である。実際にはもっとしみったれたゲイやバイの世界っていうものがあるんだとは思う。
そもそも異性愛者が多数を占めるこの世の中は、同性愛者にとって必ずしもセーフティな空間でない。この恋愛リアリティーショーの世界では、みながゲイやバイであることにより、初めて脅かされる危険がなく感情の交流が行われることとなる。
恋愛をするだけではなく、お互いを支え合う共同体ができあがっていく様には心が動かされた。

【まとめ】
夏やねー。


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