【掌編小説】カバンの中の
カバンにいっぱい詰めたはずの夢や希望が、走れば走るほど零れ出ていってしまった。
軽くなったカバンが悲しくて、私は走るのをやめ、ゆっくり歩きながらカバンの中を見た。そこには、夢や希望の転がりでた空っぽのカプセルがあるだけだった。
私はむしゃくしゃしてカバンをひっくり返した。空っぽのカプセルはとても軽くて、四方八方に飛び出していった。
その中で一つだけ、地面に落ちて大きくはねたカプセルが目に入った。私は無意識に手を伸ばし、つかみ取っていた。そのカプセルの中に小さい青色が見え