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道草を食って帰ろうVol.011【野生のにんにく?山蒜でアンチエイジング】

この記事は日本仏教徒協会の会報誌『シャリーラ通信』に掲載されているコラムのバックナンバーです。

このコラムも1年2年と経ってきますと季節に合わせた雑草ネタも尽きるな…などと思いながら庭を歩いていたら足元に救世主が!

数年前、ひと株だけ土手で見つけて掘り上げ庭に移植したノビルが数倍に増殖していました。うれしい!  

ノビル(野蒜・山蒜)は史前帰化植物ではないか?との説もありますが由来のはっきりしない野草です。 ところで、この帰化植物という呼び名は慎重に扱うべきで、一般的に帰化植物というのは江戸末期以降の物流の増大に伴い「人為的に流入してきた外来種」のことを指すと思っている方が多いと思います。 しかし実際には有史以前にも国外からの動植物の流入はありましたし国境が地続きの大陸ではあたりまえに起こっているようです。

考えてみると国境の内部でも土や水が変わればそれはもう越境なのですから尺度を変えると、我々もプランターから畑へ、土手から庭へと境界線を越えて命をやりとりしているわけです。 また別の視点から考えてみると、自然界にはそもそも国境はありません。 動植物には国境という概念はなく、あるのはテリトリーだけでしょう。彼らは各々の生存戦略でただ生き合っているだけという事を踏まえて「帰化植物」を眺めてみるとまた違って見えるかもしれませんね。  

さて、ノビルの旬は春ですが通年で食べられる嬉しい奴らです。 引き抜くと鱗茎がちいさなラッキョウのように白く膨らんでいます。この部分は洗ってさっと湯通しして乾燥させると【薤白】という生薬になり現代中医学では行気薬に分類されます。「通腸散結・下気行滞」の働きがあります。 犬に噛まれた時はその汁を内服し、すりつぶしたものを外用すると良いとされています。 民間療法では滋養強壮、精力増強とされていますが実際に食べてみると葉の部分はニラ、鱗茎はニンニクのような味わいですのでなるほど説得力があります。

地下で分球したり、ムカゴで増えるノビルは草刈りなど手入れされた場所に繁殖しやすいという特性があり人の暮らす場所と相性が良かったのでしょう。 よく繁殖する植物はだいだい精が強く薬草として扱われることが多いのですが、ノビルに関しては匂いも強いので翌日に予定がある方などは心して食しましょう。

ちなみに花言葉は「タフなあなたのことが好き」だそうです。誰が考えたんや。

文章: パン長=柏原 修(日本仏教徒協会会友・パンダ整体院院長)


昭和52年生まれで2児の父親です。
北京中医薬大学提携校・東洋醫学療術専門学院 元師範講師
中医整体師・推拿整体師・レイキティーチャー
シータヒーリング基礎DNAプラクティショナー
占い師(ルーン石、タロット、オラクルカード、マヤ暦など)
【誕生日】12月21日。
同じ誕生日の人は
フランク・ザッパ(天才的音楽家)
本木雅弘(超絶男前)
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【性格】オタクです。知的好奇心のかたまり。
【好きな食べ物】茄子のてんぷら・納豆・たまご
【好きな味噌汁の具】玉子とわかめ

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