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神の使い
薔薇が咲き始めるころ、アメリカに住む友人が実家に帰る途中に、私の住む町に寄ってくれました。そして古い洋館の中の、大きなガラス張りのサンルームのような店で食事をしました。席は半円形のテーブルが窓際にあって、座ると二人とも窓の外が見渡せるようになっています。
私たちが席に着くなり黒い蝶が目の前にやってきました。しかも五匹ほど!結構激しく飛び回っています。縄張り争いなのでしょうか?窓に向かってきたりもします。ちょっと無視はできない感じです。でも久しぶりに面と向かって会った私たちはすぐに話に夢中になりました。それでも氣にしないわけにはいかないくらい飛び交っています。窓の外は大きな木のたくさんある公園を見下ろす景色で、空と緑しか見えません。友人が「窓の外は異次元のようね」と言いました。そして結局私たちが食後の珈琲を飲み終わるまで、蝶は姿を消すことなく飛んでいたのです。
その後そろそろ店を出ようかという頃、窓の外で”コンコン”と人がノックをするような音がしました。見るとクマンバチよりはるかに大きい虫がガラスにぶつかっている音でした!(上の写真はミツバチです)あれは虫の頭がぶつかった音なのか?と思うほどの大きな音で、速度も頭を二度ぶつける速さとは思えない”コンコン”でした。友人と顔を見合わせて「蜂、だよね?大きかったね」と言い合ったのです。
そして思い出しました。店で隣に座っていた二人組の女性のうちの一人が、時折「それって神の使いだと思うの!」と言ったのを。私は自分たちの会話に集中していて他の会話は全く聞こえなかったのですが、その言葉は何回も聞こえて少し氣になっていました。友人に話すと、友人もその言葉が聞こえて氣になったと言うのです。蜂は神の使いだと言われます。変容の象徴の蝶とともに激しく伝えたいことがあったのでしょうか。
そして後日、イギリスでは養蜂家が亡くなった時、巣箱をノックして蜂たちにその旨を伝えるということを知りました。国を問わず蜂界では、まずノックをして来訪を知らせるという作法が伝わっているのかもしれません。でもノック直後に去ってしまったので、肝心のメッセージは何だったのか…。
日々太陽や雲や星、鳥や虫や植物の不思議現象を目にしますが、人と共有したのは初めてだったので、きっとメッセージは二人宛だったのでしょう。
そして今これを読んで下さっている方へも、「神の使いが訪れている」という連絡かもしれませんね。変化の時であっても、大いなる存在と繋がっている、サポートされていると意識すると安心感倍増です。
では、また。ごきげんよう。
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