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1年後のコーポラティブハウス

昨年引渡しをした尾山台のコーポラティブハウス、早いもので1年が経過しました。今年に入ってから、インフィル設計を担当した4軒のうち、1軒のお宅で、壁掛けテレビ設置のために、壁をふかす工事を進めていました。

5月の連休前に工事が終わり、テレビも無事に設置できたとのことで、先週末、ご自宅に伺わせていただきました。暮らしが始まってからのお宅にお邪魔することは多くないので、ありがたい機会。家は暮らしが始まってからが本番なので、どんな風に使われているか今後の参考に、暮らしてみてのあれこれも伺っておきたいところです。

がらんどうの引渡し時。

私たち設計者は、何もないところから、住まい手であるお客様がどんな暮らし方をイメージされているかを共有し、具現化する役割を担っていますが、特にコーポラティブハウスの場合は、ルールあっての自由設計なので、提案のしかたも通常の設計業務とは一味違います。お客様との対話の中で、その方のライフスタイルを読み解きながら、短い期間内で、予算や施工条件含めて提案していきますが、今回は、設計当初からのご要望だったヘリンボーンの床材と合うようにと、自由度のあるオーダーキッチンをご提案。同じ仕上げで洗面化粧台も製作する方向へ決まっていきました。
配置や寸法、仕上げなど、大まかなイメージをお客様と決めた後、細かい機器の選定などは、キッチンメーカーさん主導で進めてもらいました。これがそのキッチン。色々と物がみえているのもまたいい感じです。

壁付けキッチンはモノが丸見えになることが敬遠されがちでもありますが、限られたLDK空間を最大限広く使うには有効で、今回は縦列4軒のうち3軒は壁付けキッチンになりました。ダイニングテーブルもキッチンメーカーさんに製作してもらい、テーブルも含めてのキッチン空間となっています。

広めのテーブルではパソコンを広げるなども可能。

窓際に置かれたジャストサイズの家具は以前から使われていたものだそうで、設計段階から明解なイメージをもたれていたことが伺えました。家具が置かれると、ぐっと空間が引き締まります。壁付けのテレビも無事につき、これからウォールシェルフを取り付けられるとのこと。デザインを生業にされているお施主様だけあって、洗練された空間がとても素敵でした。

そして、途中でお隣さん家族もおみえになりました。建設時から顔が見えるというのがコーポラの良いところですが、実際に暮らし始めてからの近所付き合いがどんな様子なのかはよくわからなかったので、良い距離感の関係性が羨ましく感じました。
コロナ禍だったこともあり担当した住戸の方以外と接する機会がなかったので、改めてご挨拶。月に一度尾山台で行なっている「コーヒーと血圧計」の話もしたところ「僕こないだ行きました」と。
失礼しました。思い出しました。ちっちゃな体で我らが看板犬のピノちゃんに怖がらず向き合っていたお嬢ちゃまでした。

月1回、タタタハウスの前で開催中の『コーヒーと血圧計』

1年点検を前に、暮らしてみて気になるところ、をじかに伺えるのも「なるほど」が色々あります。お家のことから、ペットのことへと、話ははずみ、とても楽しいひと時、設計者にとってはご褒美のような時間でした。
『コーヒーと血圧計』にもまた顔を見せてくださるとのことで、私も尾山台がまた少し近くなった気がしました。

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