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22/7 ナナニジの“希望ちゃん”こと望月りのがもたらした希望とは何か

デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)の2期生にあたる後輩メンバーが2022年2月27日にお披露目されてから、もうすぐ丸2年となる。先日、2021年12月11日の加入日に対して2周年を祝う投稿が公式Xよりされていたが、ファンにとってみれば2/27こそ2周年を実感する日なのではないだろうか。

人見知り集団と言われた11人のオリジナルメンバーから5人+途中加入の河瀬詩が残り、そこにどこか毛色の違う8人が加わった。明るくてコミュニケーションに積極的なメンバーが増え、それによってグループ内には様々な化学反応が巻き起こった。

その8人の中でも、お披露目時から元気の良さを見せつけ一際目立っていたのが望月りのである。それまでのナナニジのイメージを覆すかのような、アイドルらしさ全開のキャラクターの登場には驚かされたが、筆者はすぐに彼女の魅力に惹かれていき、新体制のナナニジを応援するモチベーションとしてどんどん大きな存在となっていった。

彼女ら後輩メンバーの最初の参加となった9thシングル、その表題曲である「曇り空の向こうは晴れている」での望月の担当するセリフに由来して、彼女は“希望ちゃん”と呼ばれるようになり、通り名として現在も認識されている。彼女がグループ内外に何らかの希望を実際にもたらしているからこそ、その名は定着していると見ていいだろう。それでは、具体的に彼女はどんな希望を我々に見せてきたのだろうか。彼女のX(Twitter)での投稿を見ながら振り返っていきたい。

なごりのち

あの西條和が!である。
反復横跳びの回数を数えている望月の隣に腰を下ろす西條。レッスン場ではいつも隅に一人でいるような、そんなそれまでの西條では考えられなかったような挙動が衝撃的だった。

なごりのち。新しい何かを予感させる二人。ナナニジ新体制の象徴となることを予感させる二人。これはまさに“希望”だった。もちろん、現在進行系での希望でもある。

望月は先輩メンバーとの初対面からわずかな日数で西條と仲良しになれたという。西條の性格を過去のラジオ等のメディアから知り、理解したうえで話しかけたのが功を奏したらしい。

望月と仲良くなれた理由について西條は『ナナニジRADIO』#64にて「りのちゃんの明るさは、独りよがりな明るさじゃないから」「周りの人を含めて明るくしてくれる」と語っている。ファンの多くもきっと同じように感じているだろう。無邪気な明るさとはちょっと違う。個人的な印象で言わせてもらうと、根っからの“陽キャ”ではない。相手のことを思い、気持ちに寄り添える、ピュアな優しさをもって人と接している様子がうかがえる。

西條の心の扉を優しくノックした望月に、他の後輩メンバーたちも追随していった。そして今では、西條×後輩のイチャイチャが当たり前の光景になっている。以前の西條を知る者ならば、後輩と密着して満面の笑みを浮かべるその姿にエモさを感じずにはいられないだろう。西條のこの変化もまた“希望”である。

22/7、衝撃的な歌詞が刺さる新作。14人で描く世界とは?新メンバー加入で起きた“ナナニジ”の変化

↑当時のナナニジのポジティブな様子や、西條と後輩メンバーの関係性などが伝わってくるインタビュー記事。後述する「ナナニジを国民的アイドルにしたい」という望月の思いも語られている。今改めて読み返しても泣ける内容だ。

まいにちりのちーず

全曲披露という激務を行った「ANNIVERSARY LIVE 2022」(10月22〜23日)を終えると、グループとしては小休止モードに入った。そのタイミングで行われたのが、11月のSHOWROOM毎日配信である。

始める動機から終えてみての気持ちまで、すべてはこちらのブログに綴られている。

【22/7 オフィシャルブログ】\🍑まいにちりのちーず🍑完走/✧︎*。(望月りの)

ナナニジを大きくするために自分に何が出来るか考え、実行しやり遂げた。自筆の手紙にも書かれているように、この1ヶ月で何かが爆発的に変わったわけではないが、グループをプラスの方向へと導けたのだということは信じたいものである。

活動休止、そして復帰

2023年3月7日、体調不良の療養のための活動休止が突如発表された。詳しい病状は語られていないが、心身の疲労が周囲も本人も気付かないうちにピークに達していたのではないだろうか。元気の塊のようだった存在がこのような事になってしまうとは、実にショッキングな事態であった。

筆者の推しである宮瀬玲奈が卒業を控えていた時期である。卒業コンサートをメンバー全員参加で迎えたい、何とか間に合ってほしいと祈るような思いで過ごしていた。そして……無事に帰ってきてくれた!

結果論ではあるが、この活動休止は望月のアイドル人生にとって大切なリフレッシュ期間となったように思う。この後の『ナナニジ夏祭り2023』以降の、以前よりさらにスケールアップした活躍ぶりを見ていて、次第にそう考えられるようになった。

希望ちゃんに託された夢

ナナニジ夏祭り2023 白沢かなえ卒業スペシャル
東京ドームに立ちたかった、国民的アイドルになりたかったという夢と、それを表に出せない自らの弱さを語った白沢。継続的に「ナナニジを国民的アイドルにしたい」と発信し、そのために何ができるかを探求し続けてきた望月。志は同じ。ただ、やはり発信できる者の強さと尊さを感じずにはいられなかった。

望月のこの投稿には、それまでの彼女の発信の積み重ねがあったからこその強さや重みがある。そしてそれは、多くの人の心を震わせる力となる。

“希望ちゃん”の名付け親でもある白沢から本人へ、夢が託されるという形が生まれた。偶然か。いや、これは何か必然性があるのかもしれない。

夢へのスタートダッシュ

ANNIVERSARY LIVE 2023
白沢かなえの発言が生んだ熱が、こんな形にまで発展するとは思いもしなかった。望月による「りのちーず会議」も、あの熱を一過性のものにさせない効果があったに違いない。

新たな記念日となるかもしれない11/7。グループとして夢に向かい走り出した日。

「夢は!東京ドーム!」
このセリフを当然のごとく任される望月。
そこに天城サリーが乗っかかり「目指そうよ!」という流れはあまりにエモい。

謎の力

2023年8月末日をもって雨夜音が、11月末日をもって清井美那が22/7の活動を終了することとなった。後輩メンバーがこんなにも早く抜けてしまうという想定外の事態はあまりにショッキングな出来事であり、受け入れ難いものがあった。

清井と望月のコンビといえば「謎の力」。後輩メンバーきっての元気娘2人がセリフを担当するという、ナナニジの新時代の到来を感じさせる楽曲だ。ライブの盛り上がり定番曲として定着しようとしていた、その矢先にまさかの展開が訪れた。
ポジティブエネルギー全開のこの曲に、このままでは悲しい記憶が残ってしまう。それは嫌だと落ち込んでいたとき、望月のこの投稿に筆者の心は救われた。清井の明るさもパワフルさも全て背負ってパフォーマンスしてみせる。まるでそんなメッセージが込められているかのように思わせる、まさに「謎の力」に満ちた内容に涙するしかなかった。

清井は加入当初から東京ドーム公演の夢を掲げていたメンバーでもある。悲しいが、ここにも力強い魂の継承がある。

主人公

Character's Theater 2023』第1部「Pieces of Memory」は、彼女の担当するキャラクター・瀬良穂乃花が主人公のようなポジションで描かれた内容で、穂乃花の主人公的特性が生かされたエモーショナルなストーリーだった。

後輩メンバーの担当キャラは、リアルメンバー側のパーソナリティを強く反映させたものとなっているわけで、つまり望月にも物語の主人公的特性があると言えるだろう。

彼女自身が『プリキュア』好きというのもあって、女児向けアニメの主人公のようだとはよく言われている気がするが、彼女の主人公要素はそこだけに留まらないと筆者は感じている。物語の主人公が持っているもの、それは周りを巻き込む力である。望月の高い行動力はポジティブなエネルギーを常に生み出していて、メンバーやファンをたびたび巻き込み、ナナニジの新たな歴史を形作ってきた。

(心閉ざす少女・西條和を明るい場所へと導いた望月りのは、筆者には何かの主人公にしか見えなかった。)

【22/7 オフィシャルブログ】2023♡お砂糖よりも甘い愛をありがとう♡(望月りの)

『ANNIVERSARY LIVE 2023』と『Character's Theater 2023』にかけた自身の思いはこちらのブログに濃密に綴られている。筆者がなぜ彼女に魅了され、なぜ彼女を推しているのかの答えが凝縮されたような内容だった。

ナナニジというコンテンツに長らく希薄だった“演技”の要素。それが少しずつ戻ってきている今、彼女も演技というものへの思いを高めているのが実に熱い。

ヒーローガールがもたらす希望の力

最近では“希望ちゃん”に加え“ヒーローガール”という呼び名も定着してきた(由来はもちろん『ひろがるスカイ!プリキュア』より)。

先日出演した『iLiVE!バレンタイン』ではまさにその名に相応しい活躍をしたと聞いている。
ナナニジのヒーローガールはこれからも我々に希望をもたらし続けてくれる。そんな確信がまた生まれたのであった。

そんな彼女の輝きが今後も曇ることのないよう、これからも精一杯応援していきたい。
2周年、おめでとう。

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