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#ヨソドラ【バファローズ陣営】指名について

ARAさんからのお誘いで参加させていただくことになった#ヨソドラ。仮想ドラフトは以前、Kyoheiさん主催の#熱ドラでスワローズ陣営として参加しましたが、オリックス・バファローズ陣営としては初の参加となります。実施に際して、労さん(@nattsu_Bs)、でぃーださん(@Dee_bbyS)の2人のサポーターさんにご協力いただきながら進めておりました。

オリックスはここ5年間で支配下の選手だけで39人を獲得、育成指名でも20人を獲得しています。特に2019年は育成で8選手を指名。ドラフト後、3軍構想が発表され、球団関係者談話ではありますが、記事では次のように書かれています。

球団は来秋ドラフトでも育成選手を大量指名する見込み。「育成8選手が入ってくるので、試合ができる。育成選手にも活躍の機会を与えて、より競争心を持ってもらいたい。そうしないと選手も伸びていかない」と球団関係者は言う。

一方で、支配下での指名は2015年から年々減少し、19年はここ5年間で最も少ない5人に終わりました。今年は18年育成1位の漆原投手、19年育成6位の大下選手が支配下登録されるなど、育成出身選手が台頭しつつある点はプラス材料です。

本年についてもスカウト会議での結果が次のように報じられました。

約2時間の会議では全体の人数を30~40人に絞り込んだ。

支配下での候補30-40人はかなり少なく、支配下で5人程度の指名を行い育成で三軍を設立するための選手を6名〜8名獲得するのではないかと考えられます。

各ポジションごとの戦略分析につきましてはスプレッドシートに記載しておりますのでご参照ください。

スカウト分析というものも載せているので、もし興味のある方は是非!笑

1.指名構想

さて、#ヨソドラは10/19の夜にスタートし、10/23までの5日間かけてじっくりと行われました。従来行われてきた仮想ドラフトと異なり、各球団の戦略分析をスプレッドシートで確認しながら参加者全員でドラフトの予想を作るというものです。

まず陣営内の会議で、今回のドラフトはオリックスにとってどんな位置づけにあるかという話をしました。その結果、次の目的でオリックスは本ドラフトに臨むだろうと考えました。

本ドラフトは、打の中心である吉田正尚選手がFA権を取得する3年後に優勝するための選手を獲得するためのドラフト会議である。

実際、昨オフの福良GMのインタビューで何年先をイメージしているんですかという問いに次のように答えています。

高校生の野手には3年で出てきてほしいと思っています。ピッチャーもそうですね。(山本)由伸は早く出てきてくれましたけど、今は3年後にいいチームをつくるというイメージで編成に取り組んでいます。

指名の構想として、最優先に獲得したかったのは京セラドームを本拠地として20本塁打を打てるスラッガー候補。本塁打数リーグ最下位、OPSは唯一の.700未満と長打の少なさが目につくオリックスにとって、吉田正尚選手・T岡田選手に次ぐスラッガーの獲得は必須でした。ポジションについては指名打者制を敷くパリーグであるがゆえ拘る必要がなく、吉田選手のFA権取得が順当に行けば3年後ということもあり年齢もそこまで重視せず、とにかくスラッガーをと考えました。

勿論一番手に挙がるのは佐藤輝明選手(近畿大)で、陣営内で会議をスタートした2日後に福良GMが一位指名を明言しました。

野手No.1という高い評価で、守備位置も三塁と今のオリックスでレギュラー不在のポジションなのもマッチしています。

年齢デプスを見た時に、今回のドラフトで次に優先順位を高くしていたのが先発左腕

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今年は田嶋投手、山﨑福也投手が台頭しアルバース投手含めて3人の左腕が一軍ローテーションに入り、昨年ドラフト1位の宮城投手も一軍先発登板を果たし一見すると盤石に見えます。しかし、22歳以下の選手では支配下の宮城投手(18)と育成の佐藤投手(18)の2人しかおらず、二軍で先発している左腕も宮城投手・富山投手ぐらいで3年後にどうなっているか危ぶまれる状況です。田嶋・山﨑の二投手もシーズン通して通年活躍できたのは今年が初めてで、来年も同じだけの質を維持できるかは未知数です。宮城投手はまだ高卒一年目で彼の負担も少なくしたいことから、質の高い先発左腕候補が多くいる本年は大社で即戦力の確保をすべきだと考えました。

もう一つ、必ず獲得しておきたかったのは高卒捕手です。伏見選手がアキレス腱断裂という大怪我から復帰し多くのマスクを被っている点はプラス要素ですが、怪我明けという不安は拭えません。若月選手も開幕後は調子の良かった打撃がシーズン中盤から陰り、9月以降は伏見選手に正捕手の座を譲る形になってしまいました。そして第3捕手の松井雅人選手はFA権を取得しており、Cランクであることから今オフはチームを離れてしまうリスクを抱えています。二軍を見ても頓宮選手は怪我がちで計算が立たず、育成のフェリペ選手・稲富選手も打撃面で打率.200前後の低空飛行を続けています。支配下で頓宮選手より若い選手がおらず、3年後の正捕手争いに名乗りを上げるような高卒捕手の獲得を本ドラフトで行い、二軍の正捕手として1シーズン任せるというのが狙いです。

ここまでのことは僭越ながら出稿させていただいたこちらの記事でも書いた内容となっています。

オリックスはシーズン通して、中堅・一塁・三塁・指名打者と多くのポジションでレギュラーを欠いていました。これら全てを補うのは一回のドラフトでは当然不可能で、優先順位をつけて指名を考えて本番に臨んでいます。また、一塁手は新外国人獲得を内心見込んでいます笑。

さて、指名編に移りましょう。

2.#ヨソドラ指名リスト

昨日で支配下選手の指名が終わりました。結果はこちら。

さて、早速各選手の指名理由と指名に至る背景を書いていきたいと思います。

2-1.一位 佐藤輝明→西川僚祐

一位は球団が既に明言していた佐藤輝明選手(近畿大)を内野手として指名しました。ここの理由は言うまでもなく今ドラフトでのNo.1野手で、京セラ本拠地でも20本を狙えるだけの打球角度と飛距離を出せる選手だからです。指名打者制をしくパリーグでは特に打力を重視すべきと考えての指名でした。

西武、ホークス、巨人、阪神と5球団での抽選となり残念ながらオリックスは外れ。問題は外れ一位です。この時点で指名されていたのは栗林、早川、牧、高橋、佐藤の5人でした。陣営内でも外れ一位をどうするかは議論が重ねられており、伊藤大海投手(苫小牧駒沢大)クラスが残らなければ路線は変えずにスラッガー候補の西川僚祐選手(東海大相模)にいこうと決めていました

問題は本当に伊藤投手が残ってしまったところで悩みましたが、①先発右腕は枚数が比較的揃っており優先順位が低いこと ②再度競合し外れ外れで西川選手が残らないor再競合したくない ③北海道出身選手の獲得は14年齋藤投手まで遡らないといけない、という三つの理由から西川選手に行きました。

特に巨人は東海大系列校との繋がりが深く、一位佐藤選手で行ったことからもパワーヒッター獲得を優先しているだろうと考え、外れ一位で伊藤選手に集中する中で掻っ攫うことを目論みました。

結果的に伊藤選手への競合は二球団にとどまりましたが、パワーヒッター候補として陣営内で挙げていた今川優馬選手(JFE東日本)が楽天の外れ一位で消え、オリックス陣営は西川選手が確保できていたことで胸を撫で下ろしたのでした。

2-2.二位 伊藤将司

13番目の選手と言われるように二位の先頭での指名はよりどりみどりなのですが、ここでは今年豊作な先発左腕の獲得を図りました。指名したのは伊藤将司投手(JR東日本)。

同じ左腕の鈴木昭汰選手(法政大)、山野太一選手(東北福祉大)、高田琢登選手(静岡商)らと比較し、完成度の高さとイニングを1年目から消化できる先発左腕として最大の評価をしていた伊藤選手にしました。予想のため今回特に重視していた経歴面は、横浜高→国際武道大→JR東日本。オリックスは現在、武大OB3人、JR東日本OBは縞田スカウト含めると4人を抱えており、極めてパイプの強い選手が伊藤選手です。特にJR東日本からは吉田一将投手と田嶋投手がともに一位で指名されており、共にチームを支えているように完成度の高い投手を輩出してくれる安心感があります。

同級生の石井投手はコメントも出しているので、伊藤投手も当然マークはしていると考えられます。

年齢チャート上、高卒〜大卒の方が大きな空白地帯となっているため特に大卒の鈴木投手・山野投手の2人と悩みましたが、田嶋投手と同い年で同じJR東日本出身の選手で競い合わせることで両者にプラスになるのではないかと思いました。3巡目が回ってくるまでの22人に伊藤選手はほぼ確実に入ってくるので、同一リーグの他チームに取られて一番嫌なのは誰かと考えた時に、イニングイーターの役割ができる球種多彩な左腕の伊藤投手だったのが最後の一押しです。その後、三巡目が回ってきた時には先に挙げた山野・鈴木・高田の3人に加え森浦投手(天理大)も指名されており、ここでも全体の読みはできていたかなぁと思っています。

2-3.三位 関本勇輔

三位では元阪神の父を持つ地元履正社出身の関本勇輔選手を選択しました。この順位で高卒捕手を指名することは既定路線で、問題は誰にするかでした。打撃型捕手は牧原選手(日大藤沢)・二俣選手(磐田東)・釣選手(京都国際)と多い一方、守備面でも早々に二軍のマスクを被れそうな選手は攻守にバランスの取れた関本選手しかいないのではと考えた結果です。甲子園の代替試合では2安打に加えて守備でも3イニング連続で盗塁を阻止、岩崎投手をリードし強打の星稜打線を1失点に抑えるなど攻守に優れたところを存分に見せてくれました。

違う視点からは、北京五輪のソフトボール女子で上野由岐子氏とバッテリーを組んでいた乾絵美氏がメインで関西〜東海地区の捕手を見ています。女性初のプロ野球スカウトという話題性は本社にとってもプラスに働くので、オリックスとしては乾スカウトが推薦する選手を獲得する可能性が高いと勝手に考えています。関本選手は6月25日の日刊スポーツで次のように語ります。

父からは『プロを目指す以上、強い意志を持たなければいけない』と。父も高校からプロに行っている。同じ舞台に早く立ちたい

プロへの強い拘りは好感度高いです。

※なお、ここまで書いたところで次の記事が発信され白目を剥きました笑

これは二俣選手に行くのかなぁ、と。打撃型は伏見選手・頓宮捕手といるだけに守備寄りの選手に動くと予想したのですが難しいですね。松井雅人選手の引き留めが上手く行く公算が立っていたりするのかも?答え合わせはこのオフですね。

2-4.四位 小野大夏

四位は高卒社会人の小野大夏投手(Honda)を指名しました。直近5年間で16年山岡、17年田嶋、18年荒西(8年在籍)・富山と4人の高卒社会人を指名し今年はいずれも一軍で10試合以上登板し投手陣を支えています。大卒投手より若く、小野投手は1年目から日本選手権という大舞台のマウンドも踏んでおり、一位で指名されていった大卒投手に負けずとも劣らない高いスペックの投手です。177/80と体格的にもオリックス好みと言えます。

この四位は陣営内でどうするかかなり頭を悩ませました。佐藤輝明選手を外したことで西川・関本と高卒野手2人となり、大卒・社卒の打力のある野手の獲得も現状のオリックスには必要なピースだったからです。さらに、福良GMのこのコメントが候補を狭めています。

ピッチャーに関してはこれまでどおり、社会人出身の選手も獲りますけど、野手に関しては高校生を中心に、大学生までという方針でいこうと考えています。

https://sportiva.shueisha.co.jp/smart/clm/baseball/npb/2020/02/18/gm___split/

この記事を元に逢沢崚介選手(トヨタ)や向山基生選手(NTT東)といった打力のある社会人野手はリスト外なのではないかと推察し、社卒野手は獲らないという判断を下しました(本塁打を打てるスラッガー候補の今川選手だけは例外的に考えていましたが)。大卒野手だと若林楽人選手(駒沢大、オリックスにOB多数)を最優先に考えており、ほかの大学生野手が両翼・三塁だったこともあり、彼を四位で指名すべきかは本当に悩みました。

ただ、速球派リリーフは必須の項目で、高卒社会人というフレッシュさ、平均した球の速さ、決め球としてのスプリットは魅力的で、将来のクローザー候補に十分なり得る小野選手を優先しました。スカウトでは新任の早川氏がHonda出身で、それも一つ理由に挙げています。

そして、若林選手にいくなら先に挙げた逢沢・向山の両選手に他球団は行くと考えていました。五位で若林選手を指名して、六位高卒投手のリスト内選手がいれば指名して終了。そんな未来を描いてウキウキで終えたのが4位指名でした。

2-5.五位 小林樹斗

さて、迎えた五巡目。なんと、若林選手がいません!!!

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中日の4位で指名されてしまいました。行くなら地元トヨタの逢沢選手だと読んでいただけに大層びっくりしました。当然、陣営は大慌てで会議することに。あの時はすみませんでした…。

冷静に考えると、ホームランが打ててセンターを守れる選手が今年は少なく、四年秋に猛アピールをした若林選手の評価は大きく上がる可能性がありますよね。

この時点で陣営内で会議し野手のリストは次のようになりました。

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が、高卒野手3人はいくらなんでも博打が過ぎるし、オリックスが今年やるとは思えない。太田宜保紅林とコアになりうる高卒野手を既に2年で確保し、彼らの能力最大化には歳上の壁となる選手が必要だと考えました。しかし問題はこのドラフトが「予想」であること。上に挙げた大卒選手が30ー40人という少ないリストに入っているのか?という問いは重いものでした。

残っている選手を見た時、加藤翼投手、小林樹斗投手、松本龍之介投手が残っていたので先発候補として高卒投手の繰り上げに方針転換。加藤選手は指名されたものの、その他選手は残っている状態で迎えた五巡目。選んだのは小林樹斗投手(智弁和歌山)でした。

牧田副編成部長、下山スカウトと2人からコメントがあり、2年時から甲子園を沸かせるピッチングを見せてきた小林投手。

フォーシームで空振りが取れ、振り遅れが目立つ質の高さはここ数年の中位で獲得してきた高卒右腕の系譜を受け継いでいます。今年になって最速152kmと自己最速を出した点も、休みの間の取り組みが実った結果として考えれば素晴らしいと思います。1試合投げ抜く体力はついており、1年間二軍でじっくりと取り組み、変化球の精度を高めることができれば右の小林、左の宮城と若い先発で将来ローテ入りする未来も見えてきます。

2-6.六位 タイシンガー・ブランドン大河

まず、六位を指名するかは若林選手の代わりの五位をどうするかと同じぐらい悩みました。30から40人という少ないリストアップでは十二球団が指名していく中で大半は5位までに消え、現実的に五巡目で終了の可能性が高いからです。

しかし、もしオリックスが実際に高卒野手2人指名して五位を迎えたときに予定していた選手がいなかったらどうするか。そんな仮定をしてみると、今年の野手候補の中ではスラッガータイプが比較的多く、三塁も一塁もレギュラー不在で二軍でも定位置が空いている状況を見てポスト佐藤輝明を指名するのではないか。そう考えた結果、六位にはタイシンガー・ブランドン大河選手(東農大オホーツク)を指名しました。

なお、混乱を極めた私の発言はこんな感じです。

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少ないリストに彼が入っているかはわかりませんが(というか他の候補も分からないんですが笑)、沖縄の高校出身者はここ2年で宜保、宮城と2年連続で指名していること、北海道には新任の佐藤真一スカウトが就任しパイプ作りになること、そして何よりこの秋首位打者を獲得した実力から指名を決めました。また、投手の経験もあり、オリックスでは近年根本選手や張選手、佐野選手のようにアスリート型の投打に優れた選手を指名してきた実績もあります。

3.まとめ

以上が今回参加させていただいた#ヨソドラのオリックス・バファローズ陣営の指名予想です。当てることを目的に戦力分析、ドラフト傾向、スカウトに至るまで調べた結果なので、結果が出て全ハズレであっても気持ちよく眺められると思います笑

もっとも誰を指名したか、より、なぜ指名したかがこのヨソドラでは重視されているのだと思います。高卒捕手ならなぜ関本選手なのか、実際は誰になるのか、そんなところまで思慮を行き届かせながら予想する作業はとても面白かったです。

週明け月曜日はドラフト会議本番ですね。今回の予想との合致よりズレが楽しみで、今年は例年以上に担当スカウトのコメントやGMのコメントが楽しみです。

今回の#ヨソドラを主宰されたARAさん(@arai_san_28)、お誘いいただき本当にありがとうございました。参加者の皆さまも分析凄すぎて、今回のドラフト前に全球団目を通しています。そして、支えてくれたでぃーださん、労さん、終盤になるにつれグダってすみません、2週間長本当にありがとうございました!!



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