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ブーツを履いた女医(街の強キャラシリーズ)

その眼科医院は建物が古く、昭和の雰囲気を醸し出している。
あまり大きくないその医院はいつも混んでいる。
特にその先生がいる、月曜日と火曜日は。

待合室から中に案内されると、ワンフロアの中に視力検査表や眼圧測定装置などさまざまな機械があり、そこに担当のスタッフがいる。
10名ほどのスタッフがそれぞれ患者の検査を受け持っている。
ここも人でいっぱいだ。

そして、一通り検査を受け終えて、奥にいる先生の元へ行くと。
小さい机が3辺にコの字型に並べられ椅子も3つ用意されている。
それぞれに患者が座り、真ん中に、回転する椅子に座った先生がいて、順番に診ていく。
1人終わるとまた次の患者が案内され、先生はくるくる周りながらエンドレスに診察を続ける。

その先生は、ヒールの高いブーツに細身のスキニージーンズ、黒のニットセーターを着て白衣を羽織った、茶髪ゆるふわパーマのギャルだ。
年齢はわからない。浜崎あゆみ全盛期の頃にギャルだった人がまだその名残を残しているような。
ともかく、あゆが最終決定をしている。スッタフから患者さんの検査の報告を受けて、自分でも机に乗っている機械やペンライトを当てたりして検査をする。そして患者さんとコミニュケーションをとっている。

他人の症状など丸聞こえなのだが、この仕組みはいいものか?と思うがみんなあんまり気にしてなさそうだ。
私の前に診察されていたおばあちゃんは「次来た時、手術しましょう。任せて。」と言われていた。敬語とタメ口が混ざったギャル特有の嫌味のない軽い感じで。しかも自信満々に。

私はその時、飛蚊症がひどくなり(以前から黒い点が浮いているよう見える飛蚊症という症状があった)それに加え目の端に光を感じるようになっていた。網膜剥離ではないか?と思い、やって来た。
あゆ先生に診てもらう。「うん、大丈夫。網膜剥離じゃないですね。目の光は半年もすればなくなると思います。」
そして、半年たった今、確かに目の光は解消された。
新しい眼鏡を作り、よく見えるし飛蚊症も薄くなった。

もうなんだかあの自信満々の感じは、漫画だったら何かの能力者のようだ。(ジョジョだったらスタンド使い)
自分の仕事に自信を持っていて、好きな格好をしているのがかっこいいと思った。

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