顔論1

Ugly 正直言って私の顔は
そう神様が左手で描いたみたい
必然 この世にあるラブソングはどれひとつ
絶対 私向けなんかじゃないでしょう

ギラギラ Ado
作詞 てにをは

就職して。
しばらくした時。

年下の男の先輩が。
スマホを見せてきた。

ユニーさん。
これ知ってます?

チーズ牛丼特盛りの。
あの顔の画像だった。

これ見てどう思います?

いや〜。う〜ん。
わかんないですね〜。
と言葉を濁したけど。

やはりそうだった。
私に顔が似ている。
と言いたいのだ。


その後。みんなからも。
ニヤニヤした視線を受ける。

私は敏感だから。
そういうのは。すぐにわかる。

また。こうやって。
馬鹿にされるのか。
大人になっても・・・。

その後。コロナが流行って。
みんながマスクをするようになって。
顔を隠せるようになったのは。
よかった。

(コロナがよかったのではなく。
顔を隠せるようになったのがよかった。)


学生の頃は。
オタクという言葉で。
馬鹿にされていたけど。

今はオタクという言葉じゃ。
馬鹿にできなくなり。

チー牛という言葉で。
馬鹿にしだした。

そういう存在を作る事で。
自分はあいつらよりマシ。
と思いたいのだろう。


そして私は。
あのチー牛の画像のような。
顔をしている。

ああ俺じゃん。
勘弁してよ。
恥ずかしいよ。

なんでこんな事に。
なるんだよ。

指名手配じゃん。
見つかったら笑われる。

別にそんな。
嫌な顔じゃないじゃん。
普通の顔じゃん。

でもみんなは。
この顔に嫌悪感を抱くの?
この顔がおかしいの?


ああ。スマホの画像を。
見せてきて。その後。
馬鹿にしてきた彼に。

君の顔も大概だぜ。
と返してやればよかったぜ。

でも私は。
人の顔を馬鹿にする事は。
したくないから言わないぜ。


特に学生時代は。
ひどい言葉を浴びた。

気持ち悪い。とか。
笑顔が気持ち悪い。とか。
殴りたくなる。とか。
俺だったら自殺する。とか。

勝手に写真を撮られて。
大喜利のお題にされていた。

今だったら。
ネットに上げられてたかな。


ありがとう。

俺はもう顔を出さないし。
マスクをし続けるし。
誰にも会わないよ。

ありがとう。

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