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・きょうだいに会ふ靖国の五月祭 姫


5月20日は1944年、フィリピン・レイテ島沖で戦死した夫の兄の命日だ。
長年、同日に開かれる永代神楽祭に 参列したことがなかったが昨年、関東圏に住む2人の義妹に誘われてデビューした。

彼女たちと会うのも11年ぶりだった。
荘厳な儀式を観たいと、義妹の友人たちも参列した。

確かに儀式も佇まいも、一見の価値はある。
要人たちの参拝は義理のようで、賛成できないが、離れている家族が一堂に会する機会と思えばいいのかも?


少しだが、弔慰金も頂いている身だ。
回廊を進み、本殿へ。

祝詞は、本日参列できなかった遺族の霊の名も詠みあげるので、15分以上かかる。
なぜか我が家族全員が、義兄の名前だけ聴こえたようだ。

献撰、祝詞、雅楽・巫女の神楽舞、玉串奉奠、直会と古式ゆかしく執り行われ、40分ほどで儀式は終わった。

義兄の遺影は、併設の博物館「遊就館」内にある。ぎっしり貼られた写真の中から探し出して黙祷。
特別展「兵食」を観て、苦労を偲んだ。

夫の母校が靖国のすぐ近くにあり、聳えるビル校舎が境内からよく見える。
夫は在京時に一度も参拝したことがないという。

博物館フェチの私は数年前、参拝抜きで訪れ、国策ドキュメンタリー映画を2本観た。
零戦は亡父がエンジン開発に関わっていたので、思い入れがある。


セレモニー後は、飯田橋近くの居酒屋で、義妹と飲んだ。
よく飲む家系なので、話が弾む。
アジフライ、ホイコウロー、サラダ、山菜天ぷら、しらす丼などを注文。
美味しくて安い。いい店だ。

さて、東北新幹線に乗る。今夜の宿は、宇都宮駅直結のホテルメッツ。
20:00過ぎにチェックインした。
名物の餃子でいっぱい、と思ったが、ほとんどの店が20:00〜21:00の閉店という。

よく探せばあるかもしれないが、お腹も満ちているので、早寝することにした。

翌日の朝食ビュッフェで2個食べたので、まっいいか!

浴衣の昼真顔で祈るエトランゼ

神楽笛一瞬静止青葉風 

神饌にパインの砲丸靖国社 

大胆な巫女のポーズや夏神楽 

禰宜の押す車椅子初夏の回廊 

和にこだわる社の厠薄暑光 


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