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・短夜や二十時に眠る宇都宮 姫


(東京・宇都宮・日光4泊5日の旅 その2)

茨城県は夫の故郷だ。未知の同県を攻略しようと昨年、夫の親友たちにお願いして、北部の五浦、日立、水戸を回った。

今年は彼らの都合が悪く、自力で、と計画したが、同県は東西南北の距離が長く、交通不便。さらにガイドブックも自動車中心なので、
とりあえず諦めた。

ならば、隣の栃木県はどうか?
那須と東照宮には行ったことがあるが、ゆっくり行くのも悪くないね。

という訳で、比較的交通便利な同県へ。
東京〜宇都宮〜日光〜奥日光〜宇都宮〜東京のプランを立てた。


宇都宮餃子を食べ損ねた2日目は、同市の北部にある、特産の大谷石関連のスポットへ。
以前、映画仲間がFacebookに載せた記事を見て、訪れたいと思っていた。

インフォメーションのアドバイスで、タクシーをチャーターし、大谷資料館と大谷寺、平和観音などを見物した。

大谷石の地下採掘場跡にある資料館は、古代の神殿のような荘厳さと、自然がもたらす神秘を
感じさせる異次元世界だ。

地底まで降りられるが、相当深いので、上から一望しただけ。
日立銅山で育った夫は興味津々のようだ。


大谷寺へ。弘法大師が開祖。
堂内にある10体の摩崖仏は、全て重要文化財だ。

なかでも千手観音は拝観した途端、涙が溢れた。
後でパンフを見たら、シルクロード由来とか。アフガンのバーミヤンの僧が日本で彫ったらしい。

私はシルクロードの勉強をしており、彼の地の仏の写真を見る機会が度々あるので、既視感もあって、こみ上げてきたのかも?


近くの平和観音も壮大で、見応えがある。
1954年、著名な彫刻家により完成された。

道中、大谷石の蔵や銀行が点在し、建築物の好きな私は、楽しくて仕方がない。

街中にあるカトリック教会も気になっていたが、ドライバーが「大したことない」というのでそのまま日光まで走ってもらう。(続く)

名物の餃子に疎まれ明易し 

宇都宮餃子食めずに五月尽 

緑さすかくも優しき磨崖仏 

磨崖仏の瞳に射られ薄暑光 

磨崖仏にシルクロードの風薫る 

観音の千手もがれて青嵐 

観音の欠けし手の数木下闇 

絹の道由来の石仏聖五月 










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