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・菊花は天守を天守は菊花を賞でしかな


うわー、外国人が多い。
平日だから空いているだろう、は大間違い。
西洋東洋を問わず、彼らであふれている。

7、8年前だろうか?
死期を悟った友人のリクエストで、仲間と工期半ばの名古屋城本丸御殿(1部公開中)と、天守閣などを訪れた。
その時点で、御殿の凄さが分かった。

友人は半月後に、大満足して旅立った。


今回は、5年前に完成した御殿を観るたに来た。
流石に、かつて観たことのある佐賀城、熊本城の御殿よりスケールが大きい。

何しろ、玄関から上洛殿まで、廊下が果てしなく続く。
夫は歩きすぎて、足が痛い、という。

玄関には金地の竹、虎、豹の障壁画が。
足を踏み入れたとたん、余りの豪華さに息を呑む。

江戸初期に完成した書院造の様式美。
現代の匠の技。
格天井の板絵、欄間、飾り金具、障壁画などをみごとに復元した。
13あるどの部屋も、一見の価値がある。


三名城といわれる熊本城、大坂城、名古屋城。
天守閣の木造復元が進められている名古屋城だが、国宝第1号の復元だけに、このままでも十分美しい。

天守閣の木造復元では、掛川城を訪れたことがある。
悪くはないが、現存の名古屋城を壊してまで造る必要はない。
エレベーターもなくなるのだから、弱者は困る。


天守閣を臨む位置に、菊花展が開かれていた。
昭和の匂いがする。
華麗でありながら、懐かしい。

初時雨がぽつぽつ。
正門からタクシーで地下鉄に向かった。
ランチは「そじ坊」で、天ざる。
そば好きの夫はおいしいを、連発した。

名城やこのままがよし冬ぬくし 

冬の城戦の痕跡見当たらず 

石垣の巨石の出自冬の城 

異邦人本丸御殿埋む冬うらら 

まず虎の図の絢爛や冬の城 

上洛殿へ冷たき廊下果てもなし 

冬麗の本丸御殿無窮かな 


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