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不登校ガールの母になって思うこと

娘が週に1回、特に月曜日休みたがるようになり約1ヶ月、ついに週に2,3日休むようになり、今週は1日も学校に行かなかった。まぁ俗にいう不登校児デビューを果たした。と同時に私は不登校ガールの母になった。ひとり親で、娘は一人っ子、周りに身内もいない環境。非難されるのはもちろん娘ではなく母親である私だ。

非難されることは想定内だったが、そのレベルは想定の範囲外。というか、実際に非難されたときの心的ダメージは想像を絶するものだった。

まず、前日の夜に「明日は学校行けるかな…」「明日の朝は学校行けるといいな」という娘の呪文を延々30分ほど聞かされる。そして「まぁ行けそうだったら行けるように準備だけしとこうか」という話をしながらランドセルの整理をする。出てくるのは100点満点のテストによくできましたとスタンプの押されたドリル。勉強面で困ってはいないようだ。(実際先生も勉強が原因ではないと思うのですが…と言っていたし)夜は8時過ぎに就寝し相変わらず朝6時に起床する規則正しい生活を送っている。

起床後、何食わぬ顔で朝ごはんを食べ、検温をする。ほぼ平熱、たまに嘘をつくが我が家の体温計は履歴が残るので嘘をついたことを懇々と私は叱り、同時に嘘をつくほど休みたいのかと思い、学校に電話をする。「今日も行けないと本人が言っています」もうそれしか言うことはない。電話をかわってほしいだとか、放課後に少しだけ学校に来て先生と勉強しようか?だとか、それならお手紙だけ取りに来る?とかじゃぁ先生がお手紙持って行こうかなど提案をされる。いちいち娘に聞き、先生がお手紙持ってくるのはいいよ。などという。無理やり電話をつなごうとしようものなら、娘は雨が降っていようがパジャマだろうが家の外に逃亡するし、耳をふさぐし、トイレにこもる。転職したての会社に出勤前私の家ではこんなことが毎日繰り広げられているのだ。

お昼ご飯を用意し、今日の宿題と1日の過ごし方の注意などをメモに書き、私は身支度を整え出社する。こんな日も私は日々の生活に疲れ果てたおばさんになりたくはないので完全武装で家を出る。

いつスクールカウンセラーとの面談が入るかもわからないので、上司に娘が不登校気味であることを伝え、遅刻早退欠勤が生じる可能性があることに了承してもらう。壁に耳あり障子に目あり、人の不幸は蜜の味、女の恐るべし情報伝達能力によりオフィス中に私がひとり親でしかも娘さんは不登校らしいという話が広がった。名前も知らぬお局様のような女に、給湯室で「今日は?お嬢さん学校行った?」とか、「女の子は複雑で大変ね」とか、「学校でなにかあったのかしら?」「ずっとおひとりで育ててるの?」…etc数え上げればきりがないほどの言葉をこの1週間でかけられた。私は気丈に振舞い「コロナ休校明けで調子が出ないのかもー」「お留守番はなれてるのでー」「今の時代色んなお勉強の仕方がありますしー」「まぁでもうちの娘、見た目だけはめっちゃ可愛いので女の子だし学校行かなくてもどうにかなるかなー」「勉強は私に似てすごいできるから放ってます」とかなんとかにこやかに答えている。

この辺は序の口で、「カンボジアみたいに教育を受けられない子供たちも世界にはたくさんいるのに…」「お子さんお家に一人にして仕事来てるの?」「私だったら絶対仕事手につかない」「やっぱり一人で育てるって色々あるのね」→ちょっとこの辺は聞き捨てならない。友人、友人にほど近い知人、有識者、親戚あたりに言われるならまだわかる、まだ我慢できる。職場で言われる意味?え?ここでも精一杯の笑顔で、「まぁ、仕事しないと生活できないしー、私欲しい物とか我慢できないしー、それに私のプライベートについて色々言われたくなーい」ともう出来そこないの母親のテンプレみたいな発言をしてその場を立ち去るしかない。

学校からは、低学年で不登校になるのは珍しいことなのですが、お家で何か原因になるようなことはありましたか、お母さんと一緒にいたいのかしら、お忙しいとは思いますがお子さんとお話しをする時間をゆっくりとってあげてください、お母さんおひとりなので大変かと思いますが、お仕事変わられたんですよね?環境の変化にお子さんもついていけていないのかもしれませんね…って、は?全部私のせい?学校側に問題はない前提で話すのやめてくれません?

と、魂を抜き取られるような毎日を送っているけれど、これはもう長期戦になるなと覚悟を決めたので、友人の助言どおり、PASMOに見守り機能つけたり、キッズケータイのGPSを再確認したり、本屋にドリル買いに行ったりそんな休日を送っています。

私はNPO法人アレルギーで、NPOと聞くだけで虫唾が走るのだが、NPOのフリースクールを経営してる親戚がオンラインで勉強教えてくれるらしいし、引きずって連れて行かなくてもいいし、ただ勉強することは大事っていうのと体には気をつけて、と言っていた。あとは子供が不登校になって、両親が毎日喧嘩して、ついにはDV,虐待、家庭内暴力に発展した家の話やら、お母さんが思い詰めて子供と無理心中しようとした話なんかを聞かされて、気をしっかりね!と下を見ればきりがない系の私の大嫌いな励ましの仕方をされたので、後味は正直悪いが、親戚の恩恵を私と娘都合でいいとこどりしようと思っている。

スンドゥブって今の私の象徴だ。はらわた煮えくりかえってるけど、中の豆腐みたいに脆い。

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