あめちゃんを救いたい 「NEEDY GIRL OVERDOSE」感想

メチャメチャお久しぶり‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
久しぶりの更新となるが、Noteを更新できないほど忙しかったというわけではない。それに無更新期間中もいろいろ書けそうなことはあった。要は怠慢である。
前置きはここまでにして、久々に記事を書きたくなったゲーム「NEEDY GIRL OVERDOSE」の感想を書いていく。

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⚠注意⚠
この記事はゲーム内容のネタバレを含みます


「NEEDY GIRL OVERDOSE」

「NEEDY GIRL OVERDOSE」は、2022年に発売されたPC/Switch用アドベンチャー育成ゲームだ。「さよならを教えて」や「Serial Experiments Lain」などの鬱ゲー・電波ゲーをリスペクトしている作品で、その特異性や「配信者を育てる」というゲーム性から現実の配信者・実況者にも大ウケした逸品。

ゲームの大まかなあらすじはこう。
いわゆるメンヘラで承認欲求の強い女の子「あめちゃん」がウィッグなどを被って変身する「超絶最かわてんしちゃん(略して超てんちゃん)」を、プレイヤーはあめちゃんの彼氏兼プロデューサー「ピ」になって大物配信者に育て上げるゲームだ。
あめちゃんのステータスは、好感度・ストレス度以外にもメンヘラらしく「やみ度」というものがある。一日でできる行動の中にも、ゲームをする・ピと話す・おでかけする以外に薬をオーバードーズする、♥♥♥をするなどとんでもないものがある。さらにはランダムでリストカットをするイベントが発生することもある。

あめちゃんって誰?学歴は?収入は?彼氏は?調べてみました!

そんなメンヘラあめちゃんの過去は、ゲーム内で直接描かれることはない。しかしながら、ゲームを進めることであめちゃんの口から「親が毒親だったこと」「学校でいじめられていたこと」「中卒」など、お世辞にも幸せとは言えない過去が語られる。
こんな人生を歩んでいるのに(承認欲求を満たしたいという下心はあるとはいえ)インターネットの住民を楽しませたい思いで超てんちゃんとしての活動を始められるあたり、根は優しいのかもしれない。実際彼氏の「ピ」もいるし。まあそんなことはなかったんですけどね

このゲームはマルチエンディング形式を採用しており、どれもあめちゃんらしく悲劇的な末路をたどる。この記事ではそれらのエンディングから印象深かったものをいくつか紹介していく。


Angry Otaku Needy Girl

見事フォロワー100万人を達成し、さらに大手事務所MUUUにオファーされ、配信者用のマンションに一人で住むことになったあめちゃん。有名配信者とも知り合い、交際を始めていくが…

初見で到達したエンディングがこれ。
大手事務所にオファーされれば後ろ盾もついて安心。顔や姿が一切出てこないため、ぶっちゃけ実在してるか怪しいなーと思ったピより、実在してる彼氏ができたのにも安心した。
のに、その彼氏は浮気していた。怒り狂ったあめちゃんは過激なフェミニストのようになってしまう。このような体験をしてしまってはもう超てんちゃんに戻ることも、ピに逃げることもできないだろう。その後を想像すればするほど悲しくなる。実在する彼氏ができてよかったという安心が打ち砕かれたのもデカい。

男なんて全員ケダモノです 不潔です
絶対に許すな 見つけ次第ギロチンにかけましょう!
女性が心から安心できる、住みやすい世界のために!

Healthy Party

やみが寛解したあめちゃん。配信者を辞める発言をし、資格を取るという投稿を最後にゲームは強制終了する。

やみ度が0になるとこれ。私の場合は通院3回で到達した。
あーこれ以上のハッピーエンドはないわーとは思った。実際、もし私があめちゃんならこの終わり方で満足するだろう。
しかし、よく考えるとあめちゃんがこれで満足するわけがない。あめちゃんにとって、一般ピーの幸せはつまらないことは(Un)Happy End Worldというエンドでも嫌になるほど分かる。やみ度ステータスだって0になっただけで、完全に無くなるわけではない。また何らかのきっかけでやみは増し、再びインターネットエンジェルが目覚めるのだろう。

一般の人間になります、応援してくださったみなさまありがとうございました

Rainbow Girl

市販薬のODだけでなく、ついに違法ドラッグにも手を染めていくあめちゃん。薬物乱用の末に見たものは、画面越しに自分を導くかみさまの姿だった。

まほうのきって(たぶんLSD)を使い続けると到達。
このエンディングではじめて、ピではなく「プレイヤー」として超てんちゃんと話すことができるように見える。しかしながら、彼女もこのエンディングも全てプログラミングに過ぎないので、十分に話し合うことも手に触れることもできない。彼女を救うことなんてできない。
そもそもこれはあめちゃん/超てんちゃんがLSD乱用の末に見た幻覚に過ぎない。他の薬物を使わないエンディングではかみさまだとかプレイヤーだとか言わないし。あるのは虹色の虚無だけ。

あはっ やっぱりそこに居たんだ
ずっと気づいていたよ

Milky Way Train

星が降る夜にお願い事をすると、夜に願いを叶える汽車がやってくるというおまじない。それを実行した超てんちゃんは、ピと二人で汽車に乗る。汽車の中で、超てんちゃんはインターネットに縛られる日々が苦痛だったこと、フォロワー数が増えても幸せじゃなかったことを打ち明ける。そして、ピを自分から解放すると話す。

ネットロア5を配信後、おくすりを使い、夜銀河ステーションにおでかけすると到達。
宮沢賢治エンド。銀河鉄道の夜は読んだのがガキンチョの頃なのでマジで覚えてない。
あめちゃんにとっての幸せってなんだろう。幸せになれると思って始めたインターネットでも結局幸せにはなれなかった。誰も彼女の本心を見てくれなかった。でもピだけは彼女の幸福を考えてくれた。自分の本心を見てくれた。まあ自分自身だし
だからこそ、ピを自分から解放してあげる。天使として一人で羽ばたくことを決めたのだ。(Happy End Worldはプレイヤー側から強制的にインターネットを取り上げているので、あめちゃん側から解放するこのエンドとは違う意味があるかも)
正直、私があめちゃんについて一番心配していたのはインターネット以外で他人との繋がりがないことだった。でも、一人で飛べる天使になれたのならもう安心だ。

やっぱりあめちゃん根は優しくね????私ならピに依存しちゃうよッ

INTERNET OVERDOSE

近頃疲れていると話すあめちゃん。アンチコメントだけでなく、何気ないコメントにもストレスが溜まってしまう。配信のコメントにもストレスが止まらず、とうとう配信中に嘔吐してしまう。ネット上ではその事を「ゲロ女くせーー」「口臭い」などと嘲笑される。それ以降心配するようなコメントにも攻撃的になり、あめちゃんはだんだんと狂気に蝕まれていく。

ストレス度上限が120、ストレス度が80以上で到達。
統合失調症エンド。最後に見たエンドがこれ。
疲れ気味というちょっとしたきっかけから、どんどんひび割れが広がっていくようにあめちゃんが発狂する様はリアルでおぞましい。実際精神疾患なんてそんなもんだ。些細なことでも発症する。統合失調症を発症してからの描写もリアルすぎてショッキングでこっちまで吐き気がする。全世界がアンチで、自分を監視しているという妄想。めちゃくちゃになっていく言動。幻聴のように画面に張り付く「○ね」の文字。誰も来ていないのにアンチが家に来たと言い張る。裏垢と表垢の分別もできなくなる。脳が蝕まれているからか、ピまであめちゃんと同じく支離滅裂な言動を繰り返す。私は幸い統合失調症を発症したことはないが、その症状の苦しみと悲しみはもう十分ってぐらいに伝わった。妄想の中とはいえ、世界中どこにも味方はいないということがこれ程恐ろしく悲しいものなのかと。フルボイスじゃないのだけは救い。
狂気と引き裂かれた心の末路は完全な妄想の世界。妄想の中で超てんちゃんとしての配信を始める。そこには「ゲロ女」だの「臭い」だのそんなコメントはない。いつも通りのインターネットのオタクたち。たのしいはいしんができる。おもしろいはいしんができる。今の彼女はきっとしあわせだ。しあわせ。

やーこんなの即入院案件すぎる。おでかけコマンドに病院があるくらいだから病院に物理的に行けないというわけでもないし。そもそも炎上して叩かれてるのだから、しばらく休止すればいい(実際やみはいしん3のように、精神が比較的安定してる時は休もうと思えば休める)のにおくすりをODしてでも、リスカしてでも配信を続けようとするあめちゃん。かつて大事にしていたファンからの「休んで」の言葉も届かない。なのにインターネットがやめられない。まさにインターネットオーバードーズ。

そして、おぞましいだの怖いだのさんざん言ってきたが実はこのエンド、私にとってはぶっちぎりで一番のお気に入り。キャラが発狂するエンドが好きだからだ。今まで積み上げてきたものが自分の心一つで全部崩れていく。あめちゃんでいえば、インターネットもファンもフォロワーもいいねもピも超てんちゃんという心の光の部分も何もかもなくなってしまう。たまらん。
私の好きな乙女ゲームに、「攻略対象が狂って主人公のクラスメイトを皆殺しにして無理心中するエンド」があるのだが、それと同じくらい好きかもしれない。好き好き大好き!発狂はいいぞ!

なにが配信者だよ インターネットだよ
目を醒ませよ 気持ち悪いな

乾燥した乾燥

いやー面白かった。とくにINTERNET OVERDOSEエンドはマジで好きすぎる。
反面、そのリアルさや生々しさから、そういう経験をしたことがない私でも呑み込まれてしまいそうな時もあった。思い出を振り返るときは心が健康なときにやりたいところ。

でわまたね ✝昇天✝

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