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ユネスコ職員 林川眞紀さんに聞く「ユネスコとわたし」(後編)

ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局では、2024年1月15日(月)~2024年1月21日(日)にかけて「ユネスコウィーク2024」を開催中です!なお19日(日)は「国際シンポジウム」、20日(土)は「ユネスコスクール全国大会」、21日(日)は「ユースフォーラム」を開催します。

「ユネスコウィーク2024」の一環として、19日~20日の各イベントにてモデレーターやファシリテーターとして活躍してくださる林川眞紀(はやしかわまき)様に「ユネスコとわたし」というテーマでインタビューをしました。今回はインタビュー後半をお届けします!

林川様のご経歴やインタビュー前半はこちらよりご覧ください。 インタビューの後半では、国際公務員のキャリアやユネスコの今後についてお聞きしました!以下、インタビュー(後半)です!


Q:今までユネスコの職員として経験した一番大きい課題、または困難を感じたことは何でしたか。またそれをどのように克服されましたか。

ユネスコの職員は国際公務員として、国際協力での中立性と客観的立場を保持する必要があります。しかし、時々加盟国の圧力がかかって政治的に事業を操作されたり、影響されたりすることがあります。あくまでも専門家として中立かつ客観的な立場を守り、関係する加盟国に専門的視点から助言をし、技術支援を続けることが重要になりますが、必ずしも容易なことではありません。規則や規定に反しない範囲で柔軟に対応し、協議・交渉し、妥協点を探す努力をします。

個人的な側面では、国際公務員としてやはり国を跨いだ異動がつきものであり、家族が離れ離れなってしまったり、子供が頻繁に転校せねばならなくなることがあります。安全に家族が生活できる環境を確保できる勤務地を選べるとは限らないので、異動時期が近づく度に悩むところです。

Q:次に、ユネスコなどの国際機関に就職を希望する方々に向けて、何かアドバイスはありますか。やはり国際機関で働くために語学力は必要不可欠ですか。

将来、国連機関で勤めたい場合、語学(英語)は当然のことなので、まずは専門性をしっかり持つことが大事だと思います。ユネスコに関心がある場合は、教育・文化・科学など、ユネスコが専門とする分野の専門性が求められると思われがちですが、ユネスコにも会計・財務、法律、監査などの組織運営に必要な職種も当然あるので、それらの分野での専門性でもいいと思います。専門性の必要性にこだわるのは、日本の一般職場のように新規に採用された人に一から仕事の仕方を教えることがないからです。基本すべての職員が中途採用なので、職務経験を持っている前提でのスタートになります。専門性と職務経験があればすぐに自分の経験・知識を活用し、活躍出来るようになります。言語に関して追記すれば、本部でのポストにつく場合、近年フランス語もかなり高い確率で必要とされますので、やはり英仏両方出来る方が有利だと思います。

Q:ありがとうございます。特に国際機関に関心のあるユース世代の方々にとって貴重なアドバイスであると感じます。話題は変わりますが、現在人工知能(AI)がかなり発展・普及されていますが、AIの進化や導入により、国際機関での雇用等にはどのような影響があるとお考えですか。やはりAIの影響で今後の仕事はなくなっていくのでしょうか。

AIは確かにリスクとポテンシャルの両方を兼ね合い持っています。今の段階ではAIが国際機関の仕事を代替するようにはならないと思います。特にユネスコの仕事は人と人との直接のつながりで成り立っている事業が多いので、AIだけに頼ることは不可能だと思います。

もちろん、国際機関の中でも最近AIに関する組織としての政策や規定の設定・整備がされつつあります。ユネスコに関して言えば、ユネスコはAIの倫理ガイドラインを出したこともあり、加盟国及びパートナー機関がこれからAI政策・規定などを策定しようとしている場合には、倫理ガイドラインを照会してもらい、AI導入準備の査定や必要があればキャパシティービルディングの支援もしています。

Q:最後の質問です。現在世界で起こっている紛争等に対して、ユネスコや他の組織は今後どのように平和維持の役割を果たすことができるとお考えですか。

現在の世界の情勢は非常に残念で仕方ありません。ユネスコは専門機関として規範作り・政策提案・支援を中心とする開発協力・援助を主な事業内容としているため、このような事業を通じて平和構築に貢献しています。特に、教育・科学・文化分野での加盟国間の協力・協調を促進し、平和な世界を築くためにどのような教育内容が必要か、いかに国際協調を促す科学の共同研究を推進するか、紛争解決にどのような文化的視点を取り入れるべきか否かなど、ハイレベルな協議の場を提供することが大事です。その為、ユネスコは専門家と政策立案者が一同に集まり、紛争解決のための具体的協議をする場をあらゆるレベル(世界・地域・国レベル)で今後も提供していくでしょう。

インタビューは以上となります。林川様、貴重なお話をありがとうございました。


林川様には1/19~1/21の国際シンポジウム、ユネスコスクール全国大会、ユースフォーラムでご登壇いただく予定です。みなさま奮ってご参加ください!ご参加をお待ちしております!

詳細や参加申し込みは「ユネスコウィーク2024」特設サイトをご覧ください:https://unesco-sdgs.mext.go.jp/unesco-week-2024

イベントにより、すでに申込を締め切っている場合があります。ご了承ください。