2. ビジネス英語力について(その1)どのような力が必要か

一般的に言われる「英語力」はTOEIC等で測定できる学力のことであり、「ビジネスのために英語で行うコミュニケーションの力」つまり「ビジネス英語力」を構成する力の(かなり大きな部分ですが)一部なのです。
 
この章以降『ビジネス英語力』を構成する力についてもそれぞれがどういう力で、どうすれば体得できるかを説明していきたいと思います。
 
ビジネス英語力をつける(結果的にTOEICでの高得点にもつながるのですが)には我々が中学から高校で6年間(大学も含めると8年以上)学んだ学校での学習はどのくらい役に立つのでしょうか?
今自分の持っている英語力に加えて、英会話が出来るようになれば良いのでしょうか?
他にはどのような力が必要なのでしょうか?
 
「英語を勉強しなきゃ」と思って、こういったことは漠然と意識しているものの、ではさて勉強しようと思ってもどこから手をつけて良いか、どんな勉強やトレーニングをしたら良いかは具体的にはわからないですよね。
 
世の中に英語学習に関する情報は多いですが(例えばテレビのコマーシャルでも、電車の中の広告でも英会話学校に関するものは多いですね)、実際にはどういう方法でどのくらいの期間学習やトレーニングをすれば効果的なのかという情報はあまりないと思います。
 
実際に英会話学校に通ったことのある方は、時々英会話学校に通うだけでは思うような力は身に付かないことを実感されていると思います。
それ以外にも単に本を読むだけでなく、CDを聴く、WEBでのトレーニング等色々な方法もありますが、これもなかなか当初思い描いていたような感じでは進まないですよね。
ではどの方法が一番良いのでしょうか?
 
実はこのどれもがビジネス英語力をつけるための方法としては間違いではないのですが、習得すべき能力に合わせた(学習と言うよりは)トレーニング方法を、自分のレベルに合わせて選んでそれを継続するということが大切だと思います。
 
仕事の内容やポジションでも違いはありますが、基本的な言語能力として「聴く」「話す」「読む」「書く」力は(まあこれは英語に限らず当たり前の話ですが)一定レベル以上のものが必要です。
ほとんどの人はこれら全ての能力を今の力から向上させなければなりませんが、闇雲に勉強やトレーニングを始めても直ぐに結果が出ることはありません。
 
ビジネスで使えるレベルの英語力(特に会話力)習得にはある程度の期間がかかりますので、そのトレーニングを効率良く、長続きさせるためにもどの段階でどんなことをするか、特に初期段階では何をやるべきか、またそれはどのくらい続ける必要があるのかを予め理解しておくことは大切だと思います。

Fig 5)


TOEICで測れるのはこの上の二つの力、つまり英語での会話と読み書きの能力です。
実際には話す試験と筆記はありませんので、厳密にいえば聴く力と読む力が中心の能力測定になります。(TOEICにはSpeaking & Writingという話す力と書く力を測定するテストもありますね)
会社によっては昇格や昇給の査定のポイントにもなっていますので、TOEICに絞って学習し、そのスコアを短期間である程度向上させることはできると思います。
TOEIC対策としての勉強は良いきっかけになるとは思いますが、今後長期にわたってビジネスで英語を使うためのトレーニングはもう少し長いスパンで取り組むことを考えた方が良いと思います。
 
既に我々は「学校で学んだ英語力」つまり基本的な読み書きの能力は備わっているので、以下をOJTや自己トレーニングを通じて培っていくことが必要になります。
 
「英会話の能力」
基本的な能力の習得には2年程度かかるのでその期間に並行して以下を行います。
 
「ビジネスのための英語のボキャブラリー(業界用語や専門用語含む)の強化」
「翻訳に適した日本語力の強化」
これらは英会話のトレーニング中にも培われる力ではあるのですが、自発的にOJTを行う事でさらに効果が高まると思います。
 
まずは次回からFig5)の中でもビジネス英語力の上の部分の力、つまり「聴く」、「話す」、「読む」、「書く」という英語力の部分から見ていきましょう。

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